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借金が800万円まで膨らむと自己破産を覚悟される方は多いですし、個人再生での解決を希望する方もいらっしゃいます。
ただ、借金や債務者の状況によっては、他の債務整理の手続きでも解決できる場合があります。
ここでは、裁判所を通すことなく、最も簡単に手続きができる任意整理で800万円の借金を解決できる4つの条件について解説をしていきます。
目次
800万円の借金を任意整理できる条件
任意整理では、手続きが行なえなくなる借金の限度額というものはありません。
ただ、債務の金額が大きくなればなるほど、任意整理での解決が難しくなってしまうのも事実です。
任意整理では、基本的に
- 債権者から取引履歴を取り寄せ、引き直し計算を行なう
- 払い過ぎた利息(過払い金)があればその分を残債から減額
- 将来利息をカットする
- 残債を和解で決まった期間(3年~5年)で分割返済する
という流れで行っていきます。
借金が800万円ある場合、残債をうまく減らすことができず、返済期間が3年になると、月々の返済額は約22万円と、かなり高額になってしまいます。
では、どういった条件であれば800万円の借金でも任意整理が可能なのか、4つの条件をお伝えしていきます。
奨学金など低金利の借金が多い場合
もし、奨学金など、低金利の借金が多い場合は、利息の負担は、そこまで高くなりません。
実際、そういった方が借金返済で苦しんでいる方は、奨学金など以外に、銀行や消費者金融などのカードローンから高い金利でお金を借りていることが多いです。
任意整理は、整理の対象とする借金を選ぶことができるというメリットがあります。
ですから、このようなケースでは、金利が高い借金だけ任意整理の対象にします。
そうすれば、月々の返済額を減額し、最終的に支払う利息も大幅に減らすことによって借金問題を解決できる確率が高くなります。
借金800万円全額を任意整理の対象とすれば、和解後に、3年~5年で残債を返済することになるので、月々の返済額は13万~22万円になってしまいます。
しかし、一部の借金のみを任意整理の対象にするのであれば、月々の返済額はそれほど大きくなりません。
また、奨学金など低金利の借金は、利息の負担が大きくなく、月々の返済額もそれほど高くないので、任意整理の対象から外しておいても、問題はないでしょう。
過払い金がかなり発生した場合
もし、借り入れ期間が長い場合は、過払い金(払い過ぎた利息)が発生して、その分が残債から減る可能性が高くなります。
2007年~2010年にかけて改正貸金業法が段階的に実施されましたが、それ以前に消費者金融などからお金を借りていた場合は、利息を払い過ぎていた可能性があります。
人によっては、100万円、あるいは200万円以上の過払い金が発生していることもあります。
それによって、残債を一気に減らすことができれば、任意整理の和解後に決まる月々の返済額も低く抑えることができます。
仮に払い過ぎた利息を差し引いて残債を400万円まで減額することができて、3年間で返済することになれば、月々の返済額を11万円ちょっとまで抑えることができます。
返済期間を長くしてもらえた場合
任意整理で、弁護士や司法書士を通じて債権者と和解交渉を行なう場合、返済期間は3年間というのが基本となります。
ただ、交渉次第では返済期間を5年~10年に延ばせることもあります。
返済期間 | 月々の返済額 |
---|---|
3年 | 約22万2千円 |
5年 | 約13万3千円 |
6年 | 約11万1千円 |
8年 | 約8万3千円 |
10年 | 約6万7千円 |
返済期間がどれくらいになるかは、債権者の方針で決まってくるところがありますが、5年に延長してもらえる可能性は高いですし、債権者によっては7年、場合によっては10年に応じてもらえるケースもあります。
ただ、その一方で、中には任意整理に応じない会社もあるのでご注意下さい。
>>任意整理に応じない会社はある?交渉に失敗したらどうする?
あとは、任意整理を依頼すると弁護士や司法書士の交渉力によって左右される要素も大きいです。
ですから、任意整理を行なう場合は、必ず任意整理を得意としている専門家に相談して下さい。
返済能力がある場合
借金が800万円あると、任意整理の手続きだと、どうしても月々の返済額は高くなりがちです。
ただ、もし、債務者にそれだけの返済額を支払う能力があれば問題はありません。
任意整理の場合、債務者本人だけでなく、配偶者など家族が協力して返済をしても大丈夫です。
夫婦で力を合わせて、月々20万円以上の借金を返済できるのであれば、任意整理でも解決できる可能性は高くなるでしょう。
実際に今の返済能力で任意整理ができるかどうかは、月々の返済額をどれだけ減らせるかチェックするかによって見えて来ます。
借金800万円の任意整理に対する弁護士の見解は?
では、実際に借金800万円近くの借金を抱えている方に対して、弁護士はどのような見解や対応をしているのでしょうか。
いくつかの例を挙げながら、ご紹介していきます。
弁護士から見た借金800万円の任意整理
これは、月収が手取り25万円で借金800万円を抱えてしまった正社員の方が任意整理ができるか質問をした時に寄せられた弁護士からの見解です。
任意整理においては、元本は、原則減りません。したがって、3年から5年ぐらいで、返済していくだけの支払い原資が用意できるのでしたら、任意整理は可能です。しかし、5年返済としても月13万円ぐらい返済に必要になりますので、お書きの収入(月の手取り25万)からはかなりしんどいのではと思います。
最初のポイントでも指摘しましたが、返済期間が5年程度だと、よっぽど収入が高くなければ、借金800万円を任意整理で解決するのは、かなり厳しいです。
また、特に最近は、過払い金が発生するケースが少なく、借金の元本自体が減りづらくなっているので、ますます任意整理で解決するのが難しくなっています。
700万円以上の任意整理の事例はある
その一方で、700万円以上の任意整理の事例であれば、いろいろとご紹介されています。
その詳細に関しては、以下の記事で詳しく紹介しています。
>>借金700万円は債務整理で返済すべき?任意整理の事例はあるのか?
この中で、弁護士事務所が700万円以上の借金を任意整理で解決するために行ったポイントがいくつか書かれていますが、
- 年2回のボーナス時に20万円弱ずつ払うことにして普段の返済額を下げる
- 返済期間を6年間まで延長する
- 実家に住みながら経費を下げることを提案
など、様々な観点からアプローチをしています。
確かに借金が800万円近くになると、任意整理で解決するハードルはさらに上がってしまうのも事実です。
ただ、実際に弁護士や司法書士などの専門家に相談すれば、様々な案が出てくる可能性は高いので、一度、気軽に相談をしてみてはいかがでしょうか。
800万円の任意整理が難しい場合は?
では、仮に任意整理が難しい場合でも、すぐに自己破産になるかというと、そういう訳でもありません。
個人再生で解決する場合
任意整理が難しい場合は個人再生で解決できるケースもあります。
個人再生では、任意整理よりも借金を大幅に減額できるというメリットがあります。
手続きは裁判所を通じて行なうことになりますが、もし、800万円の借金の場合であれば、5分の1の160万円まで借金を減らすことも可能です。
あとは、それを基本的に3年間、場合によっては5年間で返済することになりますので、月々の返済額は
- 3年間で返済する場合:約44,444円
- 5年間で返済する場合:約26,667円
と劇的に下げることができます。
個人再生では、住宅ローンを整理の対象から外すことも可能なので、家を手放したくない方にとっても非常に有効な方法となります。
>>借金800万円を個人再生の手続きで解決した方が良いケース
自己破産をしても人生り終わりではない
個人再生でも解決が難しい場合は、自己破産で解決をするしかないかもしれません。
自己破産を行なえば、原則、800万円の借金は、チャラになります。
自己破産を行なうと、人生もう終わりだと思う方もいらっしゃいますが、決してそうはありません。
なぜなら、元々、自己破産は、借金で苦しみ絶望をしている人でも、新しい出発ができるように作られた救済措置だからです。
確かに、自己破産を行なうと、一定以上の財産を手放すことになったり、官報に記載されたりと様々なデメリットが生じます。
ただ、自己破産を行なっても身ぐるみはがされる訳でないので、自己破産後も普通の生活をしている人は多いです。
また、自己破産を行なった後、ブラックリスト状態の期間が、約5年~10年間、続きますが、その期間が過ぎると、信用情報は元に戻ります。
実際、弁護士などに相談する中で、不安が消えて安心して自己破産をされたという方も数多くいらっしゃいます。
800万円の借金は生か死ではない
借金800万円を抱えた方のブログはいくつかありますが、その中の一つに借金800万円破産か死かの選択というものがあります。
この方のブログのタイトル通り、借金を800万円抱えてしまって、破産をするか死を選ぶかというところで悩み苦しんでいる気持ちをブログに綴っています。
本人は、ギャンブルもやらないし、ブランド品にも興味がなく、真面目に仕事をしているサラリーマンとのこと。
そんな人がなぜ800万円もの借金を抱えるようになってしまったのか、肝心の具体的な話は書いていないのですが、とにかく追い詰められた状況がヒシヒシと伝わって来るブログです。
ただ、この方は、破産か死かという二択しか頭にありませんが、任意整理や個人再生など、その人の状況に合わせて、800万円の借金を解決する道は複数あります。
生か死かというところで、悩む必要は一切ないのです。
ですから、決して一人では悩まずに弁護士や司法書士に相談されることをお勧めいたします。
まとめ
借金が800万円ある場合は、任意整理での解決が難しい時が多いことも事実ですが、
- 住奨学金など低金利の借金の割合が多い
- 多額の過払い金が発生している
- 返済期間を5年~7年にしてもらえる
- 毎月15万円~20万円支払える返済能力がある
という条件のいずかに該当すれば、任意整理で解決する道も見えて来ます。
また、仮に任意整理での解決が難しくても、個人再生で解決できるケースもありますし、それでもダメなら自己破産という選択肢を取ることも可能です。
実際、任意整理にこだわりすぎると、任意整理後の月々の返済額が支払えず、途中で失敗してしまう事例もあります。
ですから、無料の借金の減額診断を受けたり、弁護士や司法書士にも相談したりしながら、あなたにとって最もふさわしい借金問題の解決法を見つけて下さい。
借金が800万円あった場合でも、自己破産以外に様々な解決法がありますので、まずは法律の専門家に相談されることをお勧めいたします。