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個人再生を検討している方の中には、転職を検討している方もいらっしゃるかと思います。

ただ、個人再生を行うタイミングで、そういう思い切ったことをしても大丈夫なのか、心配になるかもしません。

実際、個人再生前や手続き中、そして認可決定後(返済期間中)、どのタイミングで転職や退職をするのが良いのでしょうか?

また、退職をすると退職金が発生するので、その際の注意点も含めて解説をしていきます。

この記事を書いた人

 

借金問題専門家 タケシ

以前、325万円の借金を任意整理を行なって完済した体験を持つ借金問題の専門ライターです。
借金問題や債務整理に関するコンテンツは、既に1,500記事以上、執筆しています。

個人再生と転職の関係

個人再生を検討している人が転職をする場合、個人再生前、手続き中、認可決定後(返済期間中)、いずれのタイミングで行っても原則として問題はありません

自己破産を行う場合だと、手続きを行う際に、職種や資格を制限されるので、転職先によって問題が生じるケースがあります。

しかし、個人再生では、制限される職種や資格はないので大丈夫です。

ただ、そのタイミングによって注意すべきこともあります。

転職したばかりなのに個人再生をしてもOK?

実際、転職したばかりなのに個人再生をすると申請が却下されやすくなるのではないかと心配する人もいらっしゃいます。。

個人再生の手続きを行なう条件として、収入が安定していることが求められるからです。

ただ、実際の現場では、収入が安定しているかについては勤続年数までは問われないことの方が多いとも言われています。

個人再生の手続きを行なう際は、履行テストを行いますが、このテストをきちんとクリアすれば基本的には問題ないと言えるのです。

>>個人再生の履行テストとは?失敗は許されないのでご注意を!

しかし、その一方で、一般のサラリーマンとして転職するのではなく、自営業や個人事業主として独立をする場合や、また、アルバイトやパートの場合は、安定した収入を継続できるか問題視されるという意見もあります。

ここら辺は、ケースバイケースになってくるので、個人再生前の転職を検討している方は、まず弁護士などに相談をしてみて下さい。

個人再生の手続き中に転職する場合

個人再生の申し立てを行ない、手続き中に転職することは問題ないのでしょうか?

この場合も転職することはできますが、手続きに余計な時間が掛かってしまう可能性があります。

なぜなら、個人再生の手続きでは、再生計画案が認可された後にきちんと返済できるだけの安定した収入があることを示す必要があるからです。

ですから、もし、手続き中に転職をすると、収入などが変わるため、書類の内容を変更したり追加したりする必要が出て来ます

認可決定後(返済期間中)の転職

個人再生で再生計画案が認可されて、返済を行っている期間中であっても転職することは可能です。

個人再生を行うと官報に3回掲載されてしまい、それが転職の際にネックになるのではないかと不安に思う方もいらっしゃいます。

>>個人再生で官報に掲載されるのは3回!そのタイミングは?

しかし、官報の情報を一般の会社の人が見ることは、まずないので、転職への影響はありません。

ただ、ここで気を付けないといけないのは、転職後の収入が下がると、月々の返済額が払えなくなってしまうリスクがあるということです。

個人再生を行った後、約5年~10年は信用情報機関に事故情報が登録されるので、支払いができないからといって、銀行や消費者金融からお金を借りることはできません

そして、個人再生後の返済が遅れると、再生計画が取消となって、残りの借金が全額復活し、債権者からの取り立てや督促が再開します

場合によっては債権者から訴訟も起こされ、個人再生は完全に失敗する結果になってしまいます。

ただ、転職によって収入が下がり、返済ができなくなっても、やむを得ない事由があったと認められれば、再生計画で定められた返済期間を延長してもらうことが可能です

やむを得ない事由としては

  • 転職で収入が下がった時
  • リストラに遭った
  • ボーナスがカットされた
  • 本人や家族の病気で支出が増えた

などのような状況があります。

上記の条件に該当する場合は、裁判所に再生計画変更申立書を提出し、債権者の主張も検討された上で、裁判所から認められれば、2年を超えない範囲で返済期間を延長することができます。(民事再生法第234条)

また、返済期間を延長しても難しい場合、特定の条件を満たしていれば、ハードシップ免責という形で残債の支払いを免除してもらうこともあります。

>>ハードシップ免責とは?個人再生で返済が厳しい時の救済手段

しかし、ハードシップ免責も難しい場合は、自己破産の手続きをせざるを得なくなってしまいます。

退職金が出る場合の注意点

転職をする際、人によっては、前職の会社から退職金が出る場合があります。

実は、この退職金の金額によって、個人再生後の弁済額に影響が出てしまうことがあるので注意が必要です。

個人再生で退職金は以下のように処理されます。

  • 退職がまだ先の方:退職金見込額の8分の1が清算価値にプラス
  • 退職が間近の方:退職金見込額の4分の1が清算価値にプラス
  • 退職をした方:全額が清算価値にプラス

>>個人再生で退職金の額が多い人は要注意!

清算価値とは、個人再生の手続きを行なう人が有していると見なされる財産の価値です。

個人再生の手続きを行なうと、基本的に借金(債務)の約5分の1が最低弁済額となります。

ただ、清算価値が最低弁済額を上回ると、清算価値の金額が弁済額となってしまいます。

退職や転職をしないのであれば、退職見込金額の8分の1しか清算価値にプラスされません。

しかし、退職をすることによって、退職金見込金額の4分の1、または退職金の全額が清算価値にプラスされてしまう可能性が出て来ます

実際、清算価値が確定をするのは、個人再生の認可決定時となるので、退職金の金額が多くなりそうな場合は、そのタイミングより前に、退職金が確定したり、支給されたりしないよう気を付ける必要があります

>>任意整理中や任意整理後に転職しても大丈夫?思わぬ影響も!

まとめ

転職を検討している人が個人再生の手続きを行う場合、転職が可能かどうかは、気になるかと思いますが、基本的には、個人再生前、手続き中、認可決定後(返済期間中)、どのタイミングで行っても大丈夫です。

ただし、以下の点は気を付ける必要があります。

  • 新しい仕事が個人事業主、自営業、アルバイト、パートの場合、安定した収入を継続できるか問題視される場合がある
  • 個人再生の手続き中に転職をすると書類の変更や追加が必要となり、手続きに時間が掛かることがある
  • 個人再生の認可決定前に退職金が確定したり、支給されたりすると、弁済額が増える可能性がある
  • 転職後に収入が下がると、個人再生後の弁済ができなくなるリスクが発生する

個人再生の書類上の手続きや、退職金の兼ね合いを考えると、転職・退職をするのは、認可決定後のタイミングの方が良いと思います。

ただ、事情によっては、早く転職や退職をしたい方もいらっしゃるかと思いますので、まずは、債務整理に強い弁護士に相談してみて下さい。

>>個人再生に強いおすすめ弁護士事務所

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個人再生中の転職は退職金の絡みなどで複雑になることもありますが、任意整理であればそれほど影響は受けないので、どの手続きが良いかという点も含めて、一度、弁護士に相談されることをオススメいたします。