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個人再生の手続きを行なう際、退職金の額によっては、弁済額に影響を与える場合があります。
特に、退職金の額が多く、退職が間近な人は、より大きな影響が出て来てしまいますので、ここでは退職金の扱い方について解説をしていきます。
目次
退職金が多いとどうなる?
退職金が多いと起こってくる問題は、弁済額が増えてしまうかもしれないということです。
個人再生では自己破産と違って、財産を多く持っていても没収されることはありませんが、条件によって弁済額が増えてしまうことがあります。
個人再生では、基本的に借金を約5分の1に減らすことができます。
しかし、そこで算出された最低弁済額よりも、退職金、または退職金見込額の一部を含めた財産評価額(清算価値)が多くなれば、弁済額を高い方へ合わせなければならなくなります。
また、これは小規模個人再生の場合で、給与所得者等再生の場合は、さらに可処分所得(給与の80%程度)の2年分が、最低弁済額や清算価値を上回る時、そちらに弁済額を合わせる必要があります。
退職金に応じて清算価値はどれだけ増える?
では、退職金の中で、どれくらいの金額が清算価値にプラスされてしまうのでしょうか?
退職がまだ先の場合
会社を当面辞める予定がない場合は、退職金見込額の8分の1が清算価値にプラスされることになります。
個人再生をするからといって会社をクビになることはありませんし、個人再生後は、弁済を続けていく必要があるので、大抵の人達は、こちらのパターンになります。
退職が間近な場合
退職が間近であったり、既に会社を辞めていて退職金をもらう前の段階であったりする場合は、退職金見込額の4分の1が清算価値にプラスされます。
退職をした場合
既に退職をして退職金を受け取っている場合は、その金額も含めて現在所有している清算価値を算出して、弁済額を比較することになります。
退職金見込額証明書の取得について
退職金見込額を調べるには、通常、退職金見込額証明書を会社から発行してもらうことになります。
しかし、こちらの書類は、債務整理以外で発行する機会がほとんどない書類なので、発行を依頼すると債務整理をすることが会社の人にバレてしまう可能性があります。
そんな時は、会社の規約で退職金に関する規定があれば、そちらを元に自分で退職金の見込額を算出して書類を提出しても大丈夫です。
退職金見込額は自己都合が基準
退職金の額は、会社都合と自己都合で大きく金額が異なって来ます。
ですので、どちらの場合の退職金が違うか気になるところですが、基本は、個人再生の申し立てをした時点で自己都合で退職をした場合の金額となります。
ですから、退職金の金額は、会社都合のケースに比べて金額はかなり少なくなっているはずです。
退職金なしの場合は?
中小企業など会社の規模によっては、退職金制度がそもそもない会社もあります。
その場合は、退職金の金額によって弁済額が上がることはありません。
しかし、そういった場合でも、退職金の制度がないことの証明書を提出する必要があります。
この証明書は、退職金の制度がない旨をA4用紙に記載した形で、会社から発行してもらうことになります。
退職金見込額証明書の提出が必要となる人
ちなみに、退職金見込額証明書を提出する必要があるのは、勤続年数が5年以上の正社員というのが基本となっています。
しかし、裁判所によっては3年以上でも証明書の提出を求める場合があるので、弁護士にも相談しながら確認して下さい。
個人再生をする際、退職金が少なかったり、なかったりする場合は、問題ないのですが、退職金が多いと弁済額がジワリと上がってしまうリスクがあるので、弁護士などに相談しながら、慎重に手続きを進めていって下さい。