個人再生の返済が難しくなった場合、ハードシップ免責というの救済手段を行なう場合があります。

ハードシップ免責は、最後手段的な位置づけにあるのですが、ここではハードシップ免責の意味や利用するための要件、そして住宅ローンの扱いについて解説していきます。

ハードシップ免責の意味

ハードシップ免責のハードシップ(hardship)は英語で困難や苦難という意味になります。

個人再生で再生計画案が認可されると、そこで確定した弁済額を基本的には3年間で返済をしていくようになります。

しかし、途中でどうしても返済が困難になってしまった場合は、ハードシップ免責の申し立てをして、免責許可を受けられれば、残債は払わなく良いということになります。

ハードシップ免責の書式は、日本弁護士連合会のホームページから入手することが出来ます。

また費用に関しては、収入印紙代も含めて1,000円程度しか掛かりません。

ハードシップ免責の要件

ハードシップ免責の要件については、民事再生法235条1項に明記されており、その内容を要約すると以下のようになります。

4分の3以上の弁済が終わっている

もし、4分の3以上の弁済が終わっていなければ、ハードシップ免責の申し立ては出来ません。

その場合は自己破産の手続きを行っていくようになります。

債権者の利益に反しない

残債を免責にすること自体は、債権者の利益に反するかもしれませんが、ここでは、再生計画案の認可が決定された段階で、もし自己破産を行っていた場合の配当総額と比較して判断します。

つまり、自己破産での配当総額が、個人再生の弁済額からハードシップ免責で免除される額を差し引いた額よりも少なければ、債権者の利益に反しないということになります。

再生計画の変更をすることが極めて困難である

個人再生では、通常3年間で返済をしていくのが基本となります。

そこで返済が困難になった場合は、返済期間を3年から5年に延長することで対処できないか、まず検討します。

しかし、個人再生を行った人が重たい病気やリストラで仕事が出来なくなってしまったりするなど、5年に返済期間を延長しても難しい場合は、ハードシップ免責を申立てるようになります。

ですから、まだ働ける状態にあったり、返済不能に陥った理由が、浪費やギャンブル癖など本人の過失であった場合は、ハードシップ免責は認められません。

住宅ローンはどうなる?

個人再生のメリットの一つに、住宅ローン特則を利用することによって、家を守ることが出来るということがあります。

しかし、ハードシップ免責をする場合、原則的にすべての債務が対象となることが民事再生法 第235条第6項で以下のように定められています。

免責の決定が確定した場合には、再生債務者は、履行した部分を除き、再生債権者に対する債務(第二百二十九条第三項各号に掲げる請求権及び再生手続開始前の罰金等を除く。)の全部についてその責任を免れる。

ここで、住宅ローンを除外とすることは出来ないため、住宅は手放すことになります

具体的には住宅を競売や任意売却で手放した後、残債を免除してもらう流れとなります。

ハードシップ免責を行なうケースは稀

ハードシップ免責は個人再生の手続きを行なった後に万が一の不測の事態が起こった時の救済的な措置となります。

しかし、ハードシップ免責が認められる条件はかなり厳しいので、実際に適用されるケースはほとんどありません

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個人再生での返済が困難になった場合は、ハードシップ免責も含めて、いくつかの対処法がありますが、まずは弁護士に早めに相談されることをオススメいたします。