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債務整理の中で個人再生を選んだ場合、官報に3回掲載されてしまうというデメリットがあります。
では、個人再生の手続きを行なう際、官報には、いつどのようなタイミングで掲載されてしまうのか、具体的に解説をしていきます。
目次
個人再生での官報の役割
官報は国が発行している機関紙です。
官報の内容についてはこちらの記事にも詳しく説明してあります。
参考記事:官報とは?
個人再生は裁判所を通じて行なう手続きですが、裁判所は債権者に対して以下のような手順を踏む必要があります。
- 債権を届け出るよう債権者に呼びかける
- 再生計画案に対して反対や意見がないか債権者に確認する
- 再生計画案を認可した後、問題ないか債権者に確認する
こういった内容について、債権者とやり取りをする際に、官報が利用されるのです。
個人再生で官報に掲載されるタイミングはいつ?
個人再生の手続き期間中、官報に債務者の情報が掲載される機会は3回あります。
そして、具体的なタイミングがいつなのかは以下のようになっています。
1回目:再生手続きを開始決定した時
再生手続きを開始すると、裁判所は官報に債務者の住所、氏名、事件番号を記載した上で、指定日までに債権を届け出るよう呼びかけます。
2回目:書面決議または意見聴取をする時
債務者が出した再生計画案に対して、裁判所は債務者の住所と氏名を掲載した上で、債権者に対して以下の内容を呼びかけます。
- 小規模個人再生の場合:書面決議に付して期限までに賛成か反対かの回答を求める
- 給与所得者等再生の場合:期限までに意見を聴取して、書面の提出を求める
3回目:再生計画認可決定をした時
裁判所は債務者の住所、氏名、事件番号を伝えた上で、債務者の再生計画案が認可されたことを公告します。
そこで掲載をされてから2週間、反対がなければ、認可した内容が確定されます。
官報の掲載期間はどれくらいなの?
個人再生をして官報に掲載されると、掲載期間はどれくらいになってしまうのか気になるところですが、残念ながら一度掲載されてしまうと、一生記録が残ってしまいます。
ちなみに債務整理を行った場合は、信用情報機関にも事故情報が登録されて、その期間は新たな借入をしたりクレジットカードを作ったりすることができなくなります。
ただ、信用情報機関での事故情報は、約5年~10年が経てば消えるという点が官報への記載と比べて大きく違います。
また、官報の記録は一生残りますが、官報をインターネットで見る場合、無料で閲覧できるのは直近の30日分のみとなっています。
参考記事:インターネット版官報の公式ページ
それ以前のものを見たり検索したりするには、有料会員になるか、有料購読をする必要があります。
また官報を見ようとする人は、信用情報機関や金融関係者など一部の限られた人達のみとなっています。
ですから、一般の人達が、官報を見ることはまずないので、それほど心配はしなくても大丈夫でしょう。
また、万が一、官報をチェックされて個人再生をしたことがバレてしまっても、債務整理を行ったために解雇されることは、公務員・民間の会社員を問わずありませんので、その点ではご安心下さい。
官報と住宅ローンの関係
住宅ローンを組む場合、銀行の住宅ローンを利用する方が多いと思います。
銀行は全国銀行個人信用情報センター(KSC)という信用情報機関に加盟していますが、KSCでは、個人再生の手続きで官報に掲載された情報を10年を超えない範囲で登録します。
ですから、個人再生後は、銀行の住宅ローンの審査に通るのが当面難しくなってしまいます。
ただ、官報の情報自体は10年後も残り続ける一方で、KSCが官報の情報を登録する期間は10年を超えないので、それ以降は住宅ローンの審査も問題なく受けられるようになります。
官報に載るのを避けたい場合は?
ただ、それでも官報に自分の個人情報が一生残ってしまうのは嫌だと思う方もいらっしゃるかと思います。
実際、債務整理の中では、自己破産を行った場合でも官報に記載されてしまいます。
参考記事:自己破産で官報に載るタイミングはいつ?どんな人達が見る?
その一方で、任意整理の手続きであれば官報に記載されることはありません。
任意整理の手続き借金問題が解決できるかは、あなたの借金の状況によって異なって来ますので、まずは弁護士や司法書士に相談をしてみて下さい。