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個人再生 履行テスト

個人再生では、手続きが完了をした後、債権者に対して借金の弁済をきちんと履行していくことができるか確認するためのテストが行なわれます。

そのテストのことを履行テスト(履行可能性テスト)と言いますが、ある意味、失敗が許されない重要な手続きとなります。

ここでは、個人再生での履行テストの流れや期間、そして、そこで払ったお金が返還(返金)されるかについて解説をしていきます。

この記事を書いた人

 

借金問題専門家 タケシ

以前、325万円の借金を任意整理を行なって完済した体験を持つ借金問題の専門ライターです。
借金問題や債務整理に関するコンテンツは、既に1,500記事以上、執筆しています。

履行テスト(履行可能性テスト)の流れ

履行テストは、個人再生の申立てを行ってから1週間以内にスタートします。

個人再生の申立てを行った債務者は、本来、再生計画案が認可された後、月々に支払っていく金額と同じ額を支払う、あるいは積み立てていくようになります。

このテストは、小規模個人再生でも給与所得者等再生のどちらの場合でも行なわれます。

>>小規模個人再生とは?そのメリットとデメリット

実際、個人再生の手続きで、この履行テストは再生計画案を認可してもらう上で、非常に重要な要素となってきますので、裁判所の指示に従って、しっかり行なうようにして下さい。

また、履行テストを行なう場合は、

  • 東京地方裁判所:分割予納金を裁判所に支払う
  • 大阪地方裁判所などその他の地方裁判所:手元の通帳に積立金を納めて、積立状況報告書を裁判所に報告

という形にそれぞれ分かれます。

分割予納金の支払いの期間(積立期間)は?

履行テストでの支払いは月に1回のペースで行ない、一般的には6回、支払いを行います。

ですから、支払い期間(積立期間)は原則、半年です。

ただし、裁判所が債務者に弁済能力があると判断すれば、3回ぐらい(3ヶ月)で終わる場合もあります。

履行テストが失敗すると

履行テストを行なっていく上で重要なのは、コツコツと支払いや積立てをしていくことです。

分割予納金の場合、履行テストでは一括払いもできませんし、逆に正当な理由がないのに、支払いが遅れてもいけません。

また、積立金の場合は、途中で積立金用の預金口座からお金を引き出してはいけません。

もし、支払いが遅れたり、積立金を引き出したりすると、履行テストは失敗と判断されます。

履行テストが失敗すると、再生計画案が認可されなくなり、個人再生自体が失敗(申立ての段階からやり直し)ということになってしまいます。

そういった意味で、履行テストは失敗が許されない手続きなので、慎重に進めていって下さい。

個人再生が失敗したら自己破産!?

個人再生の履行テストが失敗し、個人再生も失敗ということになれば、基本的には自己破産の手続きを行うことになります

個人再生ではなく任意整理を行うという選択肢もありますが、履行テストに失敗するケースでは、返済能力がないことが主要な原因なので、やはり、自己破産になる確率が高いでしょう。

自己破産を行えば、借金がすべて免責になるというメリットがありますが、住宅ローンは守れないなど、デメリットも大きいので、弁護士とよく相談しながら、手続きを進めて下さい。

>>個人再生の成功率は高い?失敗しないために注意すべきこと

返金・返還はしてもらえる

履行テストは、あなたが弁済計画を履行できることを示すために行われるものであり、追加の費用を支払わせることが目的ではありません。

ですから、履行テストで支払ったお金は、原則として返金・返還されるものなので、その点ではご安心下さい。

ただ、どのように戻ってくるかは、東京地方裁判所と東京地方裁判所以外の裁判所では、少し異なります。

東京地方裁判所の場合

東京地方裁判所では、債務者が履行テストで支払ったお金は、分納予納金として扱われ、そこから個人再生委員に対する報酬(15万円、弁護士を立てていない場合は25万円)を差し引いた上で、弁護士に返還されます

さらに、そこから、弁護士費用などを差し引いて残った金額が本人に返金されるという流れになります。

個人再生委員への報酬や弁護士費用は、元々、個人再生の手続きに必要なお金なので、余分に取られるというワケではありません。

東京地方裁判所以外の裁判所の場合

一方、大阪地方裁判所など他の地方裁判所では、原則として再生委員は選出されません

ですから、履行テストで積立てたお金は、別の費用で差し引かれることなく、債務者の手元へ残ることになります。

この積立金は、弁済(返済)に充てても構いません。

ただ、担当の弁護士によっては、積立金を管理して、弁護士費用や再生計画が始まった時の返済に充てられるケースもあります。

清算価値には含まれない

ちなみに、このお金は清算価値には追加されません

通常、清算価値が最低弁済額を上回ると、弁済額を清算価値に合わせないといけなくなり、最終的な弁済額が増えてしまいます。

しかし、積立金は清算価値に含まれないので、その心配はありません。

まとめ

履行テストは、個人再生後も返済をきちんと支払っていけるか検証する上で、とても大切な手続きです。

個人再生では、住宅ローンを守りながら、借金を約5分の1まで減額できるという点ではメリットが大きいですが、最低限の返済能力は必要だからです。

履行テストで失敗をすると、個人再生の失敗にも繋がり、自己破産をする可能性が高くなるので、おろそかにしないようにして下さい。

また、履行テストでも、しっかり返済ができるかチェックされますが、それ以前に、あなたに最も適した債務整理の手続きを知る必要がありますよね

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takeshi1

個人再生は、履行テストも含めて、債務整理の中でも、かなり複雑な手続きとなってきますので、弁護士によく相談しながら手続きを進めて下さいね。