小規模個人再生 デメリット

個人再生の手続きの中で、小規模個人再生、あるいは給与所得者等再生のどちらかを選択するようになります。

実際の現場では、小規模個人再生の方が弁済の総額が少なくなるケースが多いため、こちらの方を選択する人が約9割を占めています。

ただ、小規模個人再生にはメリットだけでなくデメリットもありますので、その点について解説していきます。

小規模個人再生とは?

小規模個人再生とは個人再生の手続きで弁済額を決める際に行なう手続きです。

小規模個人再生では、まず以下の内容で方法で最低弁済額の基準を決めます。

債務の額 最低弁済額
100万円以下 全額
 100万円以上500万円以下 100万円
 500万円以上1,500万  5分の1
1,500万円以上3,000万円以下 300万円
3,000万円以上5,000万円以下 10分の1

さらに、これとは別に清算価値を算出していきます。

清算価値とは、個人再生を行なう人の財産目録で計上される財産の総額で、車、生命保険(解約返戻金)、住宅(評価額から住宅ローンの残高を差し引いた金額)などが含まれます。

小規模個人再生の場合、もし、最低弁済額より清算価値(財産の総額)の方が大きければ、そちらが弁済額となります

これは債権者の権利を守るために作られたルールなので、清算価値保障と呼ばれています。

小規模個人再生のメリット

借金の減額の幅が大きい

小規模個人再生の場合、最低弁済額と清算価値の比較によって弁済額が決まります。

しかし、給与所得者等再生の手続きを選択した場合は、さらに、可処分所得の2年分も加味して、こちらが最も金額が多くなる場合は、そちらが返済額となります

可処分所得とは、実際の収入から税金や社会保障などの金額を差し引いたいわゆる手取りの収入となりますが、大体、実際の収入の80%ぐらいです。

そうすると、年収300万円の人の可処分所得は約240万円となり、2年分となると約480万円となってしまいます。

つまり、借金が500万円の人が個人再生を行なう場合、本来、最低弁済額が100万円となるところが、給与所得者等再生では年収が300万円だと、弁済額が480万円に跳ね上がってしまうという訳です。

ですから、個人再生の手続きを行なう場合、まずは、より借金の減額の幅が大きくなりやすい小規模個人再生が出来ないか検討していくのが通常の流れをなっています。

利用しやすい

給与所得者等再生を行なうには、給与などによって定期的な収入があり、かつその収入の変動幅が少ないという条件を最低限満たす必要があります

ですから、自営業者など収入が安定していない人は選択することができないのです。

しかし、小規模個人再生は自営業者の方でも選ぶことができるので、利用しやすくなっています。

小規模個人再生を行うために必要な要件

ちなみに小規模個人再生の手続きを行なうには以下の要件を満たす必要があります。

  • 再生手続き開始要因がある
  • 最低手続き開始申立ての棄却事由がない
  • 申立てが適法である
  • 債務者が個人である
  • 将来的に継続的な収入を得られる見込みがある
  • 債務の総額が5,000万円を超えない

実は、最後にもう一つ重要な条件があるのですが、それはデメリットのところで解説していきます。

小規模個人再生のデメリット

ここまでの情報を見ると、みんな小規模個人再生を選ぶのではないかと思う人もいるかもしれません。

しかし、小規模個人再生には大きなデメリットが一つあります。

それは、再生計画案を出した際に、

  • 債権者の半数以上が反対する
  • 反対した債権者からの債務の総額が全体の半分を超える

上記のいずれかの条件を満たしてしまうと、再生計画案が認可されなくなってしまうのです。

一方、給与所得者等再生を選択した場合は、債権者が同意するか反対するかに関係なく手続きを進めることができます

ですから、順番としては

  1. 小規模個人再生で手続きが出来ないか検討してみる
  2. 債権者の同意を得られない場合は、給与所得者等再生で検討する

という流れとなります。

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個人再生の手続きは、小規模個人再生と給与所得者等再生に分かれますが、債務整理全体でみると、任意整理や自己破産もあり、どの方法があなたにとって最善の方法であるかは違ってきますので、まずは法律の専門家に相談してみて下さい。