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奨学金の返済ができない状態に陥った場合、任意整理で減額ができないかと考える方もいらっしゃるかと思います。

ただ、奨学金を任意整理の対象にしても、メリットはほとんどありません。

ですから、任意整理では、奨学金を外す方が良いですし、あるいは債務整理の別の方法で減額、またはチャラにする方法をお勧めいたします。

ここでは、奨学金を返済できない場合の対処法について具体的に解説していきます。

この記事を書いた人

 

借金問題専門家 タケシ

以前、325万円の借金を任意整理を行なって完済した体験を持つ借金問題の専門ライターです。
借金問題や債務整理に関するコンテンツは、既に1,500記事以上、執筆しています。

任意整理では奨学金を外す方が良い理由

任意整理では奨学金を外した方が良い理由が、2つあります。

奨学金は元々低金利である

任意整理を行う最大のメリットは、将来利息をカットすることによって、月々の返済額を減らしたり、元々の金利で最終的に支払うべきであった利息を支払う必要がなくなったりするという点です。

消費者金融など、金利の高い貸金業者から借りている場合は、この方法で数十万円~100万円単位で損失を減らすことも可能です。

しかし、奨学金の金利は、元々1%未満がほとんどのケースが多く、かなりの低金利です。

ですから、仮に任意整理で奨学金の金利をカットできたとしても、ほとんど利益が出ません

また、任意整理では、返済期間が3年~5年となっています。

奨学金の返済期間は基本的に20年なので、従来の返済方法を続けた方が、月々の返済額は少なくて済むでしょう。

遅延損害金のカットにも応じてくれない

奨学金は通常は低金利ですが、延滞をしてしまうと、年率5%~10%の遅延損害金が発生します

ですから、奨学金の支払いを滞納してしまって、遅延損害金が増えてしまった場合は、任意整理でカットできないかと考える方がいらっしゃるかもしれません。

確かに、通常の債権者であれば任意整理の交渉で遅延損害金の支払いを免除してもらえることも多いのですが・・・

奨学金を管轄している日本学生支援機構は、遅延損害金のカットの交渉にも応じてくれません

奨学金の返済ができない場合の解決策

では、奨学金の返済ができない場合、どのような方法で解決すれば良いのでしょうか?

奨学金以外の借金を任意整理する

奨学金の返済ができない方の中には、奨学金以外の借金が増えてしまって、生活を圧迫しているからという方もいらっしゃいます。

そういった場合は、奨学金以外の借金を任意整理で減らすことによって、奨学金を返済できるようになるかもしれません。

任意整理は整理する対象を選べるというメリットがあります

奨学金以外の借金を任意整理でどれくらい減らせるかは、以下の方法で簡単に調べられるので、気になる方は試してみて下さい。

>>借金をどれだけ減らせるか調べてみる【所要時間1~2分】

奨学金返還相談センターに相談する

奨学金が返済できない時は、奨学金返還相談センターに直接相談するのも一つの有効な方法です。

具体的には以下のような対処法があります。

  • 減額返還:月々の返済額を2分の1または3分の1にしてもらう
  • 返還期限猶予:一定期間、返還を猶予してもらう
  • 返還免除:全額または一部の返還を免除してもらう

実際に、上記の方法で対応をしてもらえるかどうかは、奨学金を払えなくなった事情などによって決まって来ますので、まずは一度相談をしてみると良いでしょう。

>>奨学金が返済できないとどうなる?その厳しい現実と対処法

奨学金を一括請求された場合

奨学金の返済の滞納期間が3ヶ月を超えると、信用情報機関に事故情報が登録されます

さらに、滞納が続くと、期限の利益を喪失し、日本学生支援機構から一括請求をされます。

しかし、それでも返済ができなければ、機関保証制度を利用しいる人は、債権が日本国際教育支援協会に代位弁済されます。

そして、今度は、日本国際教育支援協会から一括請求されることになるのです。

もし、奨学金を一括された場合は、

  • 日本学生支援機構から一括請求された場合:奨学金返還相談センターに相談
  • 代位弁済された後、日本国際教育支援協会から一括請求された場合:機関保証センターに相談

をして、まずは分割払いに応じてもらえないか交渉をしてみて下さい。

また、一括請求された後も、取り立てを無視していると、悪質だと判断され、裁判所を通じて強制執行され、給与や財産を差し押さえられるリスクが発生します

個人再生や自己破産で解決する

もし、それでも奨学金の返済ができない場合は、個人再生や自己破産で解決するという方法もあります。

この方法だと、奨学金の残債は、個人再生であれば約5分の1に減額、自己破産であれば全額を免責してもらうことも可能です。

ただし、奨学金に連帯保証人が付いている場合、個人再生や自己破産を行うと、減額または免責された分が、連帯保証人に対して、一括請求されてしまいます

連帯保証人は分割払いの交渉をすることも可能ですが、もし、連帯保証人も返済ができなければ、連鎖破産ということにもなりかねません。

ですから、連帯保証人が付く人的保証制度を利用している人は注意が必要です。

しかし、その一方で、機関保証を利用している人であれば、家族や親族に迷惑が掛かることはないでしょう

>>奨学金が機関保証であれば自己破産や個人再生でメリット大?

まとめ

奨学金の返済ができなくなった場合、任意整理を希望する方もいらっしゃいますが、奨学金は金利が低いので、任意整理の対象から外すことをお勧めいたします。

また、奨学金の返済に関しては、奨学金返還相談センターに直接、相談してみるのも一つの有効な方法です。

あとは、債務整理を行うのであれば、

  • 奨学金以外の借金を任意整理で減らす
  • 個人再生で奨学金の残債を約5分の1に減額する
  • 自己破産で全額を免責してもらう

という方法がありますので、弁護士や司法書士に相談しながら、自分に合った方法を見つけてみて下さい。

takeshi1

機関保証制度と人的保証制度のどちらを使って奨学金を利用しているかによって、対応はかなり違って来ますので、まずは、弁護士や司法書士に相談されることをお勧めいたします