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個人再生 成功率

個人再生の成功率に関しては、一般的に成功率は高いと言われています。

ただ、それでもこれから個人再生の手続きをする人にとって、本当に成功できるかどうか、すごく気になってしまうものですよね。

そこで、ここでは、統計データから見た個人再生の成功率と、個人再生で失敗する条件や、その後の対策法について解説をしていきます。

この記事を書いた人

 

借金問題専門家 タケシ

以前、325万円の借金を任意整理を行なって完済した体験を持つ借金問題の専門ライターです。
借金問題や債務整理に関するコンテンツは、既に1,500記事以上、執筆しています。

統計データから見る個人再生の成功率

個人再生の成功率がどれくらいかは、統計データから大体判断することができます。

2014年破産事件及び個人再生事件記録調査によると、2014年の個人再生の終結原因に関して、以下のような統計データが出ています。

  • 認可決定(627名):88.56%
  • 不認可決定(1名):0.14%
  • 申立却下(1名):0.14%
  • 申立棄却(4名):4.24%
  • 取り下げ(30名):4.24%
  • 廃止(21名):2.97%
  • 死亡終了(1名):0.14%
  • 小規模個人再生に移行(2名):0.28%
  • 記入漏れ(21名):2.97%

認可決定の確率は90%弱ですし、不認可決定の確率は0.14%と極めて低いという点を考慮すると、個人再生の成功率は高いと言えるかと思います。

個人再生の成功率が高い理由

まず、個人再生の成功率が高い理由をお伝えしていきます。

借金の理由が問われない

自己破産の場合は、パチンコやギャンブルなどが借金の主要な理由だと、免責不許可事由に該当してしまうことがあります。

一応、免責不許可事由に該当しても、裁量免責という形で、最終的には免責を受ける人も多くいます。

ただ、管財事件になるなど、手続き自体は複雑になって、費用も余分に掛かってしまいます。

>>ギャンブルだと自己破産できない?免責されても発生する問題

それに対して、個人再生では借金の理由が問われないので、その分、成功率が高くなりやすいというメリットがあります。

手続きは任意の交渉ではない

任意整理の場合、手続きは裁判所を通さない任意の手続きとなります。

なので、債権者が任意整理に応じなければ、任意整理はできないということになります。

しかし、個人再生は裁判所を通じた手続きなので、手続き自体は複雑になりますが、しっかり手続きを踏んでいけば、成功する確率は高くなります。

また、個人再生よりは任意整理よりも基本的に借金をより多く減らせるというメリットもあります。

個人再生が失敗するケース

しかし、その一方で、個人再生で失敗するケースも場合によってはあり得ますので、どういった時に引っ掛かってしまうのか、事前に理解しておくようにして下さい。

一定以上の債権者の同意が得られないケース

これは小規模個人再生の場合に該当するケースですが、再生計画案を提出した後、

  • 債権者の半数以上が反対した場合
  • 再生計画案に同意しない債権者の債権総額が全体の2分の1を超えてしまう場合

上記のいずれかの条件に該当してしまった場合、個人再生はできなくなってしまいます。

ただ、この場合でも、弁済額を上乗せしながら、再生計画案に同意してもらえるよう交渉することも可能です。

返済能力がないケース

再生再生では、借金を約5分の1に減額できますし、再生計画案が認可された後は、残債を3~5年の期間に渡って、返済をしていくことになります。

ですから、基本的には残債を3年(36回)、または5年(60回)で分割返済できるだけの支払い能力があれば大丈夫です。

ただ、個人再生で、住宅ローン特則を利用した方は、住宅ローンを整理の対象から外すことができますが、その反面、個人再生で減額された借金の残債プラス住宅ローンを払い続ける必要が出て来ます。

つまり、個人再生では、それだけの返済能力があると裁判所から認められなければ失敗してしまうことになります。

また、個人再生で再生計画案を認可された人でも、その後の弁済がうまくできずに、失敗する人もいます。

個人再生後の返済が遅れてしまう場合は、いくつかの対処法がありますが、いずれによせ早めの対応が必要となります。

>>個人再生で返済が遅れたり支払不能になった場合は?

個人再生を悪用して失敗したケースも

個人再生では、住宅ローンの返済は守ることができて、それ以外の借金は約5分の1に減額できるという民事再生法による手続きを悪用する人もいます。

あるブログでは、住宅ローンの諸費用を消費者金融からの借入れでカバーした後、個人再生の手続きを行い、住宅ローン以外の借金を大幅に減らして乗り切ろうとした人もいました。

しかし、結局、個人再生後の支払いや住宅ローンの支払いができなくなり、最後は闇金にも手を出して夜逃げをしてしまったそうです。

個人再生だけでなく債務整理は誠実な態度で臨むことが大切です。

履行テストについて

債務者の返済能力をチェックするために、個人再生では履行テストが行われます。

個人再生の申立てを行なうと、東京地方裁判所では、個人再生委員が選任されます。

その段階で債務者は、振込口座を開設し、6ヶ月間に渡って、その口座に分割予納金という形で、一定の金額を支払うようになります。

これを履行テストと言って、そこで債務者の返済能力をチェックしていきます。

個人再生委員が選出されない地方の裁判所では、積立金という形で、弁護士が用意した口座に、予定弁済額を支払っていくようになります。

もし、債務者に返済能力がなくて、月々に支払うべきお金を払うことができなければ、個人再生ができないということになってしまいます。

ですから、個人再生の成功率を高めていく上で、債務者の返済能力というのは、非常に重要です

>>個人再生の履行テストとは?失敗は許されないのでご注意を!

嘘をついて財産隠しを行う

個人再生の手続きでは、清算価値といって手持ちの財産を換価した場合の額が最低弁済額を超えた場合、弁済額を清算価値に合わせて引き上げなければならなくなります。

ですから、中には嘘をついて、口座隠しや財産隠しを行う人もいらっしゃいます。

ただ、その嘘が裁判所の調査などによってバレた場合は、弁済額が増えるだけでなく、最悪は再生計画案が不認可、または取り消しとなり、個人再生自体が失敗してしまうリスクが出て来ます。

実際、個人再生での財産隠しをしても弁護士や裁判所の調査などによってバレる確率は高いです。

>>個人再生で財産隠しをするとどうなる?

住宅ローンを除く借金総額が5,000万円を超えるケース

ちなみに、住宅ローンを除く借金の総額が5,000万円を超えている場合は、個人再生ができません。

しかし、債務が5,000万円以下の範囲である場合、返済能力さえあれば、基本的に個人再生はできるので、成功率は高いと言えます。

個人再生に失敗した場合のその後の対策

個人再生に失敗したからといって、その後、借金問題が解決できなくなってしまう訳ではありません。

債務整理には個人再生だけではなく、別の方法もありますし、具体的には以下の対策を行うことも可能です。

給与所得者等再生で手続きを行う

個人再生で、小規模個人再生の手続きを選択した場合は、一定以上の債権者の反対を受けることによって、失敗してしまう確率が高くなってしまいます。

そういった場合は、小規模個人再生ではなく、給与所得者等再生を選択して個人再生の手続きを進めることも可能です。

給与所得者等再生は、サラリーマンなど安定した収入があれば選ぶことができますが、債権者の同意がなくても、手続きを行えるため、不認可率は0%になるというメリットがあります。

ただ、給与所得者等再生では、可処分所得(給与の80%程度)の2年分が最低弁済額を上回ると、弁済額を引き上げなければなりません

その場合、結果的に借金がそれほど減額されない時もあるので、ご注意下さい。

実際、小規模個人再生の方が債務の減額率は高いので、個人再生をする方の9割は、小規模個人再生を選ぶのですが、どちらの手続きで進めるのが良いかは弁護士とよく相談をするようにして下さい。

>>個人再生に強いおすすめ弁護士事務所

任意整理で解決できる場合も

個人再生は任意整理の手続きに比べて、借金の減額率が高いというメリットがありますが、場合によっては、任意整理でも払いすぎた利息(過払い金)が発生して、借金がかなり減額されることもあります

また、債務者の返済能力によっては、任意整理で将来利息をカットして、月々の返済額を減らすことによって解決が可能なケースもあります。

ですので、個人再生で失敗する確率が高そうだと感じる人は、任意整理でも解決ができないか、以下の方法で確認してみて下さい。

>>借金をどれだけ減らせるか調べてみる【所要時間1~2分】

自己破産の手続きを行う

個人再生の手続きが失敗して、任意整理でも難しい場合は、最後の手段として、自己破産の手続きを行うという選択肢があります。

自己破産であれば、借金をすべて免責にしてもらえるというメリットがあります

ただ、自己破産では、住宅ローンが返済中だと、個人再生と違って、家を手放すことになってしまうなど、デメリットもいろいろありますので、弁護士などにも相談しながら手続きを進めていって下さい。

takeshi1

個人再生の手続きは非常に複雑ですし、書類の不備によって、成功できないこともあり得ますので、手続きを行なう際は、必ず弁護士などの法律の専門家を通じて行なうようにして下さい。