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個人再生後に返済が遅れてしまった場合、対処法を間違えると、せっかく認可された再生計画案が取り消され、借金が元の状態に戻ってしまうことがあります。
ここでは返済が遅れた場合、或いは支払不能になってしまった場合の具体的な対処法について解説をしていきます。
目次
返済の滞納は何度までは許される?
個人再生後に返済が遅れた場合、再生計画が取消になるということは、民事再生法第189条の第一項第二号で定められています。
第百八十九条 再生計画認可の決定が確定した場合において、次の各号のいずれかに該当する事由があるときは、裁判所は、再生債権者の申立てにより、再生計画取消しの決定をすることができる。
二 再生債務者等が再生計画の履行を怠ったこと。
実は、どれくらい返済が遅れると再生計画が取消になるかは記載されていないため、何度まで滞納するかまでは記載されていません。
ただ、実際のケースを見てみると1回だけ支払いが延滞した場合は、見逃してもらえるケースが多くなっています。
しかし、滞納が2回、3回続くと、再生計画が取消になってしまう可能性は非常に高くなります。
また、再生計画の取り消しの申し立てができる人は、債権者となるのですが、具体的には、債権総額の10分の1以上を占める債権者であると以下のように定められています。
第一項第二号に掲げる事由を理由とする同項の申立ては、再生計画の定めによって認められた権利の全部(履行された部分を除く。)について裁判所が評価した額の十分の一以上に当たる権利を有する再生債権者であって、その有する履行期限が到来した当該権利の全部又は一部について履行を受けていないものに限り、することができる。
つまり、どれくらい返済が遅れると、再生計画が取消しになるかは、取消しの申立てができる債権者次第ということになります。
返済が遅れてしまった場合の対処法
まずは担当弁護士に相談
個人再生後の返済が遅れてしまった場合、一番良くないのは滞納したことを黙っていることです。
黙っていると、再生計画の取消の申立てができる債権者への心象が悪くなってしまい、申立てが早まる結果になり兼ねません。
ですから、まずは担当の弁護士にできるだけ早く相談をするようにして下さい。
滞納分をすぐに返済
もし、うっかりミスで返済が遅れてしまった場合は、すぐに支払いが延滞した分を払うようにして下さい。
その時に誠意を持って説明をすることが大切です。
再生計画を変更してもらう
しかし、返済が遅れた理由が、うっかりミスではなく、リストラや病気などのやむを得ない事情であるケースもあります。
その場合は、返済の遅延が長引く可能性があるため、再生計画の変更を行なうというのも一つの選択肢になってきます。
具体的には、返済計画を最大2年まで延長することが可能となります。
例えば、個人再生では返済期間が3年間となりますが、最大5年まで延長するという形で再生計画を変更します。
3年では支払えないけれども、5年なら支払えるという方はこちらの方法を選んで下さい。
ハードシップ免責の申立てを行なう
しかし、事情によっては、まったくの収入を得ることが難しくなり、完全に支払不能になってしまっているケースもあります。
その場合、もし、特定の条件を満たせば、ハードシップ免責という形で残債をチャラにすることも可能です。
ただ、ハードシップ免責の申立てを行なうには、
- 4分の3以上の弁済が終わっている
- 債権者の利益に反しない
- 再生計画の変更をすることが極めて困難である
というかなり厳しい条件を満たさなければならないため、実際に適用されるケースは稀です。
自己破産の手続きを行なう
ハードシップ免責は最終手段のような位置づけになってきますが、それでも難しい場合は、再生計画は取消となってしまいます。
再生計画が取り消されると借金は個人再生の手続きを行なう前の状態に戻ってしまいます。
その上で自己破産の手続きを行なっていくようになります。
個人再生の支払いが遅れてしまった場合、いくつかの方法がありますが、対応が遅れると、その分、再生計画が取消になるリスクが高まってしまうので、早めに法律の専門家に相談するようにして下さい。