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裁量免責 反省文

自己破産をする際に、浪費による借金があったりして、免責不許可事由に該当すると免責がされなくなってしまう可能性が出てきます。しかし、そのような場合でも裁判所の裁量で免責を認めてもらうことも可能です。

これを裁量免責というのですが、裁量免責を受けるためには反省文を裁判所に提出するよう求められる場合があります。では、その反省文はどのように書けば良いのでしょうか?そこで、この記事では、裁量免責を受けるための反省文の書き方や裁量免責を受けるために必要な要件についてお伝えしていきます。

この記事を書いた人

 

借金問題専門家 タケシ

以前、325万円の借金を任意整理を行なって完済した体験を持つ借金問題の専門ライターです。
借金問題や債務整理に関するコンテンツは、既に1,500記事以上、執筆しています。

裁量免責の反省文の書き方

裁量免責の反省文の書き方について盛り込むべきポイントや用紙についてまとめると以下のようになります。

借金が膨らんだ原因を書く

まず、いつどのような経緯で、多額の借金をするようになってしまったのか、免責不許可事由に該当してしまった内容を中心として事実関係をしっかり書くことが大切です。事実関係がはっきりしなければ、一体何に対して、反省しているのかが伝わらない反省文になってしまうからです。

虚偽の内容は書かない

こういった反省文を書く時、どうしても自分の過ちを認めたくなくて、事実と異なる内容を書こうとしたりする人もいらっしゃいますが、絶対に虚偽の内容を記載してはいけません。虚偽の内容を書いても、裁判所や破産管財人にバレる可能性は高いですし、嘘がバレると心証がさらに悪くなってしまうからです。

あくまでも、あなた自身のどういった行為が問題であったのか、正直に書いていくようにしてください。

反省と謝罪の気持ちを伝える

反省文の一番重要なポイントは、当たり前の話ではありますが、しっかりと反省をしているかという点です。自分が行った過ちを客観的に理解した上で、そのことに対する反省の気持ちと、自己破産を行なうことによって、迷惑をかけてしまった債権者に対する謝罪の気持ちをしっかり表現していくことが大切です。

今後の生活に向けた改善点を伝える

最後に、自己破産の手続きを終えた後は、しっかりと気持ちを改め、仕事をがんばったりして、堅実で誠実な生活をしていくという気持ちを伝えていきましょう。ある意味、債務者が自己破産後に、がんばってまっとうに生きていくことが、自己破産の手続きを行なう本来の趣旨であるとも言えるからです。

A4用紙2枚ぐらいの長さで

反省文は1枚ぐらいで簡単に書いてしまうと、反省の意思を伝えづらくなるので、A4用紙2枚ぐらいの長さにはなるように書いてください。線が入っているものであれば書きやすいでしょう。

また、反省文では気持ちをしっかり伝えるためにも、タイピングではなく直筆で丁寧に書くようにしてください。

裁量免責の反省文の例文

上記の点を踏まえて、裁量免責を受けるための反省文の例文をお伝えすると以下のようになります。

私は、●●(債務者の名前)は、多額の借金をしてしまい、債権者の方々へ多大なるご迷惑をおかけしてしまったことを深く反省しています。

私が借金を増やしてしまったきっかけはパチンコでした。最初は単なる気晴らしとして始めたのですが、たまたま大勝ちしてしまったことが、今から振り返れば、運の尽きだったのかもしれません。そこから、徐々にその興奮と緊張感に魅了される中で、パチンコにのめり込んでいってしまいました。

パチンコを始めた頃は、数千円程度の損失で済んでいましたが、徐々に金額が膨らんで、毎回、数万円、そして数十万円という大きな損失を抱えるようになっていきました。そして、パチンコに行くたびに、負けた分を取り戻そうと必死になってしまう中で、負のスパイラルに陥るようになってしまったのです。

最初は貯金を切りくずしてやりくりをしていましたが、それでもお金が足らなくなったので、消費者金融からお金を借りるようになりました。しかし、借金がさらに膨らむ中で、返済期限が来ても返済ができない状況になってしまったので、そこで別の消費者金融から借りて返済に充てる状態に陥り、多重債務の状態になってしまった次第です。

その結果、金銭的にも精神的にもどんどん追い詰められていく中で、自分自身の力ではどうしようもできない状況になってしまったと感じたため、今回、自己破産をさせていただくことになりました。

今は、自分自身が行ったことが、どれだけ無謀であったのか、また、今回、自己破産を行なうことを通じて債権者の方々にどれだけご迷惑をおかけしてしまったかを痛感していますし、自らの欠点や弱点を改めて認識いたしました。ですから、今後は、パチンコに依存してしまった自分自身の行動を深く反省し、ギャンブル依存症の治療も受けて依存症を克服していく準備をしています。

そして、パチンコだけでなく、ギャンブルとは一切の縁を断ち切り、仕事を一生懸命がんばってまいります。また、今後は、過去の失敗を繰り返さないよう、今回の教訓をしっかりと活かし、家計簿をつけるなどして、収支の状況が分かるようにして計画を立て、借金も二度と行なわないよう適切な行動を取りながら生活をしていけるよう心掛けてまいります。

最後に改めて、皆様にご迷惑をお掛けしてしまったことを深くお詫び申し上げます。
本当に申し訳ございませんでした。

破産者 ○○ 印

裁量免責の反省文は本当に有効なの?

実際、反省文を書けと言われても、それで本当に裁量免責を受けられるのかと思う方がいらっしゃるかもしれません。ただ、裁量免責については、破産法の第252条第2項の条文に明確に記載がされています。

前項の規定にかかわらず,同項各号に掲げる事由のいずれかに該当する場合であっても,裁判所は破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは,免責許可の決定をすることができる。

ここでの前項の規定とは、破産法第252条第1項に書かれている免責不許可事由についての内容になっています。

>>自己破産ができない場合~免責不許可事由に該当したらダメ?

では、免責を許可することが相当であると認められる時とは、どういった事情があった時なのでしょうか?この点に関しては、条文では具体的に明記されていません。また、裁量免責を認めるかは、最終的には裁判所の判断に委ねられるので、裁判所によっても判断の基準が異なる場合があります

そのため、反省文をしっかり書いて、裁判所に反省の気持ちを伝えることはとても大切なのです。

裁量免責を受けられやすい条件とは?

裁量免責を受ける上で、反省文も重要ですが、それ以外に裁量免責を受けられやすい条件もあります。

故意ではなかった(過失であった)

もし、パチンコやギャンブルなどで浪費し、多額の借金を抱えてしまったような場合でも、でき心でついついやってしまい、現在は反省しているのであれば、裁量免責を受けられる可能性は高いでしょう。

また、買い物依存症となって浪費をしてしまった場合でも、職場で大きなストレスを受けるなどやむを得ない事情があった場合は考慮されます。

違反の程度が小さい場合

仮に、免責不許可事由に該当をしてしまっても違反の程度が小さい場合は、裁量免責を受けられる可能性が高いです。例えば、個人が職業を偽って借りていたとか、ルール違反ではあるけれども、軽微な場合は大きな問題とならないでしょう

また、クレジットカードを現金化したようなケースでも、そこまで悪質でなければ問題とされないケースも多いです。

>>クレジットカードを現金化すると自己破産できないという誤解

被害者的側面が強い

借金を抱えてしまった人の中には、詐欺的な行為で騙されて、借金をしながら、壺など高価な買い物をさせられたり、無理矢理、献金やお布施をさせられたりしてしまったケースもあります。

そういった被害的側面が強い場合は、裁量免責が認められやすいでしょう。

今後、収入が見込まれないケース

高齢者であったり、病気などで自己破産をした後でも収入が見込めない人がいらっしゃいます。そういった場合は裁量免責が認められやすいです。

1回目の自己破産である

もし、自己破産が1回目であれば、裁量免責は受けやすくなるでしょう。ただ、自己破産が2回目で、最初に免責を受けてから7年間が経っていないと、そこで免責不許可事由に該当してしまいます。

さらに、浪費など他の理由でも免責不許可事由に引っ掛かると裁量免責を受けるのが難しくなってしまうでしょう。

2回目の自己破産でも免責は受けられる?

破産手続きに協力的である

破産手続きをする際、裁判所や管財人に対して、非協力的であった場合は、免責がされづらくなります。管財事件となった場合、予納金の支払いや破産管財人の面接や債権者集会への参加に対しても協力的な人の方が、スムーズに裁量免責を受けやすくなると言えるでしょう。

裁量免責は同時廃止でも可能?
もし、免責不許可事由に引っ掛かり、裁量免責を認めてもらう必要がある場合は、原則として管財事件(少額管財)となります。管財事件となった場合は、予納金が50万円以上(少額管財の場合は20万円以上)掛かってしまうので、できれば、同時廃止という形で裁量免責を受けられればと考える人もいらっしゃいます。

ただ、同時廃止の場合は、裁判官が調査できる範囲が限られてしまうため、債務者の意図がうまく伝わらず、裁量免責ができなくて免責不許可になってしまった判例もあります。ですから、ここら辺は弁護士ともよく相談をしながら、より確実に免責を受けられる方向性で手続きされることをお勧めいたします。

裁量免責になる可能性は高い!?

実際、免責不許可事由に該当してしまった場合、裁量免責が認められるか心配になる方もいらっしゃいます。ただ、統計データを見てみると、自己破産で普通に手続きを行ない、免責が下りなかった確率は限りなく0%に近いです

自己破産で失敗したらどうなる?実はできない確率は0%!?

もちろん、裁量免責を受けられる可能性が高いからといって、油断をしてはいけませんが、実際に裁量免責を受けられないケースはほとんどないという話は事実なので、必要以上に心配はしなくて大丈夫です。あとは、裁量免責を受けるために弁護士によく相談することをおすすめいたします。

>>自己破産に強いおすすめ弁護士事務所

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万が一、免責不許可事由に該当しても、よっぽど悪質でない限り、裁量免責が認められる可能性は高いので、弁護士とよく相談しながら、反省文をしっかり書き、誠意を持って手続きを進めていってくださいね。