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クレジットカードを現金化したら自己破産ができないという話は、ネットを見ているとよく見受けられます。そういった話を聞いて、クレジットカードを現金化したことはやっぱり裁判所にばれるのか心配する方もいらっしゃるかもしれません。ただ、バレるバレない以前に、カードを現金化しても自己破産をすることは可能です。
そこで、この記事では、まずクレジットカードを現金化したら自己破産ができないと言われる理由と、それでも自己破産ができるケースや対処法について解説をしていきます。
目次
クレジットカードを現金化すると自己破産できないと言われる理由
クレジットカードを現金化したら、自己破産はできないという方の理由は決まっています。それは
- クレジットカードの現金化をすることは免責不許可事由に該当してしまうから
ということです。免責不許可事由とは「これをすると免責を受けられなくなりますよ」という行為で、具体的には破産法第252条第1項で定められています。全部で11種類あるのですが、クレジットカードの現金化が引っかかるのがこちらの条文です。
破産手続の開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担し、又は信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分したこと。
この中で、具体的にクレジットカードの現金化という言葉はありませんが、
- 信用取引:クレジットカードでの購入
- 不利益な条件で処分:現金化
と当てはめれば、免責不許可事由に該当してしまうことがお分かりいただけるかと思います。つまり、
- クレジットカードを現金化する
- 免責不許可事由に引っ掛かる
- 自己破産ができない
という論理になるため、クレジットカードを現金化すると自己破産できないと言われているのです。
クレジットカードを現金化しても自己破産はできる
しかし、その一方でクレジットカードを現金化しても自己破産をすることはできる可能性は高いです。では、なぜそのように言うことができるのか、ここではその理由と実際に自己破産ができたケースについてお伝えしていきます。
裁量免責になる可能性が高いため
確かに、クレジットカードの現金化をすると、免責不許可事由に該当する可能性が高くなるところまでは正しいです。しかし、免責不許可事由に該当したからといって必ず自己破産ができなくなるというわけではありません。
なぜなら、裁判所に反省文を提出したりしながら、正直に事情を説明していけば、裁量免責という形で借金を免責してもららえる可能性が高いからです。
では、どれくらいの確率で裁量免責が認められるかというと… 実はかなり高いです。実際、以下の記事で自己破産の手続きの統計資料をご紹介していますが、2014年に関しては免責不許可が決まったのは0件という記録が出ています。
つまり、この統計データは仮に免責不許可事由に該当しても裁量免責という形で解決できなかったケースはなかったことを示しているのです。
現金化しても同時廃止ができた事例も
弁護士法人グリーンリーフ法律事務所が運営しているサイトでは自己破産での解決事例をいろいろと紹介していますが、その中でカードの現金化をしていて本来であれば免責不許可事由に該当するはずだったものの最終的には同時廃止という形で免責になった事例が紹介されています。
通常は免責不許可事由に該当すると、破産管財人が選任されて、管財事件という手続きに進むケースが大半です。管財事件になると、裁判所に予納金を20万以上、または50万円以上払う必要が出てきますし、手続きの期間も半年以上長くなってしまいます。
ただ、こちらのケースでは同時廃止という簡単な形で自己破産を手続きを行なうことができています。実際、ここで自己破産の手続きを行なった方は仕事を辞めて生活費が足らなくなったため、クレジットカードで任意のゲームソフトを購入した後、すぐに売却するというやり方でクレジットカードの現金化を複数回行なっていたとのことです。しかし、
- クレジットカードの現金化に関する資料をすべて提出
- 申請者本人の生活状況を説明
- 2度とクレジットカードの現金化はしないと誓約を立てる
という流れで手続きを行なう中で、破産管財人が選任されることもなく、最終的に同時廃止での手続きをすることができたというんですね。
クレジットカードの現金化は正直に話そう
自己破産の手続きに影響があるのではと思う方は、とにかくクレジットカードを現金化したことがバレないよう隠そうとする場合があります。しかし、クレジットカードの現金化を隠そうとしてもバレる確率は極めて高いです。
確かに形的には、クレジットカードの履歴を見れば、何かの商品を購入したという形になっているので、こちらから現金化したと言わなければ、裁判所にバレない可能性もあるでしょう。また、買取方式で自分で現金化するとバレやすいけれども、現金化業者を通じたキャッシュバック方式なら、バレにくく違法性もないからお勧めという人も中にはいらっしゃいます。
しかし、自己破産の手続きをする際は、お金の流れは徹底的に調査されるので、クレジットカードの現金化が絶対バレないという保証はありません。
ただ、それ以前に、クレジットカードの現金化をしても自己破産ができる確率は高いので、そもそも最初から隠す必要はありません。逆に、現金化したことを変に隠して、後からバレた場合は、悪質だと判断されてしまう可能性が高くなってしまうのです。
自己破産で免責を受ける際に、絶対に必要な条件は「しっかりと反省をしている」ということなので、現金化を隠しているようでは、裁判所に対する心象が非常に悪くなります。
ですから、まずは、弁護士にすべてを正直に話して、その上で最善の方法は何か相談されることをおすすめいたします。
任意整理や個人再生などで解決できる場合も
実際、自己破産を検討している人でも、弁護士に相談をしてみると、任意整理や個人再生など自己破産以外の方法で借金問題を解決できるケースもあります。任意整理や個人再生では、免責不許可事由はないので、クレジットカードを現金化した人にとっては、自己破産に比べて、手続きが進みやすくなる可能性が高いでしょう。ただし、クレジットカードを現金化したことがある人の場合、それぞれのケースで注意すべき点があります。
クレジットカードを現金化した人が任意整理を行なう場合
任意整理は弁護士や司法書士がクレジットカード会社などの債権者と任意の交渉を行ない、将来的な利息をカットして残債を3年~5年で分割返済ができるよう和解する手続きです。任意整理では将来的な利息はカットはしてもらても、元本の分は原則として全額返済をすることになるので、クレジットカードを現金化していたとしても問題にならないではという専門家もいます。
しかし、その一方でクレジットカードの現金化は一般的にカード会社の規約の違反事項となっているため、その結果、利息のカットができなかったり、残債の返済の期間が短縮されたりするなど和解の条件が悪くなってしまうリスクが出てきます。ですから、クレジットカードの現金化をしたことがある人は、任意整理に強い事務所に依頼されることをおすすめいたします。
クレジットカードを現金化した人が個人再生を行なう場合
個人再生は裁判所に再生計画の認可決定を受け、借金を大幅に減額してもらう手続きで、将来的にかかる利息がカットされるだけでなく借金自体も約5分の1に減額してもらうことも可能ですし、住宅ローンの債務は債務整理の対象から外すことができるというメリットもあります。
個人再生の手続きでは免責不許可事由というものがないので、その点では安心です。ただ、個人再生の手続きの中でも小規模個人再生を行なう場合は、債権者側が提出する再生計画案に対して一定以上の債権者が反対をすると失敗に終わってしまう可能性があります。
そこでもし、クレジットカードの現金化を行なったことがある場合は、該当するクレジットカード会社が反対をする可能性が出てくるので注意が必要です。
まとめ
クレジットカードを現金化すると自己破産ができなくなると考える人もいますが、実際のところは問題がないケースがほとんどです。確かに免責不許可事由に該当してしまうこともありますが、正直に事情を話して反省する気持ちをしっかり伝えれば、裁量免責になる可能性は高いですし、管財事件ではなく同時廃止になるケースもあります。
逆にクレジットカードの現金化をしたことを変に隠そうとすると、結局はバレる可能性が高いですし、バレたら状況が悪化する可能性があるので、正直に伝えることが大切です。
また、自己破産ではなく、任意整理や個人再生の手続きで解決ができる場合もあるので、どの手続きが一番良いのか債務整理に強い弁護士に相談をしながら決めていかれることをおすすめいたします。
クレジットカードの現金化はやらないことに越したことはありませんが、すでに現金化をしてしまったからといって、自己破産ができなくなることは決してないので、まずは気軽に弁護士に相談をしてみてください。