※この記事にはプロモーションが含まれています。
奨学金の返済が厳しい場合、日本学生支援機構に対して、猶予や減額をしてもらえないか交渉をするというのも一つの方法です。
しかし、それでも難しい場合は、債務整理を行なう必要性が出てくることもあります。
その際に、奨学金を個人再生で減額することは可能なのでしょうか?
また、奨学金を個人再生の対象にする場合は連帯保証人への影響も考慮する必要がありますので、そういった注意点も含めて解説していきます。
目次
奨学金は個人再生でどれくらい減額できる?
まず結論から言うと、奨学金は個人再生で大幅に減額をすることが可能です。
なぜなら、個人再生での減額基準は民事再生法で以下のように定められているからです。
- 100万円以上500万円以下:最低弁済額は100万円
- 500万円以上1,500万円以下:最低弁済額は5分の1
手持ちの財産によって最終的な弁済額が増える場合もありますが、特に問題なければ、奨学金は個人再生でかなり減額できることがお分かり頂けるかと思います。
実際にあなたが個人再生で借金をどれくらい減らせるかはこちらの方法でご確認ください。
日本学生支援機構の個人再生に対する対応
個人再生では小規模個人再生と給与所得者等再生のどちらかの方法を選択するようになります。
給与所得者等再生では債権者の同意に関係なく手続きを進めることができます。
しかしその一方で、小規模個人再生では、反対する債権者の数が全体の半分を超えるか、あるいは反対した債権者からの債務の合計が2分の1を超えると、再生計画案が認可されなくなり、個人再生ができなくなってしまいます。
ただ、幸いなことに奨学金を管轄している日本学生支援機構が反対をすることは、ほとんありません。
ですから、他の債権者が反対をしなければ、奨学金の借金を個人再生で減額することは十分可能だと言えます。
連帯保証人への影響は?
しかし、その一方で、奨学金を個人再生で整理する際に、問題になってくるのが、保証人や連帯保証人がいる場合です。
奨学金では基本的に親などの親族が奨学金になっているケースが多いです。
その場合、奨学金を個人再生の対象にすると、日本学生支援機構は保証人や連帯保証人に対して、残債の返済を要求するようになります。
保証人は分割返済が可能?
連帯保証人や保証人に返済が要求された場合、一括払いが原則となります。
ただ、一括払いが難しい時は、連帯保証人や保証人は日本学生支援機構に対して分割返済ができないか交渉をして応じてもらえることもあります。
しかし、交渉がうまくいかなければ、そのまま一括払いをしなければならなくなります。
また、どうしても払えなければ連帯保証人や保証人が債務整理を行なう可能性も出て来ます。
機関保証であれば迷惑が掛からない
ちなみに、奨学金の保証に関しては、親や身内が保証人になる人的保証と別に、保証会社を立てて行なう機関保証の制度があります。
機関保証を利用している人は奨学金を貸与してもらっている間に保証料が引かれますが、いざ、返済不能となった場合、保証機関が日本学生支援機構に対して代位弁済(残債の一括返済)をしてくれます。
機関保証の手続きでは、両親などが絡むことは一切ありません。
ですから、奨学金を機関保証で借りているのであれば、奨学金を個人再生の対象にしても、身内に迷惑が掛かることはないのです。
参考記事:奨学金が機関保証であれば個人再生や自己破産でも大丈夫?
個人再生で奨学金を対象から外すことは可能?
しかし、もし親や親戚が連帯保証人や保証人になっている場合、親族への影響は避けることができません。
ですから、奨学金だけ個人再生の対象から外すことができないかと考える方もいらっしゃいます。
個人再生では、住宅ローンであれば住宅ローン特則で整理の対象から外すことができます。
しかし、それ以外の債権に関しては、債権者平等の原則の観点から、すべての再生債権者が整理の対象となります。
ですから、奨学金だけ再生債権者から外すことはできませんし、無理に隠そうとすると、個人再生自体が失敗することになってしまいます。
参考記事:個人再生で奨学金を外すことは可能?無理をすると借金地獄!
個人再生以外の方法で債務整理を行なう場合
任意整理で解決できないか検討してみる
ここでは、奨学金を個人再生の手続きを行ったケースをお伝えしてきましたが、人によっては、任意整理で奨学金以外の借金を減らすことによって全体の返済負担を減らし、奨学金はそのまま返済し続けるケースもあります。
奨学金は借金の金額は大きくても低金利ですし、毎月の返済額も1~3万円程度に収まっているケースが多いです。
一方で銀行や消費者金融から10%~15%ぐらいの金利で借りていると、月々の返済額も高くなるので、そちらを任意整理することによって全体の借金問題を解決できる可能性は比較的高いと言えます。
また、奨学金自体は、日本学生支援機構に相談をして、返済期間を猶予してもらったり、毎月の返済額を減らしてもらったりすることも可能なので、別途、相談してみるという方法もあります。
任意整理は、債務整理の中で整理する対象を選べる唯一の手続きなので、まずはこちらで解決できないか、弁護士や司法書士に相談してみると良いでしょう。
自己破産をする場合の注意点
また、個人再生でも難しい場合は、自己破産によって奨学金も含めて、すべての借金をチャラにする方もいらっしゃいます。
ただ、この場合も機関保証であれば大きな問題にはなりませんが、人的保証(親や親戚が連帯保証宇人や保証人になるケース)であれば、全額分の返済義務が保証人にいってしまうことになります。
下手をすれば、債務者だけでなく保証人も自己破産に追い込まれる可能性があるので、慎重に検討する必要があります。
実際に、どの方法がベストなのかは、人によって違って来ますので、まずは弁護士や司法書士に気軽に相談するようにして下さい。