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奨学金の返済がうまくいかずに破産をする人の問題が社会問題化しています。

さらに、本人だけでなく保証人になっている親や親戚まで破産をするケースも少なくありません。

実際、奨学金で自己破産をする人はバカなのでしょうか?

ここでは、奨学金破産の件数と、自己破産をする場合の注意点や対処法について解説をしていきます。

この記事を書いた人

 

借金問題専門家 タケシ

以前、325万円の借金を任意整理を行なって完済した体験を持つ借金問題の専門ライターです。
借金問題や債務整理に関するコンテンツは、既に1,500記事以上、執筆しています。

奨学金で自己破産する人はバカ?

奨学金を自己破産する人はバカだと非難する人がいますが、本当にそうなのでしょうか?

確かに、奨学金を返せずに自己破産をして、最悪は親にも破産させてしまうような人は文字通りバカ息子・娘だと言えるのかもしれません。

ただ、社会にまだ出ていない若者が奨学金で数百万円のお金を借りる場合、それがどれだけの重みを持つことなのか、理解することは簡単ではありません

ですから、大学を卒業してから、奨学金の返済を始めた時に、その負担の大きさに愕然とする若者も少なくはないのです。

もちろん、その中にはお金の計算ができない本当のバカ者もいるでしょう。

しかし、自己破産の件数を見れば、必ずしも皆がバカだとは言い切れないのです

奨学金破産の件数は1万件以上

以前、NHKのクローズアップ現代では、奨学金が原因で自己破産した累計件数は1万件にのぼるというデータを公表しながら、奨学金制度について取り上げていました。

さらに、2018年には奨学金が返せずに自己破産をした件数が過去5年間で延べ15,000件で、その内の半分近くが保証人となっていた親や親戚であったという衝撃のデータが出ています。

自己破産した場合の保証人への影響については後述しますが、奨学金破産は、本人だけでなく、親や家族も巻き込んだ深刻な社会問題になっているのです。

奨学金は破産で免責ができる?

本当は、奨学金制度自体を変えていかないといけないのかもしれませんが、奨学金破産を検討している人は目の前の問題に対処していかなければなりません

では、奨学金が返済できないからと言って誰でも自己破産をして免責を受けることは可能なのでしょうか?

奨学金は金利が非常に低いですし、月々の返済額も1万円~2万円の範囲なので、普通に収入がある人であれば、簡単に自己破産で免責ということにはなりません。

しかし、その他の借金も多かったり、或いは病気や失業などで返済能力がないと判断されれば自己破産を行なうことも可能となります。

また、自己破産をする場合、奨学金は、税金などのような非免責債権債権ではないので、問題なく免責の対象となります

奨学金を自己破産するデメリット

一般的に自己破産を行なうと、

  • 20万円を超える財産や99万円を超える現金は手離す必要がある
  • 免責を受けるまで制限される資格や職業がある
  • 官報に個人情報が載ってしまう
  • 信用情報機関に事故情報が約5年~10年間登録されてしまう

というデメリットがあります。

しかし、奨学金を自己破産する場合の最大のデメリットは、やはり連帯保証人や保証人に迷惑が掛かってしまうことではないでしょうか?

奨学金を自己破産した場合の保証人への影響

奨学金を受ける場合は、人的補償という形で、基本的に以下のような条件で保証人を立てる必要があります。

  • 連帯保証人:親か4親等以内の親族
  • 保証人:本人や連帯保証人と別生計である4親等以内の親族

もし、奨学金の返済ができずに自己破産をすると、残債の請求が連帯保証人や保証人へ行くようになります。

その際、基本的には一括請求となりますが、交渉によっては分割払いが認められることもあります。

ただ、そこで連帯保証人や保証人も返済ができなければ、その人達も自己破産をしなければならなくなってしまいます

つまり、奨学金を自己破産をする場合は、下手をしたら親と共倒れになってしまう可能性があるので、その点は十分気を付けて対処しなければなりません。

機関保証である場合は?

しかし、最近は機関保証といって、保証機関に保証金を払うことによって、親や親族が保証人にならなくても奨学金を利用できる制度もあります。

もし、機関保証を利用していれば、奨学金を自己破産しても、身内に迷惑が掛かることがありません。

ですから、手続きはよりスムーズに行なうことができるでしょう。

参考記事:奨学金が機関保証であれば個人再生や自己破産でも大丈夫?

自己破産を避けたい場合は?

ただ、それでも奨学金を利用する際は、親や親族に保証人になってもらっているケースは非常に多いです。

ですから、自己破産は避けたい、でも奨学金は返せないという方は以下の方法を検討してみて下さい。

日本学生支援機構に相談をする

日本学生支援機構では、奨学金が返済できない人のために、以下のような制度を設けています。

返還期限猶予 最長で10年間、返済期間を猶予してもらう制度
減額返還 月々の返済額を減額してもらう制度
所得連動返還型無利子奨学金制度 年収が300万円を超えるまで返済を猶予してもらう制度
返還免除 障害などで働けなくなった場合に返済が免除される制度(かなり特殊なケースです)

詳細はこちらの記事にまとめていますので、ご参考にして下さい。

参考記事:奨学金が返済できないとどうなる?その厳しい現実と対処法

任意整理で解決できないか検討する

もし、奨学金以外の借金がたくさんある場合は、任意整理で借金自体や月々の返済額を減らして負担を軽くし、奨学金の返済は従来通り続けるという方法もあります。

借金の状況によっては、自己破産をしなくて任意整理で解決できるケースは意外と多くあります

実際に、あなたの借金がどれだけ減らせるかは、以下の方法で調べてみて下さい。

>>借金をどれだけ減らせるか調べてみる【所要時間1~2分】

takeshi1

もし親などが奨学金の連帯保証人になっている場合は、自己破産については慎重に考える必要が出て来ますが、どういった解決法がベストなのか、まずは法律の専門家に相談するようにして下さい。