※この記事にはプロモーションが含まれています。
奨学金の返済がキツくて苦しんでいる人も見ると、
「返せるかどうかも分からないのに、そんな多額のお金を借りるなんて自業自得だ」
と冷たく突き放すような方がいらっしゃいますが、果たして本当にそうなのでしょうか。
ここでは、そういった意見に対して、敢えて反対意見をお伝えすると共に、奨学金の返済が難しい場合の対処法についてお伝えしていきます。
目次
奨学金は自業自得じゃない4つの理由
私は、奨学金の返済がキツくなってしまうことは、4つの理由から、決して自業自得だはないと思っています。
奨学金はお金の価値が分からない時に生まれる借金
奨学金の申し込みを始めるのは、大学に入る前、即ち、高校3年生の時です。
その段階で、お金の価値や、お金を稼ぐことの大変さをきちんと理解している人達は、どれくらいいるでしょうか。
学生の頃から、アルバイトをたくさんしながら、お金の苦労をしてきた子であれば、お金の価値がどういったものなのか、多少は分かるかもしれません。
でも、大変の子達は、まだ本格的に働いている訳ではないので、数百万円の借金を抱えるということが、どういうものであるのか、理解することは、相当、難しいものです。
奨学金は収入の見込みが分からない時に生まれる借金
奨学金の返済で苦しむ人達の中には、大学を卒業した後、就職先で満足な給料をもらうことができなかったり、就職自体がうまくいかなかったりするケースが多いです。
ただ、奨学金の申請をする段階で、自分が、将来、就職でうまくいくか、そして、会社でどれくらいの給料をもらえるか、予想することは当然ながら不可能です。
がんばって努力すれば、良い会社に入れると思う方もいらっしゃるかもしれませんが、必ずしもすべての人が、自分の願ったように就職先を見つけられる訳ではありません。
そのような部分まで本人の自己責任だと言ってしまうのは、酷ですよね。
親の経済力に左右されている
私も、子供を持つ親だということもあり、、本来であれば、学費は親ができるだけ負担をして上げるべきだと思っています。
しかし、親の経済力では、学費をすべて賄うのが難しいため、奨学金を利用する訳です。
つまり、本人が奨学金の借金を背負うかどうかは、本人の努力以前に、親の経済力に左右されてしまう要素が非常に強いと言えます。
合法的な制度を利用しただけである
奨学金制度は、日本学生支援機構という独立行政法人によって運営されている制度です。
そして、日本学生支援機構の平成30年度学生生活調査結果では、平成30年度において、
- 大学:47.5%
- 短期大学:55.2%
- 修士課程:48.0%
- 博士課程:53.5%
- 専門職学位課程:41.1%
の学生が、奨学金を受給しています。
信用度がよく分からない民間の制度を利用したのであれば、ともかく、日本学生支援機構という国が認定した公的な機関の制度を合法的に利用した訳です。
ですから、それに対して、自業自得だというのも変な話ですよね。
それでも奨学金は自己責任という現実
その一方で、奨学金という多額の借金を抱えてしまった場合、本人が責任を持って返済をしない限り、奨学金は減らないというのが厳しい現実です。
もちろん、卒業後、しっかりとした収入を得て、余裕を持って返済ができるのであれば問題はありません。
しかし、収入が安定せず、繰り上げ返済をするどころか、月々の返済額を支払うのも精一杯である場合は、過酷な現状が待っています。
結婚・出産・子育ての自由が奪われる!?
現代ビジネスの記事では、奨学金の返済苦から結婚・出産・子育てを諦める若者が急増中だという問題点が指摘されています。
この記事では、奨学金の返済の影響について
- 結婚に影響している:31.6%
- 出産に影響している:21.0%
- 子育てに影響している:23.9%
というアンケート結果を紹介しています。
奨学金の返済が厳しいという理由が故に、結婚、出産、子育てを諦める人達がここまで多いということは、自業自得だという一言では決して片付けられない社会問題だとも言えます。
保証人が犠牲に遭う場合も
奨学金の返済が厳しくなってしまった場合、その影響は、本人だけに留まらないケースも多いです。
もし、親や親族が連帯保証人になっている場合、本人が奨学金を返せなくなると、連帯保証人に請求がされてしまいます。
奨学金を返済できない問題は、その人本人の問題に留まらないのです。
奨学金の返済が厳しい場合は?
奨学金を返済できないのは、決して自業自得ではありません。
しかし、それでも奨学金は自己の責任において、しっかり返済をしなければ、その人の人生に大きな影響が出てしまうだけでなく、連帯保証人になってくれた親族までを巻き込む結果に繋がってしまいます。
ですから、 もし、奨学金の返済が厳しい場合、こちらの記事にまとましたが、
- 節約で支出を下げたり、副業などで収入を増やすことができないか考え、実践をしてみる
- 日本学生支援機構に連絡して、返還期限猶予や減額返還などの処置を取ってもらえないか、相談する
- 弁護士や司法書士を通じて債務整理の手続きを行う
などの対処法について、早めに検討をしていかれることをお勧めいたします。
ただ、最後の弁護士や司法書士を通じて、債務整理を行うという選択肢に関しては、奨学金の返済が多く残っている場合、保証人の問題など、考慮すべき要素がいくつかります。
ですから、債務整理を依頼する前に、無料の借金の減額診断を受けたりしながら、シミュレーションをしていかれることをお勧めいたします。
他の借金と同様に、奨学金に関しても、最後まで責任を持って、返済をしていくことが原則ですが、諸事情によって、どうしても返済が難しいという方もいらっしゃるかと思いますので、その場合は、結婚などに影響が出てしまう前に早めの対処を検討してみて下さい。