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夫が自己破産をすることになった場合、妻の通帳はどこまで調べられるのでしょうか。
実際、自己破産をするのは、夫なのに、妻のプライバシーまで、あからさまになるのはやっぱり嫌なものですよね。
そこで、ここでは、夫の自己破産で妻の通帳がチェックされてしまう3つのパターンについて解説をしていきます。
目次
妻の通帳は原則チェックされない
もし、妻の通帳の中に、夫から返済されたお金が入っている場合は、チェックされる可能性がでてきます。
まず、結論からお伝えすると、夫が自己破産をする場合でも、妻の通帳の提出を求められることは原則としてありません。
自己破産の手続きを行うのは、夫であり、対象となるのは夫名義の債務や財産のみであるからです。
夫と妻は、法律の観点では、夫婦なので、運命共同体だという見方もできますが、自己破産を行う場合は、基本的に別個人として扱われます。
夫が自己破産をしても、妻の通帳、すなわち財産が守られるべきというのが基本的な考え方です。
ただ、これは、あくまでも原則的な話であって、例外も存在します。
妻の通帳がチェックされる3つのパターン
では、夫が自己破産の手続きを行う際、妻の通帳の提出が求められ、チェックされるのは、一体、どんなケースなのでしょうか。
ここでは3つのパターンをご紹介していきます。
夫から返済してもらったお金がある場合
例えば、あなたが夫に50万円を貸していて、夫が自己破産をする直前に、50万円を妻の通帳に返済したとします。
この場合は、妻の通帳の提出が求められるだけでなく、50万円を、管財人に渡すよう命じられる可能性があります。
その理由は、妻も夫の債権者になってしまっているからです。
自己破産をする際は、原則として、すべての債務を平等に扱う必要があり、これを債権者平等の原則と呼びます。
一部の債権者だけに優先して返済をすると、他の債権者は不利益を被ることなり、不平等が生じてしまうからです。
ですから、自己破産の直前に夫から妻へ返済が行われた場合、基本的には、その債務に対して、否認権が行使され、破産管財人に対して50万円を渡さなければならなくなってしまうのです。
その後、破産管財人は、債権者(夫)が持っている財産の中で一定の基準を超えているものを回収し、債権者に対して、債権の金額に応じて、平等に分配していきます。
夫からもらったお金が入っている場合
別のパターンとして、自己破産を行う直前に、夫が自分の持っているお金を妻の通帳に移すというケースがあります。
自己破産を行う際、管轄の裁判所によっても対応が異なりますが、基本的には、20万円を超える財産と99万円を超える現金は、処分の対象となってしまいます。
そのため、中には、夫名義になっている財産や現金が処分されるのを防ぐため、自己破産の直前に妻の通帳にお金を移す人もでてきます。
ただ、これは、立派な財産隠しとなり、それが発覚した場合は、免責不許可事由に該当して、本来であれば、免責されるはずであった借金のすべてが元に戻ってしまいます。
また、意図的、かつ悪質だと判断された場合は、詐欺破産財という刑事罰が適用され、10年近くの懲役、もしくは1,000万円の罰金が課せられます。
ですから、もし、資金隠しを疑われた場合は、そうではないことを証明するため、通帳の提出を行う必要がでてくるのです。
専業主婦である場合
もし、妻の通帳が、結婚前に得られた収入のものであったり、妻が仕事をしていて、そこで得られた収入を入金したものであれば、妻の通帳を提出する必要はありません。
しかし、妻が専業主婦で、明らかに夫の収入から入金されている場合は、たとえ、妻名義の通帳であったとしても、夫の財産と同様に見なされ、提出を求められる可能性があります。
まとめのポイント
夫が自己破産をする場合、原則として、妻の通帳はチェックされません。
ただ、例外的に妻の通帳まで、チェックされるケースについては、3つのパターンをご紹介しました。
ここで、ポイントになるのは、裁判所や破産管財人は、夫のお金の流れをチェックし、その中で、妻の貯金の中に夫の財産と思われるものが含まれている場合は、妻の提出を求める可能性が高いということです。
妻の通帳は、基本的には妻の財産として見なされますが、お金の流れによっては、夫の財産であると見なされる場合もあるのです。
実際、妻の貯金を提出する必要があるかどうかについては、判断が難しい場合もありますので、一度、弁護士や司法書士などに紹介しながら、よりスムーズに借金問題を解決できる方法を相談してみてください。
また、妻の通帳を提出すべきかどうかという点以外に、夫が自己破産をすると、妻の財産にどのような影響が及んでしまうかという点についても、事前に知っておく必要がありますよね。
その点については、以下の記事で詳しくまとめているので、ご参考にしてください。
自己破産をする場合、すべての債務が対象となり、お金の流れをしっかりチェックされて、妻に迷惑を掛けてしまうリスクが高まってしまいますが、自己破産以外の方法で解決する場合もありますので、まずは、弁護士や司法書士に気軽に相談をしてみてください。