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債務整理をしている時にお金が足らなくなって、借入をしたいと思う人が時々いらっしゃいます。もちろん、そこで債務整理をしている相手先の債権者や弁護士・司法書士、あるいは裁判所にバレると大変ですが「バレなかったら良いんじゃないか?」と考える人もいるんですよね。
ただ、そもそも債務整理中の借入がバレなかったかどうかを考えること自体が非常にナンセンスなところがあります。そこで、この記事では、一体、そう断言できる理由にについて詳しく解説をしていきます。
目次
債務整理中の借入がバレなかった=OKではない
債務整理中の借入はバレなかったらOKと考える人もいますが、そう考えるのは、まだ早いです。
貸金業者にはバレなかったわけではない
基本的に債務整理中に借入をしようとしても、大手の消費者金融や銀行など、一般的な貸金業者の場合だと審査に落ちてしまいます。その理由は、債務整理中の段階に入ったら、信用情報機関にそのことが記録され、そこから約5年~10年はブラックリスト状態になってしまうからです。
ただ、そういった中でも審査に緩いと言われている中小の消費者金融からお金を借りようとした際、稀に債務整理中でもお金を借りられる場合があります。そこでお金を借りることができれば「債務整理中の借入がバレなかった」と思うかもしれませんが、実はそうではありません。
なぜなら、たとえ中小の消費者金融であったとしても、金融庁に貸金業者として登録されている業者であれば、信用情報機関の情報を照会することは可能だからです。ただ、そこでブラックリスト状態であることが分かっても、必ず審査に落とさないといけないというルールはありません。
実際、審査に甘いと言われている消費者金融の中には、債務整理中であることがわかっても、その人の勤務先や年収、そして勤務形態など他の属性が良ければ融資をしてくれる時もあります。ですから、その場合は、バレなかったのではなく、バレているけれども、目をつぶってくれているだけというわけなんですね。
ただ、そこで仮に融資を受けることができたとしても、その金額は恐らく10万円未満ぐらいの少額で、そこでの金利も20%ぐらいと利息制限法の上限ギリギリになっている可能性は高いでしょう。
実は闇金という可能性も
しかし、それでも、まだお金を借りた先が金融庁に登録された合法的な貸金業者であれば良いと言えます。なぜなら、場合によっては一般的な貸金業者のフリをした闇金業者である可能性もないわけではないからです。
その場合は、利息制限法で定められた上限金利を超えた金利で融資をしてくる場合があるので注意しなければなりません。下手をしたら債務整理を始める前よりももっと酷い状況に陥ってしまいます。
ちなみに通常の貸金業者の場合は、債務整理中の人に融資はしたがらないですが、闇金業者は逆に、そういった人こそターゲットにして近づいてくる傾向があります。例えば、自己破産をした人は官報という国の機関誌に名前や住所が載ってしまいますが、闇金業者はその情報を収集しているという話があるくらいです。(その点については以下の記事でも解説しています)
>>官報とは?個人再生や自己破産をした人はやっぱりバレるの?
債務整理の返済ができなくなるリスクが高くなる
債務整理中の借入がバレるバレないに関係なく怖いのは、借入ができた場合、その時は良いけれども、その後、その返済が債務整理後の生活をさらに圧迫していくということです。
特に任意整理や個人再生を行なった方は、最低でも3年間は月々一定の金額を返済していく必要があります。債務整理中の返済は、もしできなかったら他から借入をすることができません。
もし、そこで返済に失敗してしまったら、最悪の場合は、自己破産をせざるを得なくなってしまうので、慎重に進めていかなければなりません。しかし、そんな時に新たな借入をすることが自らの首を絞めるような行為であることは明らかです。
債務整理中の借入がバレたらもっと大変
ここまでは、債務整理中の借入がバレなかったように見えた場合でも大変だというお話をお伝えしましたが、ここからは、万が一、バレてしまった場合にどうなるのかという点についてもお伝えしていきます。もちろん、バレた方がもっと大変ですし、具体的には次のような問題が発生します。
任意整理では和解が破棄に
もし、任意整理の交渉をしている相手の債権者が、あなたが任意整理中に他の業者から借入をしたことが分かったらどう思うでしょうか?「他の業者からは、高い金利でお金を借りているのに、うちの会社からの借金は利息をカットしろと言ってきやがる。誰が和解案に乗るか。」という形で怒ってくるのは当然のことですよね。
その結果、任意整理を行なっている最中に借入をすると和解が破棄になってしまう可能性が高いのです。
個人再生では再生計画案が不認可に
個人再生は、借金の約5分の1を減額して、残債を原則3年で弁済していく手続きですが、そこで、再生計画案を認可してもらう必要があります。弁護士もサポートをしてくれますが、債務者自身も再生計画案を認可してもらうため、履行テストなどをしたりしながら、裁判所や債権者の信頼をつかんでいく必要があります。
しかし、個人再生中に借入をしたことがバレてしまうと、その信頼が崩れ、再生計画案を認可してもらうのが難しくなってしまうでしょう。そうすると借金は元の状態に戻ってしまいます。
自己破産では免責許可が下りない可能性も
自己破産中に借入を行なった場合、免責不許可事由に該当して免責を受けられなくなってしまう可能性が出てきます。免責不許可事由は破産法第252条第1項で定められていますが、その中の以下の部分に該当します。
破産手続開始の申立てがあった日の一年前の日から破産手続開始の決定があった日までの間に、破産手続開始の原因となる事実があることを知りながら、当該事実がないと信じさせるため、詐術を用いて信用取引により財産を取得したこと。
もちろん、免責不許可事由に該当したからといって、必ず免責がされなくなるわけでありません。最終的には裁量免責という形で免責をしてもらうこともよくある話だからです。
>>自己破産ができない場合~免責不許可事由に該当したらダメ?
ただ、自己破産の手続きが面倒になるという点で変わりはないので、債務整理中に借入をしないことに越したことはありません。
弁護士や司法書士は辞任する
債務整理中の借入がバレた場合は、あなたの一番の味方になってくれるはずの弁護士や司法書士が辞任する場合があります。せっかくあなたのために、借金の負担を減らすための交渉や手続きをやっているのに、債務整理中に借入をしたら、信頼を大きく損ねてしまいますよね。
それに、債務整理中の借入が発覚したら、債権者は交渉に応じてくれなくなったり、再生計画案が却下されたり、免責がされなくなったりするなど、弁護士の力では対応しきれないケースも出てきてしまいます。
そもそも債務整理の借入行為は明らかな契約違反であるため、辞任されてもしょうがありません。その場合は、再度、新しい弁護士や司法書士を探し直す必要があるため、時間と費用が余分に掛かってしまいます。
取り立てが再開し一括請求される場合も
債務整理の手続きを行なっている間は、弁護士や司法書士が債権者に対して受任通知を送るので、それによって債権者はは取り立てができないようになります。しかし、債務整理中に借入を行なったことが発覚し、債務整理が途中で終了したり、弁護士や司法書士が辞任したりすると、債権者からの取り立てが復活します。
しかも、その際は、債権者が一括請求をしてくる場合もあるので、注意が必要です。
まとめ
債務整理をする人は、元々、借金がたくさんあってお金の余裕がないですし、債務整理の手続き自体にもお金が掛かってしまうので、債務整理中でも借入をしたい気持ちに駆られてしまうのは、ある意味、しょうがないことなのかもしれません。
しかし、だからといって実際に借入を行なってしまうと、その先に苦しい生活が待っていたり、下手をしたら債務整理に失敗をしてしまったりするリスクが発生するので、絶対に避けなければなりません。
そういった意味でも、もし債務整理中にお金が足らなくなったら、担当の弁護士や司法書士に相談することはもちろんですし、他にも以下のような方法を使えば、お金を工面する道が見えてきますので、ご参考にしてください。
また、そもそもの問題として、債務整理中に借入をするニーズが発生してしまう原因としては、弁護士や司法書士とのやり取りをスムーズでない可能性があります。ですから、もし、これから債務整理をしようかと検討している方は、債務整理に強い専門家に相談をして、かつ、無料相談の段階から、しっかりとコミュニケーションを取るよう心掛けてみてください。
債務整理中にお金がなくても、借入をしようと考えるのではなく、まずは、弁護士や司法書としっかり相談しながら、対策を検討していってくださいね。