
子供のいる方が債務整理をする場合、やはり気になってしまうのが、教育ローンなどの教育資金だと思います。
特に、大学へ進学するとなるとかなりのお金が掛かってしまうので、借入をしないと難しくなってしまいますよね。
ただ、国の教育ローンなどは債務整理をすると一定の期間は審査に通るのが難しくなってしまうので、その場合の対処法についてお伝えしていきます。
目次
債務整理後は最低でも約5年教育ローンが組めない
債務整理(任意整理・個人再生・自己破産)をすると約5年~10年間は、原則として教育ローンが組めなくなります。
その理由は、債務整理をした段階で、信用情報機関に事故情報が登録され、ブラックリストに載った状態となってしまうからです。
信用情報機関とは、CIC、JICC、KSCと大きく分けて3つの種類があり、お互いに個人の信用情報を共有しています。
教育ローンの中でも最も低金利なのが、日本政策金融公庫が行なっている国の教育ローン(金利は年1.81%)ですが、日本政策金融公庫はCICに加盟しています。
ですから、国の教育ローンを申請すると、債務整理を行った事故情報が照会され、審査に落ちてしまうのです。
国の教育ローンが組めない場合の対策
では、債務整理後に国の教育ローンが組めない場合、どういった解決法があるのでしょうか?
家族や親戚に名義になってもらう
国の教育ローンでは、申込みができるのは、“6親等内の血族、配偶者および3親等内の姻族”となっています。
ですから、債務務整理を行った本人の名義では教育ローンを申込むのが難しい場合、親、兄弟などの名義で教育ローンを組んでもらい、支払いだけには責任を持つという形で申し込むことも可能です。
ただ、いくら家族や親戚であったとしても、債務整理をした人のために名義人になるのは嫌でしょうし、場合によっては信頼関係が崩れるなど思わぬトラブルになってしまうのでご注意下さい。
奨学金を利用する
国の教育ローンは、基本的に親が名義人となり審査を受けるので、債務整理を行なった人はどうしても利用するのが難しくなってしまいます。
ただ、奨学金であればお子さんが名義人となるので、親が債務整理をしていても利用することが可能となってきます。
もちろん、奨学金を受ける場合は、保証人や連帯保証人を立てる必要も出て来て、債務整理後でまだブラックリストに載っている人はなることができません。
しかし、奨学金では、機関保証といって保証料を支払うことによって利用できる制度もあるので、その方法を使えば、親が保証人にならなくても、奨学金を利用することができます。
がんばってお金を稼ぐ
実際、子供の学費は高いので、今の生活費にプラスして、子供の高い学費分のお金を稼ぐのは難しいと感じてしまうかもしれません。
しかし、今は、様々なスタイルで副業をすることが可能なので、現在のプラス20~30万円の月収を稼ぐことも決して不可能ではありません。
こちらの方法は、借金を返済するだけでなく、子供の学費を稼ぐためにも有効です。
国の教育ローンが難しい場合、銀行が行なっている教育ローンを検討される方もいらっしゃいます。
実際、東京三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行などでは、国の教育ローンよりは少し金利が高いですが、それでも3~5%と比較的、低金利でローンを組むことができます。
ただ、銀行も審査の際は、信用情報を照会するので、債務整理後は教育ローンの審査に通るのは難しくなってしまいます。
また、インターネットなどでは「必ず借りれる教育ローン」という形で紹介をしているサイトがいろいろあります。
しかし、その中身を見てみると、中小の消費者金融を紹介しているケースが多く、その場合は金利が15~18%とかなり高くなってしまいます。
そういったところを利用すると、再び借金地獄にハマってしまうリスクがあるので、決してオススメはできません。
借金を減らせば希望が見えてくる
実際、債務整理を検討している方にとって、今は借金の金額が多すぎて、学費のために貯金するとか考えられないかもしれません。
しかし、債務整理をすれば借金を一気に減らすことも可能となってきますので、そこから国の教育ローンに頼らず、貯金を作ることによって、学費を捻出するという希望が見えてくるかもしれません。
そのためにも、まずは今の借金をどれくらい減らせるかシミュレーションしてみることによって、ただ返済するだけでなく、学費を稼ぐためのプランも立ててみるのはいかがでしょうか?

債務整理後は国の教育ローンを組むことは難しくなりますが、いろいろな対処法がありますので、お子さまのためにも希望を持ってがんばって下さい!