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株もやり方によっては、大きな損失を抱えて借金まみれになってしまうと、本当に目の前が真っ暗になってしまうかと思います。
そんな時は、自己破産をするしかないと覚悟を決める方もいらっしゃいますが、場合によっては、株が借金の原因だと自己破産ができない時もあると言われています。
しかし、本当にそうなのでしょうか?
ここでは、株の損失で借金を抱えた場合に、自己破産で免責を受けられるかという点や自己破産後の株取引の可否について解説していきます。
目次
株で失敗したら自己破産もできない?
株で借金を抱えてしまうと、自己破産で免責を受けられないと言われる理由は、
破産法第252条第1項4号で定められている免責不許可事由に該当してしまう可能性があるからです。
具体的な条文は以下の通りです。
浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。
株取引は、”その他の射幸行為”の中に含まれてしまってしまうので、借金が免責されない可能性が出て来ます。
免責不許可事由に該当すると、同時廃止という簡単な手続きではなく、管財事件となり、場合によっては免責がされないケースも出て来るという訳です。
株の借金でも免責不許可事由に該当しないケースも
ただし、少しでも株の借金があれば、免責不許可事由に該当するという訳ではありません。
もし、全体の借金の中に占める株による借金が一部であれば、免責不許可事由に該当しないケースもあります。
裁量免責で免責されるケースがほとんど
また、仮に免責不許可事由に該当して、管財事件になった場合でも裁量免責という形で免責が認められるケースは多いです。
実際に、2014年破産事件及び個人再生事件記録調査の資料を見てみると、2014年は、破産申立てが1240件あったのに対し、免責許可が決定したのは1195件となっています。
さらに、免責不許可という形で自己破産ができなかったけーしは0件だったので、よっぽどのことがない限り、株の借金だと自己破産ができないということは起こりません。
>>自己破産で失敗したらどうなる?実はできない確率は0%!?
自己破産以外で解決をした方が良いケース
ただ、自己破産は、一定以上の財産は手放すことになるというデメリットがあります。
例えば、住宅ローンの返済が残っている場合は、持ち家を手放さざるを得なくなってしまいますよね。
株で多大な損失が生まれただけでなく、家まで失ってしまえば、たとえ、自己破産ができたとしても、そのショックから立ち直ることは難しくなってしまうかもしれません。
そんな場合にお勧めなのが個人再生の手続きです。
個人再生の手続きであれば、住宅ローンの返済は続けたままで、借金を約5分の1に減らすことができるからです。
また、個人再生であれば、借金の理由は問われないので、株の損失で借金を抱えていたとしても何の問題もありません。
自己破産後でも株取引はできる?
株の損失で自己破産をした人は、「もう株なんてコリゴリ」と思って、株とは縁を切る人もいるかもしれませんが、その一方で、
「今度こそ、この失敗を活かして、株で成功してやる」
と思う人もいらっしゃるかもしれません。
一応、自己破産をした人は、証券会社で口座を開設できないというルールはないという弁護士の方もいらっしゃいます。
ですから、基本的に証券会社の口座の開設は可能です。
ただ、最初の自己破産の原因であったであろう信用取引は、絶対やめた方が良いかと思います。
担保金の3倍までレバレッジを掛けて株を買ったり、空売りをしたりすると、また同じ失敗をするリスクがあるからです。
もし、株を再開するのであれば、あくまでも元手の資金で売買できる現物取引にとどめておいて下さいね。
株の怖さを知っておこう
今回、自己破産をするあたり、株の怖さは、改めて認識しておいた方が良いかと思います。
株で大損して多額の借金を抱えてしまった例として、ライブドアのケースが有名ですよね。
2006年1月16日に、東京地検特捜部が当時、堀江貴文社長が経営していたライブドアを強制捜査をことにより、1月17日に596円だったライブドアの株はストップ安の状態になってしまいました。
それから、しばらくの間、ライブドアの株を所有していた人は、まともな株取引をすることができなくなってしまいました。
そして、1月25日に再び取引ができるようになった時、ライブドアの株かは155円まで下がっていたのです。
こちらのブログの方は、当時、信用取引でライブドアの株を203,000株を保有していたそうです。
具体的な損失額は書いてありませんが、株価は596円から155円まで、一気に441円下がったので、その差額は89,523,000円と1億円弱の損害を被ってしまった計算になります。
中には、現金を担保にして3倍の資金でライブドアの株を購入した人が、その株でさらに3倍のライブドアの株を購入するという信用二階建てという方式で運用していた人もいたそうです。
そういった人達は、株価が暴落した時、さらに悲惨な運命を迎えるようになります。
もちろん、ライブドアの事件は稀なケースですが、じゃあ、2回目のライブドア事件は絶対起こらないかというと、決してそんな訳ではありませんよね。
自己破産後に、再度、信用取引にチャレンジして、失敗し、また自己破産ということになると、2回目の自己破産は、もっと免責を受けるのが厳しくなりますから・・・
まとめ
もし、株の損失で借金まみれになったとしても自己破産ができないという訳ではありません。
裁量免責という形で免責を受けられるケースがほとんどですし、また、個人再生という形で借金問題を解決することも可能です。
そういった意味では、希望を持って、弁護士や司法書士に一度、相談してみて下さいね。
また、自己破産後でも株取引を行うことは可能ですが、信用取引は極力控えて、現物取引で趣味程度に楽しまれることをお勧めいたします。
株で損失を抱えた場合でも、債務整理では自己破産以外にもいくつかの手続きがありますので、まずは法律の専門家に相談をするところから始めてみてはいかがでしょうか?