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個人再生の手続きを行なう前に、車の名義変更を行なうのは得策ではありません。

場合によっては財産隠しと見なされる可能性があるからです。

また、ローンの返済中は名義変更自体がかなり困難となってしまいます。

ここではその理由について解説をしていきます。

この記事を書いた人

 

借金問題専門家 タケシ

以前、325万円の借金を任意整理を行なって完済した体験を持つ借金問題の専門ライターです。
借金問題や債務整理に関するコンテンツは、既に1,500記事以上、執筆しています。

ローン完済後の車の名義変更について

まず、ローンを完済している車がある状態で個人再生を行なうと、車の価値を換価した金額が清算価値として計算されることになります。

そして小規模個人再生の場合は、最低弁済額(基本的には借金の約5分の1)よりも清算価値が上回った場合は、清算価値の金額が弁済額がとなります。

例えば、最低弁済額が100万円であったけれども、車以外の清算価値が90万円で、車を査定して20万円の評価額が付くと清算価値は110万万円となるので、弁済額も110万円となるのです。

そのため、このようなケースで、車の名義を妻などの家族に変更すると、清算価値を押し下げるために、名義変更を行ったと見なされる可能性が高くなってしまいます

清算価値は変わらない

しかし、実は個人再生前に名義変更を行っても、清算価値は変わりません。

その理由は、個人再生前に名義変更をして、財産譲渡を行った場合は、裁判所に報告しなければなりませんし、譲渡分も清算価値として加算されるからです。

そこで、裁判所への報告を行った場合は、財産隠しと見なされて、再生計画案が認可されなくなるリスクが出て来るので、十分ご注意下さい。

ローン返済中の車の名義変更について

次に車のローンが返済中の場合の名義変更についてですが、ここでも問題が生じて来ます。

ディーラーの車のローンの場合

そディーラーを通じて信販会社のローンを組んでいる場合、基本的に所有権留保の特約が付けられていて、ローンを完済するまで、車の名義人はローン会社になっています

そのため、車の名義変更は、残債を全て完済しなければ行なうことができません。

ただ、個人再生前に債務者本人が、車のローンだけを優先して返済すると、債権者平等の原則に反するため、偏頗弁済と見なされてしまう可能性が高くなります

また、ローンの契約者(支払人)の名義を変更したいという場合でも、ローン会社は契約者の変更を基本的には認めていません。

例えば、信販会社の一つであるオリコは公式HPで契約途中での契約者の変更はできないと明記しています。

ですから、もし、家族や友人に名義変更をしたい場合は、債務者本人ではなく、家族や友人が残債を一括で支払った上で、名義変更の手続きを行なうという流れとなります。

銀行のローンの場合

ちなみに、ディラーではなく銀行の車のローンの場合は、元々、所有者は本人になっていますが、その場合は、個人再生をしても車を引き上げられることはありません。

ですから、名義変更の必要性自体がなくなってくるかと思います。

参考記事:個人再生で車を残せる条件とは?残す方法はある?

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個人再生前の車の名義変更は、いろいろな意味で面倒になるケースが多いので、検討中の方は、必ず弁護士や司法書士に事前に相談されることをお勧めいたします。