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ろうきん全国労働金庫協会とは、労働金庫法に基づき、働く人達が、お互いに助け合うために作られた金融機関です。
ろうきんからの借金が返済できない場合も、銀行や消費者金融からの借金と同様、債務整理の対象にして借金を減額したり、チャラにしたりすることが可能です。
ただ、その際、いくつか押さえておくべきポイントがありますので、ここでは、具体的に解説していきます。
目次
ろうきんだと任意整理ではあまり効果がない
ろうきんは、通常の銀行や消費者金融のような営利目的の金融機関ではありません。
労働者の利益を優先しているので、元々低金利のサービスとなっています。
ですから、任意整理の手続きを行っても、過払い金が発生することはありません。
また、任意整理で将来利息をカットすることができたとしても、そこで得られる経済的メリットは少ないです。
そのため、弁護士や司法書士へ支払う費用を考えると、任意整理をしても意味がない可能性が高いでしょう。
ですから、ろうきんの借金を返済できない場合は、任意整理ではなく、個人再生か自己破産を行うのが通常の流れです。
個人再生を行う場合
個人再生では、借金を約5分の1に減額して、残債を原則3年間で返済していく手続きです。
ろうきんからの借金があって、個人再生を行う場合、以下の点を押さえておくこと良いでしょう。
ろうきんの住宅ローンは対象外にできる
もし、ろうきんの住宅ローンを借りている場合は、個人再生を行うことによって、マイホームを守りながら、借金問題を解決することも可能です。
自己破産であれば、ろうきんの住宅ローンも整理の対象となり、家を失うことになります。
しかし、個人再生であれば、住宅ローン特則というものを利用することによって、ろうきんの住宅ローンを整理の対象から外すことができるからです。
ろうきんは個人再生に反対するか?
ろうきんから住宅ローン以外の借金をしている場合は、ろうきんからの借金を個人再生の対象とすることになります。
個人再生の手続きには、小規模個人再生と給与所得者等再生という2種類がありますが、借金をより大きく減額できるという観点から、ほとんどの人は、小規模個人再生を利用します。
ただ、小規模個人再生の場合、
- 反対する債権者が全体の2分の1を超える
- 反対する債権者の債権額の合計が全体の2分の1を超える
と、再生計画案が認可されなくなってしまうというデメリットがあります。
ですから、ろうきんからの借金が多い場合は、ろうきんから反対されないか心配する方もいらっしゃいます。
ただ、この点に関しては、弁護士から、ろうきんから反対された事例はないという見解が出ています。
労金が債権者の事件はこれまで何件も経験があり、反対意見を出されたことはありません。
(中略)
むしろ労金から個人再生事件の紹介があったりします。引用元: ろうきんの個人再生について
ろうきんの借金を債務整理する場合の注意点
ただ、その一方で、ろうきんからの借金を個人再生や自己破産の対象にする場合、いくつか注意すべき点もあります。
会社にバレるリスクがある
ろうきんから借入をしている場合、返済は基本的に労働組合を通じて、給料から天引きという形になっています。
ですから、個人再生や自己破産を行って、天引きがされなくなった際に、会社に債務整理を行ったことがバレるリスクがあります。
債務整理をしたことがバレることによって、会社をクビになることはありませんが、バレるリスクがあることだけは認識しておく必要があります。
偏頗弁済に注意
ろうきんを債務整理の対象にした場合、きちんと手続きを行なわないと、受任通知が送られた後も、天引きが続いてしまう場合があります。
この場合、個人再生や自己破産の手続きでは、一部の債権者に優先して返済を行ったということで、偏頗弁済を見なされてしまいます。
偏頗弁済だと判断されると、個人再生では余分に天引きされた分だけ弁済額が増えますし、自己破産では免責不許可事由に該当して管財事件となり余分な費用が掛かってしまうリスクがあります。
ですから、弁護士ともよく相談しながら、事前に天引きがされないよう手続きを行なうか、天引きされたら、すぐに返還請求をしてもらう必要があります。
口座の凍結に注意
ろうきんの銀行口座を持っている方は、ろうきんからの借金を債務整理の対象とすることによって、口座が凍結されて、借金の残債と相殺されてしまうリスクが発生します。
ですから、ろうきんからの借金を債務整理の対象とする際には、
- ろうきんの銀行口座に入っているお金は債務整理を関係ない口座に移す
- ろうきんの銀行口座から自動引き落としされる光熱費の支払いなどがあれば、別の口座に移す
という対策が事前に必要となります。
ろうきんに相談しながら解決するという方法
ろうきんの借金が返済できない場合、債務整理をするのも一つの選択肢ですが、ろうきんは営利目的の金融機関ではないので、相談をすれば柔軟に対応してもらえる可能性は高いです。
具体的には、
- 返済期間を延長して月々の返済額を下げてもらう
- ボーナス返済を毎月返済に変更してもらう
- 一定期間元金を据え置いて、利息のみの支払いにしてもらう
などの対応をしてもらうことも可能です。
管轄のろうきんによっては、対応が異なるかもしれませんが、例えば、新潟ろうきんでは、ローンの返済が大変な方へ様々な対応を行っています。
それによって、債務整理をせずに解決ができるかもしれないので、一度、ろうきんまで相談してみるのも良いでしょう。
ろうきんの負債整理資金融資制度を利用してみる
ろうきんの中には、負債整理資金融資制度を行っているところがあります。
例えば、中国ろうきんでは、ろうきん助け合い制度を行っていて、その中で、多重債務者に対するサポートを行っています。
この制度は、会員が、銀行や消費者金融からの借金で、多重債務状態となって、返済が困難になった場合、債務整理をすることを前提にして、以下のようなお金を融資するシステムとなっています。
- 債務整理を行う際に必要な費用
- 任意整理で借金を圧縮した後、一括返済をするための資金
債務整理を行う場合は、弁護士や司法書士の費用が数十万円掛かることもありますが、こちらの制度を利用すれば、そういった費用をまかなうことが可能です。
また、任意整理で弁護士や司法書士が債権者と交渉をする際、一括返済できるということなれば、交渉をより有利に進めることができますし、元本を減額してもらえるケースもあります。
ただ、その後、ろうきんに借り換えを行った後、多少の金利が掛かるので、その点は注意する必要はありますが、返済シミュレーションを立てた上で決めていかれると良いでしょう。
>>任意整理中にろうきんは借りれる?住宅ローンを組めた人は実は・・・
ろうきんからの借金の返済が難しい場合は、ろうきんに直接相談することも有効な方法ですが、それでも難しい場合は、弁護士や司法書士に直接、相談をしてみて下さい。