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自己破産をする人の中には、うつ病になって借金返済が難しくなり、障害年金の申請を検討している方もいらっしゃいます。

ただ、その際に、自己破産をすると障害年金がもらえなくなったり、差し押さえに遭ったりするのではないかと心配する方もいらっしゃるかと思います。

ここでは、自己破産と障害年金の関係や、注意点について解説をしていきます。

この記事を書いた人

 

借金問題専門家 タケシ

以前、325万円の借金を任意整理を行なって完済した体験を持つ借金問題の専門ライターです。
借金問題や債務整理に関するコンテンツは、既に1,500記事以上、執筆しています。

自己破産をすると障害年金は差し押さえられる!?

自己破産をすると障害年金をもらえなくなるのではないかと不安に思う方もがいらっしゃいますが、自己破産をしても障害年金の受給資格を失うことはありません

また、自己破産の破産手続開始決定後に、入ってくる障害年金も差し押さえの対象にはなりません。

なぜなら、障害年金だけでなく、公的年金であれば、自己破産をしても受給停止になったり、差し押さえの対象になったりすることはないと各種法律で定められているからです。

>>自己破産しても年金はもらえる?滞納分は免除されるの?

自己破産における障害年金についての注意点

しかし、その一方で、気を付けないといけないのは、自己破産の破産手続開始決定の前に、支給されたお金は、債務者が所有している財産と見なされてしまうということです。

ですから、その金額が、もし20万円を超えていれば、管財事件となり、全額破産財団に組み入れられてしまいます。

一部は自由財産の拡張ということで所有が認められるかもしれませんが、残りは処分の対象となるリスクが発生してしまうのです。

障害年金の申請のタイミングに気を付ける

実際、障害年金は、遡及分(過去にさかのぼって支給される分)が入って来たりすると、初回の支給額が100万円を超える場合もあります

そうすると、せっかく支給されたお金が自己破産の開始決定後に破産財団として、管財人の管理下に入ってしまいます。

ですから、これから障害年金を申請しようという方は、自己破産の開始決定後に申請する方が良いということになります。

ただ、障害年金の申請をずらそうをした場合は、カルテの保存期間が問題になるケースがあります

障害年金を申請する際は、医療機関からの種類として、

  • 医師の診断書(障害認定日より3カ月以内の現症のもの)
  • 受診状況等証明書(初診時の医療機関と診断書を作成した医療機関が異なる場合必要、初診日の確認のため)

などが必要となりますが、カルテの保存期限は5年と決まっているため、申請時期が遅れると、医療機関からの書類をうまく入手できなくなるリスクが生じてしまいます。

ただ、上記の書類だけ先に取得しておくという方法もあったりしますので、具体的な申請時期については弁護士と慎重に相談をするようにして下さい。

振込口座に気を付ける

もう一つ注意すべきなのは、自己破産をする際に銀行からの借入があり、障害年金の入金口座がその銀行の口座である場合です。

その場合、銀行口座が凍結されて、入金されたお金が引き出せなくなってしまうリスクが発生します。

ですから、そういった時は、事前に自己破産とは関係のない銀行口座へ障害年金の振り込み先を変更する必要があります。

うつ病でも障害年金はもらえる?

自己破産を検討している方の中には、うつ病になって仕事ができなくなり、借金返済ができなくなったという方もいらっしゃいます。

そういったうつ病の方でも障害年金をもらうことは可能性はあります

実際、うつ病のような精神障害の場合、症状が具体的に分かりにくいところがあるので、障害年金をもらうのは難しいのではという意見もあります。

ただ、うつ病が日常生活に与える影響の度合いによっては、障害年金をもらうことも可能となっています。

具体的に、以下のような等級の度合いに応じて障害年金をもらうことが可能です。

  • 国民年金の加入者:2級以上で障害基礎年金を受給可能
  • 厚生年金加入者:3級以上であれば、障害基礎年金にプラスして障害厚生年金も受給可能

あとは診断書の内容も重要になってくるので、主治医や、場合によっては社労士にも相談をしながら手続きを進めるようにして下さい。

障害年金は借金返済に充てることも可能

うつ病で借金返済ができなくなった人の中には、障害年金とは別に生活保護を検討する方もいらっしゃるかもしれません。

ただ、生活保護を利用すると、受給されたお金を借金返済に回すことが原則としてできなくなります

>>生活保護費で借金返済するのは禁止されている?法的根拠は?

ですから、生活保護を受けることを前提に、債務整理を行なう場合は、原則として自己破産を行うことになります。

しかし、障害年金に関しては、受給されたお金を何に使うかは本人の自由なので借金返済に充てても大丈夫です。

>>障害者が借金返済できなくなったら免除は可能?

まとめ

障害年金を既に受給している人が自己破産を行う場合、自己破産の開始決定前に支給されたお金に関しては、財産と見なされて、自由財産として認められない分は処分の対象になるリスクが発生します。

しかし、その一方で、自己破産の開始決定後に支給される障害年金は押さえの対象となる訳ではありませんし、受給資格を失うこともありません。

ですから、これから自己破産と障害年金の申請を検討している方は、申請時期に注意して下さい。

また、うつ病の方も、日常生活に与える影響の度合いによっては障害年金をもらうことも可能ですし、障害年金は、生活保護費と違って、借金返済に回すこともできます。

ですから、障害年金による収入の金額によっては、自己破産を行わずに、任意整理や個人再生など、制限がより少ない債務整理の方法で借金問題を解決できる可能性もあります

実際に、自己破産以外の方法で解決できないか、以下の方法で無料診断を受けてみられることをお勧めいたします。

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債務整理をしても障害年金による収入は確保されますので、自己破産以外の方法で借金問題を解決することができないか弁護士や司法書士など法律の専門家に相談してみるのはいかがでしょうか?