自己破産をする際に家賃の滞納分が残っていると対処法を間違えたら、最悪の場合、家を追い出される可能性があります。

もし、債務整理の手続きを行なう場合、借金の返済額をうまく減らすことが出来れば、自己破産ではなく任意整理の手続きを行なうことによって、もっと安全な形で借金問題を解決することが出来ます。

ただ、どうしても自己破産しか選択肢がない場合は、以下のような流れで考えていく必要がありますので、ご参考にして下さい。

家賃を滞納をしていない場合

もし、家賃を滞納していない場合は、破産をしても、賃貸契約を解除されて家を追い出されることはありません

実は、以前は民法第621条で、賃借人が破産をした場合、賃貸人(大家さんなど)は賃貸契約の解除を申し入れることが出来ると決められていました。

しかし、平成16年(2004年)の改正で、この第621条は削除されたため、家賃を滞納していない場合は、破産したことを理由に、賃貸契約を解除することは出来なくなっています。

家賃を滞納をしている場合

その一方で、家賃を滞納している状態で自己破産を行なうと賃貸人は、賃貸契約を解除することが出来ます

この場合でも、破産法55条で、破産をして賃貸人は賃貸契約の解除することは出来ないのではという意見もあります。

破産法55条

第1項 破産者に対して継続的給付の義務を負う双務契約の相手方は,破産手続開始の申立て前の給付に係る破産債権について弁済がないことを理由としては,破産手続開始後は,その義務の履行を拒むことができない。

しかし、賃貸契約は、この条文における継続的給付の義務を負う双務契約には該当しないというのが一般的な見方となっています。

ただ、強制退去をさせるといっても実際の手続きには2ヶ月以上掛かるので、その間に新しい家を探すようにして下さい。

また、弁護士によっては、家賃は生活に必要なものなので滞納をしていても、債権者として申告をしなくても大丈夫だから、家賃の滞納分はそのままにして、住み続けることが出来るという人もいます。

(もちろん、滞納の期間が長いと、それが原因で立ち退きを命じられる可能性もあります)

ここら辺は、その時の状況によっても対応が分かるれるところなので、事前に弁護士に相談するようにして下さい。

直前に家賃を払ったら偏頗弁済になるか?

このように基本的には、家賃の滞納分を自己破産の対象にすると賃貸契約の解除のリスクがあるので、事前に家賃の滞納分は解消しておいた方が良いということになります。

ただ、滞納している家賃の額が大きいと偏頗弁済(自己破産の直前に特定の債権者に偏って返済すること)と見なされる可能性があるので注意しなければなりません。

一方、滞納分の額が少なければ生活に必要な支出だということで認められる場合もありますが、判断が難しい時もあるので、これも弁護士によく相談してから決めるようにして下さい。

もし、偏頗弁済と見なされ、滞納分の支払いが難しい場合は、家賃の滞納分はそのまま自己破産の免責対象とし、新しく借りる家を探す方が良いでしょう。

自己破産後の賃貸契約について

家賃の滞納分を免責してもらう代わりに、新しい家を探す場合、気を付けなければならないのは家賃保証会社を利用する場合です。

家賃保証会社はいろいろな種類がありますが、信販系の会社の場合は、審査の段階で信用情報機関の情報を照会します。

自己破産をすると約5年~10年間、信用情報機関に事故情報が登録されてしまうので、そこで審査に落ちてしまうようになります。

ですから、新しく賃貸契約をする場合は、信販系ではない家賃保証会社を選ぶか、身内の人に連帯保証人をお願いするという選択肢から選ぶようになります。

保証人や連帯保証人がいる場合はどうなる?

滞納分を免責の対象にしたら、賃借人は支払いを免れることが出来ます。

しかし賃貸契約をする際に、保証人にや連帯保証にを立てている場合、保証人や連帯保証人がその滞納分を全額支払う義務が発生してしまいます。

しかも支払いは、原則一括払いを要求されてしまいます。

(交渉によって分割返済が認められる場合もあります)

ですから、保証人や連帯保証人を立てている場合は、必ず事前に相談をしておくようにして下さい。

市営住宅などの場合

自己破産をする人によっては、市営住宅や県営住宅など公営住宅に住んでいる場合があります。

この場合も、もし滞納をしていなければ自己破産をしてもそのまま住み続けることが可能です。

しかし、市営住宅などの家賃を滞納している場合は、自己破産をした際に免責の対象となり、それを理由に退去を命じられる可能性が高くなります。

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自己破産を検討している段階で家賃の滞納分がある場合は、その時の状況によって対処法が変わって来ますので、必ず弁護士に相談するようにして下さい。