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最近は高齢者で自己破産をする方が増えていると言われています。

借金を抱えたまま高齢者になってしまうと、収入も減って、非常に苦しくなってしまいます。

ただ、自らの借金で家族に迷惑を掛けることは、どうしても避けたいところですよね。

ここでは、高齢者が自己破産をする場合の注意点と、家族に迷惑を掛けない方法などについて解説をしていきます。

この記事を書いた人

 

借金問題専門家 タケシ

以前、325万円の借金を任意整理を行なって完済した体験を持つ借金問題の専門ライターです。
借金問題や債務整理に関するコンテンツは、既に1,500記事以上、執筆しています。

高齢者の自己破産は増加中という現実

日本弁護士連合会と消費者問題対策委員会が出している2014年破産事件及び個人再生事件記録調査によると、高齢者、特に70歳以上の自己破産が最近は急増しているという統計データが出ています。

2014年 2005年 1997年
60代 18.71% 14.20% 12%
70歳以上 8.63% 3.05% 1%

高齢者の自己破産が増えている背景には、個人向けの銀行のカードローンが増えたからと指摘する人もいます。

以前は、個人がお金を借りるというのは、消費者金融が主流でした。

しかし、貸金業法が改正されて、総量規制(年収の三分の一を超えた金額は借りられない)というルールが徹底される中で、個人向けの融資の中心は消費者金融から銀行のカードローンへ移って来た経緯があります。

銀行のカードローンは消費者金融よりも安心して、借りられるということで、40代~50代の人達も気軽に借りていたのですが、いざ定年して、年金生活となり、収入が減ると、返済不能になってしまうという訳です。

高齢者が自己破産をする場合の注意点

では、高齢者が自己破産をする場合、どういった点に注意すべきなのでしょうか?

年金は差し押さえになる?

高齢者の方は基本的に年金生活をされているかと思います。

この場合、年金が公的年金か個人年金であるかによって対応が異なります。

  • 公的年金:自己破産をしても差し押さえの対象にはならない
  • 個人年金:民間の生命保険会社を通じて任意で行っているものなので差し押さえの対象になる

また、公的年金は差し押さえの対象にならなくても、振込先の銀行から借入れを行っている場合、自己破産を行った際に凍結されるリスクが発生します

ですから、自己破産をする場合は、事前に年金の振込先を関係のない口座に移す必要があります。

>>自己破産しても年金はもらえる?滞納分は免除されるの?

資格・職業の制限に注意

自己破産をすると、破産手続開始が決定されてから復権がされるまでの期間、特定の資格や職業が制限されてしまいます。

特に、高齢者の場合、警備員をしながら、生計を立てている方が多いですが、警備員の仕事は、制限される仕事の中に含まれており、一時的に仕事ができなくなってしまうのが注意が必要です。

>>債務整理を警備員が行うと仕事ができなくなる?

生活保護を受ける場合は自己破産が必要

年金の保険料を払っていなかった高齢者の方は、ほとんど収入がなく、生活保護を検討する方もいらっしゃいます。

ただ、生活保護費で借金返済をすることは原則として禁止されているので、借金を抱えている人が生活保護を受ける場合は、まず、自己破産で借金を清算してから、生活保護の手続きを行うという流れになります

実際、収入がない高齢者の方は、自己破産の費用が心配になるかと思いますが、法テラスに相談をすれば、弁護士費用の立て替えや免除も可能となってくるので、一度、相談をしてみると良いでしょう。

>>債務整理と生活保護の関係~弁護士費用などはどうする?

自己破産以外の解決法はあるのか?

ただ、高齢者の方の中には自己破産だけは避けたいという方も当然いらっしゃいます。

また、自分の借金で、家族を困らせたくないという方も多いかと思います。

そういった方には、どういった解決法があるのでしょうか?

親族には自分の死後、相続放棄をしてもらう

借金を抱えている高齢者は、死んだ後に返済義務が残ることを心配する方もいらっしゃいます。

ただ、債務者が死亡した後、相続人が自分のために相続の開始があったことを知ってから3ヶ月以内に相続放棄をしてもらえば返済義務を免れることが可能となります。

この場合、家族に迷惑を掛けるという最悪の事態は避けることができます。

公的機関から借入れを行う

高齢者の方がお金がなくなった場合、年齢のため、普通の消費者金融や銀行からは借入れをすることが難しくなってしまいます。

ですから、そういった場合は、公的機関を通じて、低金利でお金を借りることも可能です。

生活福祉資金貸付制度

生活福祉資金貸付制度は、低所得者や高齢者の方でも、利用できる貸付制度です。

こちらの制度は全国の社会福祉協議会が窓口になっていて、そこから申し込むことができます。

例えば、総合支援基金の場合、二人以上であれば月20万円、単身であれば月15万円以内で融資を受けることができます。(原則3ヶ月、最長12ヶ月)

また金利に貸しても、保証人がいれば無利子で、保証人がいなくても1.5%と非常に低金利です。

年金を担保にしてお金を借りる

年金担保貸付事業とは、国民年金、厚生年金保険などを担保として、融資を受けられる制度です。

融資額の範囲は10万円~200万円となっていて、融資利率は2.8%です(平成30年10月3日現在)

ただし、こちらの制度は、2022年3月末に受付を終了する予定になっています。

リースバック・リバーススモーゲージを利用する

自宅を所有している人は、リースバックやリバースモーゲージを利用して、現金を得ることが可能です。

  • リースバック:自宅を業者に買い取ってもらった後、賃貸契約を結び、賃料を支払う制度
  • リーバースモーゲージ:自宅を担保に融資を受け、自分が死亡した後、自宅を売却をして、融資を一括返済する制度

これからの方法を使えば、ある程度のまとまったお金を入手することができます

自己破産以外の債務整理を行う

債務整理には自己破産以外に任意整理や個人再生の手続きがあります。

任意整理であれば、将来利息をカットして、月々の返済額を減らすることも可能となります。

また、高齢者で、長年に渡って、返済を続けて来たという方は、消費者金融などに利息を払い過ぎていた可能性があります

その場合は、借金が減額されるだけでなく、過払い金としてお金が戻って来る可能性もがあるので、心当たりのある方は一度チェックをしてみると良いでしょう。

>>借金をどれだけ減らせるか調べてみる【所要時間1~2分】

ちなみに、個人再生の場合は、住宅ローン以外の借金を約5分の1に減額できるというメリットがあります。

ただ、個人再生の場合は、アンダーローン(住宅ローンの残債より自宅の売却額の方が大きい)の場合や自宅を持っている場合は、弁済額が上がってしまいます

高齢者の方は、住宅ローンの返済はほとんど終えている方が多いので、個人再生は難しいケースの方が多いです。

まとめ

高齢者になると、収入が激減してしまうので、60代でも借金が残っていると大きな不安を感じる方は多いかと思います。

もちろん、高齢者でもお金を借りるところありますし、最悪は、自分が死んだ後、親族に相続放棄をしてもらうという方法もあります。

ただ、年金などの最低限の生活ができそうなのであれば、一度、自己破産をして、借金をゼロにして、そこから新しい老後の生活を出発してみるのはいかがでしょうか?

>>自己破産に強いおすすめ弁護士事務所

takeshi1

借金問題の解決には、自己破産を行うことが、効果的な場合もありますが、それ以外の方法もいろいろありますので、まずは弁護士や司法書士に相談してみることをお勧めいたします。