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債務整理をするとブラックリストに載ってしまうという表現がよく使われますよね。これは具体的には、信用情報機関に債務整理を行なった事故情報が記録されることを意味します。
信用情報機関には、CIC、JICC、そしてKSCという3つの機関があるのですが、これらの機関には、どういう違いがあるのでしょうか?また、実際に信用情報の開示請求を行おうとした場合、「どっちの機関に請求するのがいいの?」と迷う方もいらっしゃるかと思います。
そこで、この記事では、CIC、JICC、KSCの違いを分かりやすくお伝えすると共に、信用情報の開示請求をどの機関に対して行えば良いのかという点についても詳しく解説していきます。
目次
CIC、JICC、KSCの違い
CIC、JICC、KSCは、債務整理を行うなど、問題が発生した際に事故情報が登録されるという点では共通していますが、以下の2つの観点で違いがあります。
- 加盟している会員(会社)の系列が違う
- 事故情報の登録のされ方や期間が違う
では、具体的にどのように違うのか、より詳しく解説していきます。
加盟している会員(会社)の系列が違う
CIC、JICC、KSCは加盟している会員(会社)の系列が違います。具体的には、
- CIC(株式会社シー・アイ・シー):クレジットカード会社や信販会社が多い
- JICC(株式会社日本信用情報機構):消費者金融が多い
- KSC(全国銀行個人信用情報センター):一般社団法人全国銀行協会(全銀協)が運営している
という違いがあります。
ただし、これはあくまでも傾向であって、例えばアコムやプロミスは消費者金融ですが、CICとJICCの両方に加盟しているなど、複数の信用情報機関に登録している業者も多く見られます。
事故情報の登録のされ方や期間が違う
債務整理を行なった場合、各信用情報機関に事故情報が記載されてしまいますが、どのような形で、どれくらい事故情報が登録されるかは、信用情報機関によって違います。
その違いを表にまとめると以下のようになります。
任意整理 | 個人再生 | 自己破産 | |
---|---|---|---|
CIC | 記録されない | 記録されない | 5年以内 |
JICC(※1) | 完済後5年以内 | 完済後5年以内 | 5年以内 |
KSC | 記録されない(※2) | 10年を超えない期間 | 10年を超えない期間 |
※1 JICCは事故情報が残る期間に関して、契約日が2019年以前は債務整理を行なってから5年を超えない期間となっていましたが、契約日が2019年10月1日は完済をしてから5年以内と変更になりました。つまり、返済期間中の分だけ、事故情報が残る期間が長くなったわけです。
※2 KSCでは、任意整理の情報は登録されませんが、任意整理を行った際に、保証会社が代位弁済をした場合、そのことが事故情報として登録されることがあります。
また、任意整理や個人再生の手続きを行なう前に、借金の返済を滞納(延滞)していた場合は、その記録が事故情報として登録され、契約期間中および契約終了後5年以内は、記録が残ってしまいます。
CIC、JICC、KSCでの情報共有について
信用情報機関は、CRINというシステムを通じて、債務者の個人信用情報や履歴を共有しています。ですから、いずれかの信用情報機関に事故情報が残っていれば、そこで審査は難しくなってしまいます。
例えば、銀行の住宅ローンが返済不能となってKSCに事故情報が登録されると、CICやJICCでも情報が共有されてしまうため、クレジットカードの申込をしても、審査に落ちてしまうということになります。
つまり、その観点から考えると、ブラックリストに載る期間については、それぞれの手続きにおいて以下の期間は気を付けなければいけないということになるわけですね。
- 任意整理:最大で完済してから5年間
- 個人再生:最大で10年間
- 自己破産:最大で10年間
ただし、前述したように債務整理前に滞納をしていた人は、任意整理や個人再生で返済が終わっても、完済後5年間、事故情報が残り続ける可能性があるので、ご注意下さい。
ちなみに、個人再生や自己破産でブラックリストに載る期間は最大で10年ですが、これは、KSCの信用情報が照会された場合となります。しかし、住宅ローンの審査などで、KSCの信用情報が照会されず、自己破産後、10年経つ前に、審査に通るケースもあります。
信用情報開示請求はどっちにすべき?
もし、債務整理を行なって、しばらく間をおいた後に、借入ができそうかチェックしたい時、信用情報機関に情報開示を請求するケースがありますよね。ただ、信用情報機関が3つある場合、どこに開示請求を行なえば良いのか分からないという方もいらっしゃるかと思います。
この場合、基本的には自分がお金を借りていた貸金業者が加盟している信用情報機関に情報開示を請求するのが良いでしょう。
CICとJICCだったらどっちがいい?
貸金業者の中には、CICとJICCの両方に加盟しているところがあります。では、その場合、情報開示請求はどっちにするのがいいのでしょうか? この場合、どちらに開示請求を行なっても良いといえば良いのですが、あえて選ぶとすれば、JICCに情報開示請求をするのが良いでしょう。
その理由は、先ほどの事故情報の登録のされ方のところからも分かるようにJICCはCICよりも、キャッシングやローンの借入返済についてより詳細な情報を登録しているからです。そのため、より正確な情報を把握できる可能性が高いと言えます。
情報開示請求のやり方
では、具体的に情報開示請求を行なうには、どのような手続きをしていけば良いのでしょうか。信用情報を開示してもらう方法に関しては、CICやJICCはインターネット開示も可能ですが、KSCは郵送のみという違いは多少あります。
ただ、基本的な流れは変わりません。信用情報機関ごとの具体的な情報開示の請求方法は以下のようになっています。
CIC | JICC | KSC | |
---|---|---|---|
情報開示請求が可能な媒体 | パソコン スマートフォン 郵送 窓口 |
スマートフォン 郵送 窓口 |
郵送のみ |
手数料 | 1,000円 (窓口であれば500円) |
1,000円 (窓口であれば500円) |
1,000円 |
掛かる期間 | パソコン、スマホ、窓口であれば即日 郵送であれば10日間 |
スマホは手続き完了後郵送 窓口であれば即日 郵送であれば1週間~10日 |
数日 |
情報開示の問い合わせ先 | CICの情報開示案内 | JICCの情報開示案内 | KSCの本人開示案内 |
必要書類などについては各信用情報機関のページで直接ご確認下さい。また、各信用情報機関に開示請求を行う費用は、1,000円程度などで、心配な方は3社すべてに情報開示請求を行っても良いかと思います。
信用情報開示は弁護士を通じて行うのが良い?
信用情報の開示請求は、個人で行うのではなく弁護士などを通じて行った方が良いのではと思う方もいらっしゃいます。確かに信用情報機関への情報開示請求の代行サポートを行っている弁護士、司法書士、あるいは行政書士の事務所はあります。
実際、情報開示請求の手続きが面倒という方や、開示書類の見方が分からないという方は、弁護士などに依頼しても良いかもしれません。ただ、情報開示請求は、それほど難しい手続きではありませんし、代行サポートを依頼すると、一社あたり費用が3,000円~5,000円掛かるので、個人で行ってもまったく問題ないかと思います。
信用情報開示にデメリットはある?
信用情報開示請求をする際、そのデメリットを心配する方もいらっしゃいます。ただ、信用情報開示のデメリットは、各信用情報機関に情報開示請求を行う際、1,000円程度の費用が掛かるぐらいです。3社すべてに開示請求を行っても、費用は3,000円程度ですよね。
逆に、事前に情報開示請求を行わず、事故情報が残っているのに、カードローンなどに申し込みを行い、審査に落ちると、その履歴が最大で6ヶ月信用情報機関に登録されてしまうリスクがあります。
ですから、より確実に、そして早く借入れを行いたい方は、事前に信用情報を開示請求することをおすすめいたします。
まとめ
債務整理を行なう場合の最大のデメリットの一つは、信用情報機関に情報が記録されてしまうということです。ですから、債務整理を行なう際は、手続き後に、どのような形で情報が記録されるのが知っておくことも大切です。
ただ、債務整理を行えば、借金が大幅に減額されるメリットもあるので、そのメリットと信用情報機関に登録されるデメリットなどを比較しながら、検討すると良いでしょう。
信用情報機関の違いや信用情報開示の流れを把握しておけば、将来、住宅ローンなど新たな借入の申請をする際に役立つので、事前に把握しておかれることをおすすめいたします。