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債務整理(任意整理・個人再生・自己破産)を行なうと原則としてブラックになってしまうというデメリットがあります。ブラックリスト状態になると、一定期間は新たな借り入れができなくなるので、生活面で様々な不便さを感じるようになります。
たた、任意整理をしてもブラックにならないケースがあるというのはご存じでしょうか。といっても最近は滅多にないことではあるのですが、確率がゼロというわけではないので、知っておいた方が良いかもしれません。
そこで、この記事では、任意整理をしてもブラックにならないケースをお伝えする共に、そもそもブラックになるとはどういうことなのかという点についても解説をしていきます。
目次
任意整理をしてもブラックにならない唯一のケース
任意整理を行なうと基本的にはブラックになってしまいます。しかし、一つだけブラックにならないケースがあるんですね。それは、
- 任意整理の手続きで払い過ぎていた利息が判明し、その額が残債を上回って過払い金が発生した場合です。
任意整理の手続きを依頼すると、弁護士や司法書士が債権者から取引履歴を取り寄せ、引き直し計算という手続きを行ないます。そこで、もし過去に利息制限法という法律で決まった基準を上回る金利でお金を借りて返済をしていた場合は、利息を払い過ぎていたということになるんですね。(貸金改正業法が2007年~2010年に施行される前までは、貸金業者が利息制限法で決められた金利を上回る金利で融資をしているケースがかなりありました)
この場合、一時的にはブラックリストに登録されてしまいますが、過払い金によって借金がなくなれば、ブラックリストの状態はすぐに解消され、異動情報なしということになります。
ただ、ここで気を付けないといけないのは、過払い金がかなり発生しているのではなと思って、任意整理を行ったところ、実はそれほど払い過ぎた利息はなかったというケースです。もし、最終的に借金が残ってしまった場合は、通常の任意整理の手続きとなり、ブラックリストに載ってしまいます。
ですから、こういった自体を避けるためにも、まずは借金の負担をどれだけ減らせるか相談をして、任意整理でブラックにならない方法が可能かどうか確認してみることをオススメいたします。
>>借金の負担を減らす方法、簡単チェック【所要時間1~2分】
任意整理でブラックになるとは?
ところで、そもそも任意整理でブラックになるとは、どういう状態を意味するのでしょうか。
ブラックリストになる仕組み
ブラックになるというのは、具体的に説明をすると、信用情報機関に事故情報(異動情報)が登録されてしまうことを意味します。
信用情報機関には、JICC、CIC、KSCと3つの機関があります。そして任意整理をすることによって事故時情報(異動情報)が登録されるのですが、その年数などは以下のようになっています。
- JICC:完済をしてから5年以内の期間で登録されます。
- CIC:事故情報は記載されません。
(※ただし、滞納をしているとその情報は契約終了後、5年を超えない範囲で事故情報が登録されます) - KSC:任意整理自体の記録は記載されません。
(※ただ、その際に保証会社が代位弁済をするとその情報が事故情報として記載されることがあります)
つまり、任意整理をすると、約5年間ブラックリスト状態になるのです。また、信用情報の詳細について、以下の記事で解説していますのでご参考にしてください。
>>CIC・JICC・KSCの違い!信用情報開示請求はどっちにすべき?
任意整理のブラックリスはいつから5年?
一般的に任意整理の手続きを行なうと、ブラックリストの期間が5年間続くという話を聞くと「いつから5年?」と気になる方がいらっしゃいます。実は、この点に関しては、任意整理を行なった際に事故情報が登録されるJICCで2019年10月以降、以下のようにルールが変わっています。
- 2019年9月まで:債務整理(任意整理)をしてから5年間を超えない期間
- 2019年10月以降:完済してから5年以内
つまり、現在は、任意整理をした後、残債をすべて完済し終わって、それから最大で5年間ブラックリストの状態が続くようになってしまっているのです。
ブラックリスト状態の期間はどうなる?
ブラックリスト状態になると、その期間は消費者金融や銀行などから新たな借入れをしたり、クレジットカードを作ったりすることができなくなります。住宅ローンの審査に申込んでも、ほぼ確実に落ちます。
また、任意整理で事故情報が登録されると、間違った情報が登録されていない限り、決められた期間が過ぎるまで削除してもらうことはできません。ですから、任意整理を行った後は、完済してから約5年の期間が過ぎるまで、お金が足らなくならないよう気を付けなければなりません。
任意整理後の返済期間では、無理な返済計画を立ててしまうと、返済が遅れたり滞納したりして、さらに信用情報が回復するまでの期間が長引いてしまうリスクが出てきます。
ですから任意整理を行なう場合は、弁護士や司法書士に相談しながら、より確実に手続きを進められるようにしてください。
まとめ
任意整理をしてもブラックにならない唯一のケースとは、引き直し計算をした結果、払い過ぎた利息が判明して、その分、借金が減るどころか逆にお金が戻ってくる過払い金というものが発生した場合のみとなります。ただ、こういったケースは極めて稀なので、任意整理をする場合、原則はブラックになることを覚悟した方が良いでしょう。
そういう話を聞くと、これから任意整理をしようと考えている人の中に、躊躇をしてしまう人が出てくるかもしれません。しかし、だからといって借金生活をズルズル続けてしまうと、さらに悩みや苦しんでしまうリスクを抱えることになります。
もちろん、任意整理後の5年間は、新たな借入れができないので、不便な思いをするかもしれません。しかし、5年を過ぎれば、ブラックリスト状態は解除されて、あなたの信用情報は完全に回復して元の状態に戻りますので、どちらが良いかじっくり考えた上で、判断されることをオススメいたします。

任意整理をしても何とかブラックにならない方がないかと考えあぐねるより、ブラックになっても大丈夫だという気持ちを持てるようにする方が大切だと思いますよ。