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自己破産の手続きを行った際、同時廃止とはならず、管財事件として扱われることになった場合、管財人が選定されます。
その場合、管財人に根掘り葉掘り聞かれるだけでなく、最悪の場合、自宅訪問をされてしまう可能性はあるのでしょうか。
実際、自宅訪問をされてしまうと、特に、家族に内緒で自己破産の手続きをしている人にとっては厄介な問題に発展してしまいますよね。
そこで、ここでは、管財人が自宅訪問をする可能性と、万が一、自宅訪問をすることになった場合の対策についてお伝えしていきます。
目次
管財人は自宅訪問する?
管財人が自宅訪問をする可能性ですが、結論から言うと、極めて稀だという弁護士が多いです。
特に最近は、自宅訪問をするケースが減っているとも言われています。
ですから、管財人に自宅訪問をされて、徹底的に調べ上げられてしまうのではないかと、過度に心配をする必要はないと言えます。
管財人が自宅訪問をした際の体験談
もし、管財人が自宅訪問をすることになった場合、テレビで見るワンシーンのように、管財人が自宅にドカドカと入って来て、家の中を無造作に荒らしていくのではないかと不安になる方もいらっしゃいます。
しかし、管財人の自宅訪問は、裁判所の差し押さえなどと本質的に異なるものなので、決して、そういった荒々しいものではありません。
また、実際に管財人から自宅訪問をされた方の体験談は、こちらの記事にあるのですが、そのポイントをまとめると
- 調査時間は40分ほど
- 家の中には入らなかった
- 家の中を覗き込むように見ていった
- 動産をチェック(車や機械)
- 大勢の人が押し寄せて赤紙を貼っていくようなことはなかった
- 派手な生活をしていないかチェックしているようだった
という感じであったそうです。
管財人が自宅訪問をして、どのようにチェックするかは、管財人によっても違いますが、一つの参考にはなるかと思います。
実際、管財人の中には、自宅訪問をした際、家の中に入って、高価な宝飾品などがないか、衣装タンスやクローゼットをチェックする人もいます。
ただ、管財人は、差し押さえをするような人や警察と違い、圧倒的な権限を持っている訳ではないので、そういった意味で、過度に恐れる必要はないでしょう。
管財人が自宅訪問をするケースとは?
しかし、だからといって、管財人が自宅訪問をするケースがまったくないという訳ではありません。
では、どういった時に、自宅訪問をされる可能性が出てくるのでしょうか。
本人名義の不動産を持っている場合
もし、自己破産の手続きを行っている人が、本人名義の不動産を持っている場合は、管財人が自宅を訪問する可能性が出てきます。
家や土地を売却することになった場合、どれくらいの価値になるのかを事前に把握しておく必要があるからです。
高価な動産がある場合
財産は、不動産だけでなく、動産も対象になります。
動産に関しては、換価をして20万円を超えるかどうかがポイントになってきます。
ですから、具体的には、車、宝飾品、ピアノ、美術品、ブランド品などが、金額的に見て、調査の対象になる可能性が出てきます。
そういった内容をチェックするために、自宅を訪問されるケースがあるわけです。
財産隠しがないか
最初に、管財人が自宅訪問をする可能性は非常に低いとお伝えしました。
ただ、そういった状況の中でも、管財人が自宅訪問をすると言って来た場合は、財産隠しを疑われている可能性が高いかもしれません。
自己破産の申立てを行う場合は、財産目録、給与明細、そして預金通帳の写しなど、お金の流れが分かるような資料を提出します。
そこで例えば、口座から、クレジットカードの支払いによる高額な出金があったけれども、財産目録には、それに該当する記載がないというような不自然なお金の流れがあったとします。
そこで、管財人に疑われた場合は、自宅を訪問される可能性が高くなってしまいます。
先ほど、自宅訪問には、不動産や動産がどれくらいの価値を持っているか、チェックをする目的があるとお伝えしました。
ただ、もう一つの観点として、何か財産を隠していないか調べるという目的も考えられます。
ちなみに財産隠しをすると、免責不許可事由に該当するだけでなく、悪質だと判断された場合は、詐欺破産罪に科せられ、10年以下の懲役、1,000万円以下の罰金、あるいは両方を科せられてしまうリスクが発生するので、十分に注意してください。
浪費をしていると疑われている場合
管財人の役割の一つに、免責不許可事由に該当していないかチェックするという内容があります。
そして、その中の一つに「浪費をしていないか」という項目があるんですね。
つまり、浪費の激しい人が自己破産をすると、生活状況がどういうものなのか、チェックするために自宅を訪問される場合があるのです。
管財人の自宅訪問を防ぎたい場合は?
実際、諸事情で、家族に内緒で自己破産の手続きをしている方もいらっしゃいます。
そういった方にとっては、管財人が自宅訪問をする可能性が低いと言われても、不安は残るでしょうし、さらにその確率を下げたいと思うはずです。
では、そのために、どういった対策が打てるのでしょうか。
財産は正直かつ正確に報告
もし、お金の流れが怪しいとか、財産を隠しているのではないかと疑われたら、状況を確認するために自宅訪問をされてしまうリスクが高まってしまいます。
ですから、自己破産の申立をする際は、できるだけ正直に資産報告などをして、疑いの余地が一切残らないようにすることが大切です。
また、財産の報告をする際、曖昧な形で報告すると、書類だけでは、分からないので、自宅を訪問して、状況を把握しようという話になってしまいます。
例えば、車などは、その典型的な例ですよね。
なので、資産の報告をする際は、査定書を付けるなど、できるだけ詳しく報告をするように努めてください。
また、これらの点に関しては、弁護士とよく相談をしていけば、まず問題はありませんので、必ず自己破産に強い弁護士に相談されることをおすすめいたします。
日程をずらしてもらう
もし、管財人から自宅訪問をしたいという打診があった場合、原則としては、それを拒否することができません。
自己破産で管財事件となった場合、管財人の業務を拒否する行為は、説明及び検査の拒絶等の罪(法第268条第1項、第2項)となり、また免責不許可事由(法第252第1項第11号)に該当してしまう恐れがあるからです。
無理に自宅訪問を断ろうとしたら、それこそ、自己破産の手続き自体が難しくなってしまうリスクがあるので、気をつけて下さい。
管財人に対しては、あくまでも全面的に協力していくことが自己破産の手続きをスムーズに進めていくポイントになります。
ただ、日程に関しては、調整が可能なので、弁護士を通じて、家族がいないタイミングに来てもらうようにお願いすれば良いでしょう。
自己破産以外の方法で解決できないか検討する
自己破産は、すべての借金が免責されるという点では、メリットが大きいですが、一定以上の財産を手放す必要があるなど、厳しい条件を突きつけられてしまうのも事実です。
そのため、借金の状況によっては、任意整理や個人再生など、自己破産以外の手続きで、解決した方が良い場合もあります。
ですから、自己破産をすべきかどうかという点も含めて、あなたに一番合った借金問題の解決方法について、診断を受けてみるのも良いかと思います。
まとめ
自己破産の手続きを行って、管財事件となった場合、管財人が自宅訪問をするケースは非常に稀だと言っても良いでしょう。
しかし、だからといって、可能性がゼロという訳ではなく、条件によっては自宅訪問をされる場合もあります。
特に、財産隠しを疑われると、管財人が自宅訪問をするリスクは高まりやすくなってしまいます。
ですから、自己破産の申し立てで、資産関係の報告をする際は、管財人から変に疑われることがないよう、正直、かつ丁寧に報告をしていくことを心がけていきましょう。
また、中には、担当した管財事件では、全て自宅訪問をしているという方針を持っているという管財人もいます。
ですから、管財事件になってしまった場合は、不測の事態が起こらないよう、また、万が一、そういった事態が起こってしまったも対処できるよう、事前に弁護士に相談されることをおすすめいたします。