※この記事にはプロモーションが含まれています。

自己破産をする際、光熱費(公共料金)の滞納があると無事に免責はされるのでしょうか?

また免責がされた場合、水道、電気、ガスは止められてしまうのか心配する方もいらしゃいます。

ここでは、光熱費で滞納がある状態で自己破産をする場合の注意点について解説をしていきます。

この記事を書いた人

 

借金問題専門家 タケシ

以前、325万円の借金を任意整理を行なって完済した体験を持つ借金問題の専門ライターです。
借金問題や債務整理に関するコンテンツは、既に1,500記事以上、執筆しています。

光熱費の滞納分が免責になる範囲

自己破産の手続きをする際に、光熱費で滞納分がある場合は、それも必ず債務として申告しなければなりません。

そして、自己破産の手続きを行なった場合、免責がされるかどうかは以下のように区分けされます。

  • 自己破産の申し立てをした日の前月までの滞納分:破産債権となり免責対象
  • 自己破産を申し立てた月以降の滞納分:財産債権となり免責対象外

(※財団債権は、破産法第2条第7項で、破産手続によらないで破産財団から随時弁済を受けることができると定められた債権です。)

つまり、自己破産前の光熱費の滞納分であれば、免責はきちんとされるということになります。

水道料金は免責と非免責に分かれる

自己破産の申し立て前の光熱費の滞納分は自己破産をすることによって免責がされますが、水道料金だけは以下のように対応が異なります。

  • 上水道料金:ほとんどは免責の対象となる
  • 下水道料金:免責の対象外

光熱費の中でも、下水道料金だけは、破産法253条1項で、税金、健康保険料、年金と同じように租税等の請求権となって非免責債権とされているのです。

滞納分を免責にすると止められる?

滞納していた光熱費(公共料金)を免責すると、ガス、水道、電気が止められてしまうのではないかと心配する方がいるかもしれません。

しかし、ガス、水道、電気などの公共料金は、破産法第55条での継続的給付の義務を負う双務契約と見なされているので、滞納分が免責になっても、契約を解除されることはありません

破産法 第55条

第1項 破産者に対して継続的給付の義務を負う双務契約の相手方は,破産手続開始の申立て前の給付に係る破産債権について弁済がないことを理由としては,破産手続開始後は,その義務の履行を拒むことができない。

つまり、自己破産をしたからといって、ライフラインがストップすることは原則としてないということになります。

自己破産の開始決定がされるまでの注意点

ただ、破産法第55条では一点気を付けなければならないことがあります。

それは、ライフラインをストップできないのは、破産手続開始後であるということです。

自己破産の弁護士に依頼をして、申立てを行ない、破産手続きが開始するまでは3ヶ月ぐらい掛かります。

ですから、それまでに電気、ガス、水道が止められてしまう可能性は出て来るのです。

一般的に電気代、ガス代は3ヶ月、水道料金は6ヶ月滞納が続くと、止められてしまうと言われています。

自己破産前の公共料金の支払いは偏頗弁済!?

そこで、その段階で止められてしまうのを防ぐために、自己破産の開始決定がされる前に滞納分を支払うという方法もあります。

しかし、ここで問題になるのは、滞納していた額によっては、自己破産直前の偏頗弁済を見なされてしまう可能性があるという点です。

ただ、光熱費など生活に必要な公共料金である場合は、一般的に偏頗弁済だと見なされないケースが多いようです。

また、事情を説明すれば、裁判所から考慮してもらって裁量免責をされる可能性は高いと言えます。

しかし、ここら辺はケースバイケースの話になるので、必ず弁護士に相談しながら対応するようにして下さい。

自己破産で光熱費の領収証は必要?

最後に、手続き上の話を少ししておくと、自己破産をする時は、家計収支表(家計簿)の提出が必要となります。

その時に、光熱費の領収書を求められる時があるのですが、中には領収書を捨ててしまったという方もいらっしゃいますよね!?

この場合、弁護士の見解をまとめてみると、

  • 通帳からの引き落としで確認できる場合は領収書なしでもOK
  • ネットでの明細でもOK
  • 光熱費を管轄している会社から再発行してもらう
  • どうしても難しければ自己破産の手続きを1~2ヶ月ずらして調整する

という対処法がありますので、この点に関しても、弁護士と相談をしながら、進めていくと良いでしょう。

takeshi1

基本的に光熱費を滞納した段階で、自己破産をしても問題はありませんが、開始手続きがズレ込むと問題が起こる可能性もあるので、気を付けるようにして下さい。