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先日、ネットを見ていると奨学金で700万円を抱えている彼女からプロポーズされたという人の話を見つけました。結局、その人は別れることになったとのことですが、こういうケースで、逆に結婚を選択するという方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、そこで結婚をした場合、そのカップルにはどういった人生が待ち受けているのでしょうか?この記事では、その場合に起こり得ることや、具体的にどういった選択をしていくべきなのかという点について解説していきます。
奨学金で700万ある彼女と結婚すると?
700万円の奨学金を抱えている彼女がどのように返済するか考える場合、大きく分けると以下の3つの方法があります。
- 予定通りのスケジュールで返済をしていく
- がんばって繰り上げ返済をしていく
- 債務整理をしていく
このような方法で返済をしていくのは、実際のところ、どうなのか、具体的に解説をしていきます。
一般的な方法で返済する場合
まずは、一般的な方法で奨学金を返済する場合です。このケースだと、どうなるのか、日本学生支援機構が運営している奨学金貸与・返還シミュレーションを使って、シミュレーションをしていきます。
条件は以下のように設定してみました。
- 貸与総額:700万円
- 貸与利率:0.369%
- 機関保証制度:利用しない
すると、
- 月々の返済期間:30,312円(最終月:30,539円)
- 返済期間:20年(340回)
- 返還総額:7,275,107 円
という結果が出てきます。月々の返済額は約3万円ということで、それほど高くはないように見えるかもしれません。しかし、それを20年間も続ける必要があります。
結婚をした場合、まず結婚費用だけで200~300万円の費用がかかります。そして、奥さんが妊娠をして仕事ができなくなると収入が激減します。さらに子供を育てるためには、一人あたり、1,000万円の費用がかかってきます。
そうやって経済的な負担が増える中で、毎月3万円を20年間払い続けるのは、かなり大変だと言えますよね。そう考えるとそれだけで結婚する気持ちが失せてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
繰り上げ返済をすると何年で返済できる?
それでは、結婚する前に一気に700万円の奨学金を返済しようと考えて、繰り上げ返済をしていく場合にはどうなるのかという点についても考えていきましょう。
返済総額と金利は同じ条件で、返済期間を短くした場合、月々の返済額はどうなるかをまとめると以下のようになります。
返済期間 | 月々の返済額 | 総支払額 |
---|---|---|
3年 | 195,552円 | 704万円 |
5年 | 117,764円 | 706万円 |
10年 | 59,425円 | 713万円 |
このように700万円の奨学金を短期間で返済しようとした場合、月々の返済額を10万円~20万円の範囲で払わないといけないことがお分かりいただけるかと思います。
もちろん、700万円の奨学金を抱えている彼女に対しては、結婚前にできるだけ返済をしてもらうようにお願いをしたいと思うのは当然の気持ちでしょう。ただ、実際にそういったお願いをすると、相手はかなりの負担を強いられてしまうことになるんですね。
債務整理をするとどうなる?
このように、700万円の奨学金を自力で返済しようとした場合、月々の返済額が3万円程度でも、それを20年間続けていくか、あるいは返済期間を3年~5年に短くする代わりに月々の返済額を10~20万円に引き上げるかという究極の選択を迫られることになります。
そこで、一つの選択肢として浮上してくるのが700万円の借金を債務整理で解決するというやり方です。債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産の3つの手続きがあります。
ただ、この中で任意整理は、将来利息をカットして残債を3年~5年で分割返済するという手続きなので、もともと金利が低く、長期間での分割返済が認められている奨学金では不向きです。
次に個人再生をした場合ですが、この場合は、借金を約5分の1に減額することも可能なので、700万円の奨学金では、最低弁済額を140万円にすることもできます。これを原則として3年間(36ヶ月)で返済していくことになるので、月々の返済額は38,889円になります。
ただ、ここで気を付けなければならないのは、もし、奨学金で親などの親族が連帯保証人になっている場合、せっかく個人再生で弁済額が減額できたとしても、減額した分はすべて連帯保証人に請求されてしまうということです。その一方で、機関保証を利用していれば問題はありません。
>>奨学金が機関保証であれば自己破産や個人再生でのメリット大?
これは自己破産でも同様のことが言えます。自己破産では原則としてすべての借金を免責してもらうことも可能ですが、その代わり、連帯保証人を立てている場合、奨学金の返済が免責された分は、すべて連帯保証人に請求されることになります。
そのため、奨学金を債務整理すべきかどうかは、法律の専門家に相談しながら、一度、シミュレーショされることをおすすめいたします。
まとめ
彼女に奨学金で700万円の返済が残っている場合、もし、結婚をしたら基本的には毎月、約3万円を20年間、支払い続けていくことになります。あるいは、子供ができる前に二人で集中して働き、毎月10万~20万円の金額を返済し、3年~5年で完済してしまうという方法もあります。
あるいは債務整理を行なって一気に、700万円の奨学金を減額あるいは免責をしてもらうというやり方もありますが、この場合は、親や親族が連帯保証人になっていると難しいので、弁護士などによく相談されることをおすすめいたします。
愛の力があれば乗り越えていけると思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、700万円の奨学金の問題を解決していくことは簡単ではないので、そういった現実は事前に把握していく必要があります。厳しい言い方をすれば、結婚を諦め、彼女とは別れるという選択をするというのも一つの方法なのかもしれません。
ですから、彼女が700万円の奨学金を抱えている時は、彼女ともよく話をして、また場合によっては弁護士ともよく相談をしながら検討するようにしてください。
彼女に700万円の奨学金が残っている場合は、将来的に想定外の重荷になってしまう可能性がなきにしもあらずなので、あらゆるリスクを想定しながら、最終的な方向性を決めていくようにしてくださいね。