※この記事にはプロモーションが含まれています。

個人再生を行なう場合、特定の条件を満たしていると、基本的に車は引き上げられてしまいます。

今まで車を愛用していた人は、引き上げ時期がいつなのか、気になるかと思います。

また、できれば車の引上げは拒否したいところですが、そういったことは可能なのでしょうか?

そこで、ここでは、実際、個人再生での車の引き上げ時期や車の引き上げを拒否したい場合の対処法について、解説をしていきます。

この記事を書いた人

 

借金問題専門家 タケシ

以前、325万円の借金を任意整理を行なって完済した体験を持つ借金問題の専門ライターです。
借金問題や債務整理に関するコンテンツは、既に1,500記事以上、執筆しています。

車の引き上げ時期はいつ?

タイミングは受任通知から約1ヶ月後

個人再生の依頼をすると、弁護士や司法書士から債権者に対して、受任通知が送られます。

その段階で、車のローン会社から車をどうするか弁護士や司法書士に連絡が入ります。

そこで自動車ローンを整理することになれば、受任通知のタイミングから1ヶ月ぐらいで引き上げという話になります。

引用先:個人再生の車の引上げについての弁護士に見解

引き上げ時期に関しては信販会社などから依頼を受けた代行の業者が車を取りに来ます。

その際、同意書にサインをすれば、そこで車の引き上げが完了します。

ですから、個人再生を依頼する方は、こういった車の引き上げ時期も考慮しながら、スケジュールを決めるようにして下さい。

銀行のカーローンの場合は引上げ時期はいつ?

もし、銀行のカーローンを組んでいた場合、車に担保権が設定されておらず、所有権は既にあなたにある可能性が高いです

その場合は、ローンの返済が残っていても、銀行から車が引き上げれられることはありません。

>>個人再生で車を残せる条件とは?残す方法はある?

車の引き上げを拒否することは可能?

ただ、個人再生をする人の中には、仕事の関係などで、どうしても車の引き上げを拒否したいという方もいらっしゃるかと思います。

そういった場合、例外的に車を残す方法はいくつかありますので、ご紹介します。

残債を一括で返済する

車のローンの残債を一括返済すれば、所有権は買主(あなた)に引き渡されるため、車を引き上げを拒否することができます

ただ、ここで気を付けなければならないのは、個人再生前に特定に債権者に対して優先的に返済をすることが偏頗弁済と見なされる可能性があるということです。

個人再生で偏頗弁済だと見なされた場合、そこで返済した金額が清算価値に加算されて、最終的に返済する金額が増えてしまいます。

また、悪質な偏頗弁済だと見なされた場合は、再生計画案が却下されるリスクも発生するので、弁護士に相談しながら慎重に進める必要があります。

親族などに一括で残債を払ってもらう

もし、親族など身内の人が、一括でローンの残債を払ってくれれば、それによって車の引き上げを拒否することも可能です。

この場合は、あなたが支払う訳ではないので、偏頗弁済には該当しません。

そこで、親族は立替をして払ったということになり、そのお金を債務者であるあなたに対して払うよう求める権利が発生します。

ただ、債権者平等の原則により、債務者が個人再生の手続きを行った場合は、親族が立替をしてくれた分の求償権も他の借金と同じように減額されます

ですから、親族の方にはそのことを事前によく説明しておく必要がありますね。

■車の名義変更は可能?

個人再生を行った歳に、車の名義を変更すれば、引上げを免れることができるではないかと考える方もいらっしゃいます。

ただ、所有権留保の特約を付いている場合、ローン会社は契約途中での契約者の変更を原則として認めていないので、名義変更自体が難しいと考えた方が良いでしょう。

>>個人再生前の車の名義変更はおすすめできない理由

別途権協定を結ぶ

通常、個人再生を行なう場合は、住宅ローン以外のすべての債権が整理の対象となります。

ただ、仕事などの関係で、絶対に車を残したい事情がある場合は、別途権協定を債権者と結ぶという方法もあります。

これは、事前に裁判所へ上申書を提出して、車を共益債権(仕事や事業の継続に必要な債権)として認めてもらうというやり方です。

この協定を結ぶことができれば、残債を分割で支払う代わりに、車を残すことが可能となってきます。

ただし、別途権協定は、裁判所や他の債権者の同意を得ることが必要です。

また、場合によっては個人再生の手続き全体の状況がまずくなる可能性もあるので、慎重に進めて下さい。

担保消滅請求を行なう

もし、債権者との交渉がうまく行かない場合は、担保消滅請求という形で裁判所(地方裁判所)に申立てを行なうやり方があります。

通常、ディーラー(信販会社)を通じて自動車のローンを組んでいる場合は 所有権留保契約が結ばれていて、車が担保になっており、返済中はローン会社に所有権があります。

そのため、ローンを債務整理の対象にすると、所有権を持つローン会社に車を引き上げられてしまうのです。

しかし、車が事業の継続に必要と認められた場合は、車の財産価格に相当する金額を裁判所に対して支払うことによって、財産の担保権(抵当権)を抹消してもらうことができます。

ただ、この場合は、まとまったお金を裁判所に納付する必要があるので、個人再生をする人にとってはハードルが高くなってしまいます。

>>個人再生に強いおすすめ弁護士事務所

まとめ

個人再生の手続きを行う際、車のローンが残っていて、かつディーラーなど信販会社のローンである場合、受任通知が送られてから1ヶ月ぐらいのタイミングで車が引き上げられる可能性は高くなります。

引上げを拒否するには、本人もしくは親族が残債を一括返済したり、別途権協定を結んだり、あるいは担保消滅請求を行なったりする方法があります。

takeshi1

このように個人再生で車の引き上げを拒否したい場合は、いくつかの方法がありますが、注意点もいろいろあるので、より確実に手続きを進めるためにも、弁護士や司法書士とよく相談しながら進めるようにして下さい。