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もし、個人再生をすることになった場合、配偶者の通帳も調べられるのでしょうか?実際、通帳は個人情報の中でも特に重要な情報なので可能であればチェックされたくないものですよね。また、夫婦関係が良ければまだ許してもらえるかもしれませんが、関係が悪いとどんな嫌味を言われるかたまったものではありません。
そこで、この記事では配偶者の通帳が調べられるのかどうか、また通帳の提出を求められるとしたら、どういったケースかという点について解説をしていきます。
目次
個人再生では配偶者の通帳も調べられる?
個人再生の手続きをする際、配偶者の通帳も提出を求められて中身をチェックされるというのは本当に嫌ですよね。ただ、夫婦の一方が個人再生の手続きを行なう場合、配偶者の通帳が提出を求められることは原則としてありません。個人再生として調べられるのは、債務者本人の借金や財産が中心となるからです。
ただ、債務者と生計を同一としている場合は、その配偶者が夫や妻に対して協力をしていく必要は出てきます。配偶者が関係する書類としては以下のものがあります。
- 家計収支表
- 配偶者の収入を証明するもの(源泉徴収票、給与明細、確定申告書、公的年金受給証明書など)
配偶者が専業主婦(主夫)であれば、家計収支表の作成にだけ協力すれば良いでしょう。しかし、何らかの形で仕事を行なっている場合は、収入を証明する書類を提出する必要があるのでご注意ください。
配偶者の通帳の提出が求められる時とは?
ただ、以下のような4つのケースでは配偶者の通帳が求められる場合があります。
- 収入の一部が配偶者の通帳に入っている時
- 夫と妻との間でお金のやり取りがある場合
- 光熱費の引き落とし用の通帳になっている
- 債務者の収入が配偶者の借金返済に使われていた場合
それぞれのパターンについて解説していきますね。
収入の一部が配偶者の通帳に入っている時
個人再生を行なう夫または妻の収入の一部が配偶者の通帳に入っている場合は、配偶者の通帳を求めらる場合があります。そういったお金は配偶者のものではなく、債務者本人のものと見なさなけれる可能性が高いからです。
夫と妻との間でお金のやり取りがある場合
夫と妻との間で大きなお金のやり取りがある場合も、配偶者の通帳を求められる可能性は高いです。個人再生では弁済額を5分の1に減額することも可能ですが、もし、債務者が預貯金や財産を持っている場合は、それらのものを換価した金額を清算価値とみなし、弁済額よりも清算価値の方が高い場合は、弁済額を清算価値に合わせる必要があります。
そのため、清算価値が増えるのを避けるため、個人再生の手続きを行なう人は、自分の持ってるお金を配偶者名義に変えたり、配偶者の口座にお金を移したりするケースがあるんですね。ただそれは財産隠しに該当し、悪質だと見なされた場合は、個人再生の申し立てが棄却・却下される可能性が出てきます。
夫と妻との間で大きなお金のやり取りがある場合は、財産隠しが疑われてしまうので、その場合は配偶者の通帳を提出する必要が出てくるのです。
光熱費の引き落とし用の通帳になっている
もし、配偶者の口座から電気代、水道代、ガス代などの光熱費が支払われている場合も配偶者の通帳の提出を求められる可能性は高いでしょう。
個人再生の手続きでは、債務者がどんなお金の使い方をしているのかが徹底的に調べられます。しかし、そこで生活費における重要な支出が配偶者の口座がから引き落とされていたら、どうやってお金を使っているのか分からなくなってしまうからです。
債務者の収入が配偶者の借金返済に使われていた場合
もし、配偶者にも借金があり、債務者の収入の一部が配偶者の借金の返済のために流れていたら、その場合も配偶者の通帳の提出が求められるでしょう。個人再生では、債務者が再生計画案を作成し、原則として3年間で弁済をしていけることを裁判所に説明をする必要があります。
しかし、そこで、もし債務者が配偶者の借金に対しても支払いを行なっていれば、再生計画案通りに弁済ができないのではと疑われてしまいます。そのため、配偶者の借金があっため問題はないことを説明するためにも配偶者の通帳を提出する必要が出てくる場合があるのです。
ちなみに個人再生を行なった場合、配偶者の貯金がどうなるか、また通帳の中に入っている貯金の金額が個人再生の手続きに影響を与えるかどうかは以下の記事で詳しく解説しています。
個人再生をすると妻の貯金はどうなる?金額が大きいと影響が出る?
まとめ
個人再生では配偶者の通帳の提出を求められたり、調べられたりすることは原則としてはありません。ただ、これはあくまでも原則的な話であって例外的なケースもあります。債務者本人のお金や生活費が配偶者の通帳と関係があると思われたら、提出を求められ、調べられる可能性があることも事前に理解しておいた方が良いでしょう。
ただ、実際にどうなるかは個人再生の手続きを行なう人の状況によっても変わってきます。ですから、配偶者にどれくらい迷惑がかかってしまうかを知りたい方は早めに個人再生に強い弁護士に相談されることをおすすめいたします。
個人再生を円滑に進めていくためにも弁護士だけでなく配偶者の方にもよく相談して前向きに協力してもらえるようになることを願っています。