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自己破産の手続きを弁護士や司法書士に依頼する場合、どうしても気になってしまうのがやはり費用ですよね。
実際、弁護士や司法書士を通じて、自己破産の手続きを行うと、その費用だけで数十万円掛かってしまいます。
ですから、弁護士を通さず、自分で自己破産の手続きを行いたい方もいらっしゃるかと思います。
そこで、ここでは、自分一人で手続きを行う場合の方法と、注意点について解説をしていきます。
目次
自己破産を自分でやる場合の手続きの流れ
自分で自己破産を行う場合、準備すべき書類、また手続きの流れは以下のようになります。
管轄の裁判所の確認
自己破産の手続きは、管轄の地方裁判所を通じて行うようになります。
必要書類や手続きの流れは裁判所によっても異なる場合があります。
ですから、自己破産を自分で行う場合は、必ず、管轄の裁判所を通じて確認を行うようにして下さい。
準備すべき書類
自己破産で必要な書類には以下のものがあります。
- 破産手続き開始及び免責申立書
- 市県民税証明書
- 源泉徴収票か課税所得証明書(過去1年分)
- 住民票
- 債権者宛封筒
- ご自身宛封筒(4通)
- 債権者一覧表と根拠となる資料
- 資産目録とその根拠となる資料
- 預金通帳のコピー(過去1~2年分)
- 家計全体の状況(2ヶ月分)
- 陳述書(破産に到った経緯を説明する書類)
- 戸籍謄本
これ以外にも、条件によって必要となってくる書類があります。
- 賃貸契約書の写し(賃貸の場合)
- 不動産の登記事項証明書(不動産を所有している場合)
- 退職金を証明する書類(今の会社に5年以上勤務している場合)
- 自動車の査定書&車検証の写し(車を保有している場合)
- 保険証券(保険に加入している場合)
- 解約返戻金の有無が分かる書類(積立型の保険を契約している場合)
- 年金証明書(年金をもらっている場合)
- 財産分与(相続)明細書(財産の受取や相続がある場合)
- 公的扶助の受給証明書(生活保護などを受給している場合)
自己破産を自分で行う場合、揃えるべき書類の多さが難関になってくるかと思います。
自己破産の手続きの流れ
自己破産の手続きの流れは、簡単に書くと以下のようになります。
- 書類の準備
- 自己破産の申立て・裁判官との面談
- 破産審尋(申立てから約1か月後)を行い、同時廃止か管財事件にするかが判断される
- 破産手続き開始決定
- 所有財産がなければ同時廃止決定
- 免責審尋
- 免責許可決定
- 免責許可決定の確定
大抵の場合は、同時廃止決定となりますが、同時廃止であれば、手続きは意外に簡単にできますので、自分で行うこともそれほど難しくはないでしょう。
ただ、一定以上の財産がある場合や免責不許可事由に該当する場合は、管財事件となります。
管財事件になれば、債権者集会が開かれた後、免責許可決定・免責許可決定の確定という流れになります。
管財時間は、手続きが複雑になりますが、自分でやる場合は費用面の問題も発生するので、その点に関しては後述していきます。
自己破産の費用
自己破産を自分で行う場合は、裁判手続きに必要な費用が以下のように掛かります。
- 予納金:約1万円
- 収入印紙(申立手数料):1,500円分
- 郵便切手:82円切手を債権者の数 X 2 +5枚
ただし、管財事件となった場合は、50万円以上の予納金を支払うことになります。
自己破産を自分で行う場合の注意点
自己破産の手続きは自分でもできない訳ではありません。
また、自分で行うことができれば、弁護士費用や司法書士費用を節約できるという大きなメリットがあります。
ただ、その一方で、以下のようなデメリットがあることを事前に押さえておく必要があります。
取り立てが止まらない
弁護士や司法書士に自己破産の手続きを依頼すると、債権者に受任通知が送られて、債権者からの取り立てがストップします。
しかし、自分で自己破産の手続きを行う場合は、取り立ては止まりませんし、債権者からより厳しい追及を受けることになってしまいます。
時間が掛かる
自己破産の手続きをする際に提出する書類は、かなり多いです。
そして、書類の不備があると、裁判所に書類を提出した際に、訂正を求められて、その分、時間が掛かってしまいます。
また、東京地裁では、即日面接制度というものがあり、弁護士を通じて、破産の申立てを行うことによって、早ければ即日で、破産手続きの開始決定が行われます。
通常は、破産の申立てから破産手続き開始決定まで約1ヶ月かかるので、その期間をカットすることができるのです。
しかし、自分で手続きを行った場合は、こういった制度を利用することができません。
裁判所に何度か出向く必要がある
自分で自己破産の手続きを行う場合は、
- 破産の申し立て
- 破産審尋
- 免責審尋
の時などに裁判所に出向く必要があります。
裁判所は平日の日中しか行っていないので、会社で仕事をしている人は、その都度、有休を申請しなければならなくなってしまいます。
少額管財手続きができない
自分で自己破産の手続きを行う場合、同時廃止であれば、追加費用が発生しないので、問題はないかと思います。
ただ、管財事件になった場合、50万円以上の予納金を支払う必要があります。
しかし、弁護士を通じて自己破産の手続きを行った場合、少額管財という形で、予納金を20万円~に抑えることが可能となります。
(東京地裁では、少額管財と呼びますが、他の地方裁判所では呼び名が変わる場合があります)
そうすると、自分で自己破産の手続きを行うより30万円の費用を節約できるということになります。
本当は自己破産以外の手続きで解決できる場合も
借金の返済が厳しいと、自己破産しかないと思ってしまいがちですが、実際に借入れの状況によっては過払い金が発生している場合もありますし、債権者との交渉次第では、自己破産以外の手続きで借金問題を解決できる可能性があります。
弁護士や司法書士に相談すれば、どういった債務整理の手続きが良いのか、自己破産以外の手続きも含めて、検討をしてアドバイスをしてもらえます。
ですから、自分で手続きを行うよりも、遥かに効率的に借金問題を解決できる確率は高くなるのです。
法テラスを通じて自己破産を行うという方法も
もし、自己破産の費用が心配だというのであれば、法テラスを通じて自己破産の手続きを行うという方法もあります。
法テラスは、無料で相談ができるだけでなく、弁護士費用を立て替えてもらって分割払いにしてもらうことも可能だからです。
法テラスを利用するには、収入が一定基準以下である必要がありますが、収入が低い方にとっては法テラスは有効な手段だと言えるでしょう。
まとめ
自己破産の手続きは、一定以上の財産を持たず、書類も何とか揃えることができれば、同時廃止という形で、比較的にスムーズに手続きを行うことができるでしょう。
ただ、裁判所に何度か出向く必要があるなど、手続きは面倒となりますし、管財事件になった場合は、弁護士に依頼する時と費用がほとんど変わらないケースも出て来ます。
ですから、もし、スムーズに手続きを行いたいのでれば、弁護士や司法書士に依頼されることをお勧めいたします。
自己破産を覚悟していても、実際は、自己破産以外の手続きで解決できる可能性もあるので、まずは弁護士や司法書士に相談してから、自分でやるべきか最終的に判断しても良いかと思います。