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借金の返済ができず、取り立てで悩んでいる人の中には、引っ越しをすれば、債権者からの連絡をかわせるのではないかと考える方もいらっしゃいます。
しかし、引っ越しをしても、住民票を異動したら、債権者に居場所がバレてしまうってご存知でしょうか。
ここでは、その理由と、借金の取り立てを何とか終わらせたい時の対処法についてお伝えしていきます。
目次
借金問題で住民票を異動してもバレる理由
結論からお伝えすると、借金の取り立てから逃げるために、引っ越しをして、住民票を異動させても、まったく意味がありません。
借金の取り立てで住所不明になったら
では、もし、債務者が引っ越しをして、住所不明になった場合、銀行や消費者金融など、取り立てを行っている債権者は、あなたの居場所を追跡するために、住民票をチェックします。
住民票を閲覧・取得できるのは、あなたや同居者だけだと思われるかもしれませんが、実は、そうではありません。
債権者という第三者でも住民票を閲覧・取得することは可能だからです。
具体的には、住民基本台帳法第12条の3第1項に、そういった手続きができる根拠が記載されています。
市町村長は、前二条の規定によるもののほか、当該市町村が備える住民基本台帳について、次に掲げる者から、住民票の写しで基礎証明事項(第7条第一号から第三号まで及び第六号から第八号までに掲げる事項をいう。
以下この項及び第7項において同じ。)のみが表示されたもの又は住民票記載事項証明書で基礎証明事項に関するものが必要である旨の申出があり、かつ、当該申出を相当と認めるときは、当該申出をする者に当該住民票の写し又は住民票記載事項証明書を交付することができる。
一 自己の権利を行使し、又は自己の義務を履行するために住民票の記載事項を確認する必要がある者
二 国又は地方公共団体の機関に提出する必要がある者
三 前二号に掲げる者のほか、住民票の記載事項を利用する正当な理由がある者
銀行や消費者金融などの債権者は、この中の、自己の権利を行使し、又は自己の義務を履行するために住民票の記載事項を確認する必要がある者に該当します。
住民票の第三者請求を拒否することはできない?
そういった話を聞くと、住民票の第三者請求を拒否することができないものかと思う方がいらっしゃるかもしれません。
一応、平成30年頃から、自治体によっては、第三者請求があった場合に、その内容を通知してもらえる本人通知制度が導入されたところも出てきました。
ただ、そこで、対応が可能なのは、通知までで、交付を拒否してもらうこと自体はできないのです。
引っ越しすると取り立てがきつくなるリスクも
実は、引っ越しをして、借金の取り立てから逃げようとすると、住民票を通じて、引っ越し先の住所がバレてしまうだけではありません。
引っ越しをすると、逆に取り立てが激しくなるリスクが発生します。
その理由は、引っ越しをしたことが分かると、債権者は「この人は、引っ越しをするほど、金銭的な余裕があるんだな。」と判断してしまうからです。
引っ越しをするぐらいのお金があるんなら、借金返せよという話に当然なりますよね。
ですから、取り立てがエスカレートしないようにするためには、下手に動かない方がむしろ良いのです。
住民票を異動させない場合のデメリット
住民票を異動させれば、債権者が住民票を閲覧・取得して、引っ越し先の居場所がバレてしまうという話を聞くと、
「だったら、住民票を異動させなければ良いのではないか」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
実は、この発想は夜逃げと同じです。
夜逃げをした場合のリスクについては、以下の記事で詳しく解説しています。
>>夜逃げの追跡方法とかわし方!住民票抹消や時効の問題まで徹底解説
実際、住民票を異動させない場合、
- 免許の取得や更新ができなくなる(案内が旧住所に行くため)
- 新住所で選挙権を行使できない
- 図書館やスポーツ施設などの公共施設が利用できなかったり、有料になってしまったりする
- 新しい住所での福祉サービスを受けられなくなる
- 新しい銀行口座やクレジットカードを作ることができない
- 再度、新しい場所に引っ越しをすることができない
- 確定申告を旧住所で行わなければならない
- パスポートが取得できない
- 印鑑登録の証明書類が旧住所になってしまう
- 会社に迷惑が掛かってしまう(住民税の支払いで混乱が生じてしまうため)
- 健康保険や年金関連の郵送物や住民税の納付書など、公的機関からの通知が届かなくなる
- 児童手当や介護保険の受給が面倒になる
など、いろいろ面倒なことが起こってしまいます。
また、そもそも住民票の異動は、住民基本台帳法の法律で定められた義務です。
そのため、原則として引っ越しをしてから、14日以内に住民票を異動しなければなりませんし、放置しておくと、最大で5万円の過料が課せられる場合もあります。
このことは、総務省の公式サイトでも明記されているので、ご注意ください。
住民票でバレたらやるべきこと
もし、せっかく引っ越しをしたのに、住民票をチェックされて、新しい住所に取り立ての連絡が来た場合はどうすれば良いのでしょうか。
消滅時効を迎えていれば時効の援用の手続きを
銀行や消費者金融から、借金をしている場合は、5年を過ぎると時効が消滅します。
ただ、5年とはなっていても、以下のような条件が満たされると、時効の期間は簡単にリセットされてしまいます。
- 確定判決が出た場合
- 強制執行や担保権の実行の手続きがされた場合
- 債務者が債務を承認した場合
結局、債権者がその気になれば、時効の中断は、すぐにできてしまうので、時効を迎えて借金を踏み倒せることを安易に考えてはいけないのです。
また、時効の期間を迎えるまで、逃げようとすると、その間、遅延損害金が増え続け、もし、時効が中断されてしまった場合、以前よりさらに重たい借金の負担がのしかかってきます。
しかし、たまたま運良く、5年の期間が過ぎていた場合は、時効の援用手続きを行うことによって、借金の返済義務を回避することができます。
ただ、その場合も自分で手続をすると、うまくできない場合もあるので、弁護士や司法書士に依頼するのが良いでしょう。
債務整理で借金の負担を減らせないか検討してみる
もし、時効を迎えるまで、まだ時間が残っている場合、下手に引っ越しをして、取り立てをかわそうと思っても、新しい住所はすぐにバレてしまいますし、引っ越し代が無駄になるだけです。
ですから、そんな時は、弁護士や司法書士を通じて、債務整理の手続を行ない、借金の負担を減らす手続きを行うのも一つの有効な方法です。
債務整理の手続きの依頼をすると、借金の状況に応じて、
- 任意整理:弁護士や司法書士が、債権者に対して、将来的に掛かる利息をカットして、残債を3年~5年で分割返済できるように和解できないか任意の交渉を行っていく
- 個人再生:住宅ローン以外の借金を約5分の1に減額し、残債を原則3年で分割返済していく
- 自己破産:原則として、すべての借金を免責にしてもらう
などの手続きを行なっていくようになります。
債務整理の良いところは、借金の負担を減らせるという点も、もちろんありますが、債務整理の手続きを正式に開始すると、債権者からの取り立ての連絡がストップするというメリットもあります。
ですから、新しい住所がバレるのを恐れて、ビクビクしているよりも、弁護士や司法書士に相談をしてしまった方が、精神的には遥かに楽だと言えるでしょう。
また、実際に、借金の負担をどれくらい減らせるかは、以下のサービスを使えば、簡単にチェックすることができます。
まとめ
借金の取り立てから逃げるために引っ越しをしても、新しい住所は、実は簡単にバレてしまいます。
銀行や消費者金融は、合法的な手続きで、住民票を閲覧・取得して、あなたの新しい住所を見つけ出し、取り立てを再開することができるからです。
さらに、もし、引っ越しをしたことが分かったら、お金に余裕があると思われて、余計、取り立てが厳しくなってしまう可能性もあります。
かといって、引っ越しをした後、住民票を異動させなければ、様々な不都合が生じます。
ですから、下手に逃げるのではなく、別の方法を考える方が良いでしょう。
もし、時効の期間が過ぎていれば、時効の援用をするのが良いですが、その期間を迎えていない場合、債権者がその気になれば、時効は簡単に中断させられてしまいます。
ですから、そういった場合は、弁護士や司法書士を通じて債務整理を行い、借金の負担を軽くすることも一つの方法です。
債務整理の依頼をすれば、債権者からの取り立てもピタリと止まり、精神的にも楽になるので、そういった観点からも、弁護士や司法書士には早めに相談されることをお勧めします。