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借金が返済できず、生活保護を受けるようになった場合、それまでの借金は放置しても大丈夫なのでしょうか?
ただ、それ以前に借金があっても生活保護を受けられるかという点も心配になるところですよね。
そこで、ここでは、生活保護を検討中の方が、借金問題をどのように処理していければ良いのか分かりやすく解説していきます。
目次
借金の放置はダメ!
まず、結論から言うと、生活保護を受ける場合でも、借金を放置するべきではありません。
なぜなら、借金を放置していると、生活保護を受けている間でも、遅延損害金が追加され、返済額は、さらに膨れ上がっていくからです。
ちなみに、生活保護を受給するようになった場合、生活保護費で借金の返済をすることはできません。
その一方で、債権者側も、生活保護を受けている人に対して、取り立てを行うことも難しくなります。
たとえ債権者が取り立ての専門業者である債権回収会社であっても、状況は同じです。
ただ、もし、あなたが、一定の収入を得られるようになって生活保護から抜け出した後に悲劇が待っているんですね。
債権者は、それまで請求できなかった借金を遅延損害金と合わせて一括で請求してくるからです。
そうしたら、元の生活に逆戻りですよね。
生活保護を受けると借金が消える?
生活保護を受けると、借金が自動的に消えるのではないかと期待する方がいらっしゃいます。
しかし、生活保護を受給するようになっても、借金が消えることは決してありません。
借金の返済が猶予されることもないので、注意が必要です。
ただ、一般の方に比べて、借金を免除してもらうための手続きは、よりやりやすくなるので、その点に関しては後述していきます。
借金がある場合の流れ
では、借金があって、生活保護を検討している人は、どのような流れで手続きを進めていけば良いのでしょうか。
借金があっても生活保護は可能
借金があると生活保護の申請自体が難しいのではと思っている方もいらっしゃいます。
ただ、借金があった場合でも生活保護の受給は可能です。
生活保護を受けられる要件は、厚生労働省のHPにまとめられていますが、簡単に要約すると以下の4点です。
- 資産(預貯金、土地、家屋など)がない方
- 働くことができない方
- 年金や手当など、受けられる給付がない方
- 親族等から援助を受けられない方
この中に、借金がない人という要件は含まれていません。
生活保護制度の基本的な趣旨は、
生活保護制度は、生活に困窮する方に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的としています。
となっていますが、借金があるからといって、健康で文化的な最低限度の生活が保障されなくなることはないのです。
生活保護費で借金の返済はできない
しかし、その一方で、少し矛盾するような考え方になってしまうかもしれませんが、生活保護費で借金の返済はできません。
この点については以下の記事で詳しく説明しています。
>>生活保護費で借金返済するのは禁止されている?法的根拠は?
簡単に言ってしまうと、生活保護費を借金の返済に充てることは、最低限度の生活を保障する生活保護制度の趣旨に反するためです。
もし、生活保護費を返済に回すことがケースワーカーにバレると、それだけ生活に余裕にあると見なされ、その分をが翌月の支給額から減額されます。
さらに、悪質と判断された場合は、生活保護の資格を停止される可能性も出て来てしまいます。
生活保護の受給中は借金は返済してなくても大丈夫
実は、生活保護を受給している期間中は借金を返済しなくても大きな問題にはなりません。
なぜなら、たとえ、債権者が借金を払わない人に対して、法的措置を取り、財産の差し押さえをしようとしても、生活保護を受給している人は、そもそも財産自体がありません。
また、唯一の収入源となる生活保護費は、差し押さえの対象外です。
もちろん、債権者の中には、生活保護の期間中も取り立ての連絡をする人もいたりしますが、最終的に生活保護受給者の立場は守られるようになっているのですね。
債権者に生活保護を受けることを伝えてみる
生活保護の受給期間中は、借金を返済する必要がなかったとしても、生活保護を抜け出して社会復帰すれば、そこで、一気に返済を要求されてしまいます。
ですから、生活保護を受けるようになった場合は、その旨を債権者に伝えてみると良いでしょう。
債権者が銀行や消費者金融であれば、難しいかもしれませんが、相手が友人などであった場合、債権者が借金の請求を放棄してくれる可能性もあるからです。
しかし、一つの債権者でも借金の請求を放棄しなければ、自己破産をする必要があります。
自己破産の手続きを行う
借金を抱えている人が生活保護を申請する場合、自己破産をするよう求められます。
借金が、少額であれば、例外的に生活保護の受給期間中での返済が認められる場合もありますが、基本は自己破産です。
ただ、そこで、問題となってくるのが自己破産の費用ですよね。
一般的に自己破産の費用は、数十万円掛かってしまいます。
生活保護を検討している人に、そんな金額を支払うことはできないですよね。
ですから、そういった場合は、法テラスに依頼すれば、自己破産に掛かる弁護士費用や予納金を立て替えてもらえるだけでなく、支払いを免除してもらうことも可能だからです。
生活保護以外の選択肢について
収入がなく、借金の返済ができないと、生活保護を受けたくなる気持ちが出て来ることは、ある意味、しょうがないかもしれません。
しかし、生活保護を受けると、様々なデメリットがあるのも事実です。
生活保護を受けると、様々なことに制限が掛かります。
生活保護の受給期間中は、ケースワーカーが来て、あなたの生活についていちいちチェックされます。
そういったケースワーカーに収入や求職活動について報告をする必要があります。
また、特別な事情がない限り、自動車、バイク、不動産、宝飾品のような財産を持つことはできなくなります。
さらに、あなたの親、子供、兄弟姉妹など、3等身以内の親族には、あなたに資金援助が来ないかということを聞くために連絡が行ってしまいます。
あなたが最低限の生活を送れるということ以外、生活保護には何のデメリットもないのです。
ですから、可能であれば生活保護以外の選択肢を検討してみることをお勧めいたします。
借金が返済できない場合、自己破産という選択肢もありますが、自己破産というのは、あくまでも債務整理の手続きの中の一つです。
債務整理には、自己破産以外にも
- 任意整理:将来的な利息をカットして、月々の返済額を減らすことができる
- 個人再生:住宅ローンを守りながら、借金を約5分の1に減らすことができる
などの方法があります。
生活保護をしないのであれば、自己破産以外の債務整理を行うことも可能ですし、必要以上の制約を受けなくするようにすることも可能です。
ですから、まずは、あなたの借金をどうすれば効率的に減らすことができるか、法律の専門家に気軽に相談してみてはいかがでしょうか。
まとめ
生活保護を受ける場合でも、決して、借金を放置してはいけません。
借金を放置してしまうと、将来的に社会復帰をした際、遅延損害金もまとめて一括請求されるからです。
ただ、生活保護費で借金の返済はできないので、生活保護を受ける人は、原則として自己破産をすることになります。
財産というプラスの資産だけでなく、借金というマイナスもすべてゼロにして、人生の再出発をするのが生活保護の基本です。
どうしても難しい場合は、生活保護を受けるのが最終手段となりますが、生活保護を受けると様々な制約を受ける事になるので、最悪は、生活保護を受けること覚悟しつつ、生活保護以外での解決法がないか探してみることをお勧めいたします。