任意整理は、個人再生や自己破産のように裁判所を通さずに行えますし、債務整理の中では最も人気の高い手続きです。しかし、それでも任意整理をしなければよかったと後悔する人もいらっしゃいます。
そういった人たちの話を聞いてみると、実はすごく意外な盲点を見落としていたことがわかります。では、任意整理をしなければよかったと思っている人たちは、具体的にどんなパターンで後悔をしているのか、具体的な例をお伝えしながら、詳しく解説をしていきます。
目次
任意整理しなければよかった後悔する人達
任意整理しなければよかったと後悔している人がどんなところで、辛い思いをしているのか、様々なパターンをご紹介します。
任意整理の費用が予想以上に高かった
任意整理を弁護士や司法書士に依頼をすると、借金の負担は減りますが、その一方で、弁護士や司法書士に対する費用は発生します。ですから、事前にトータルでいくら費用が掛かるかを把握しておかないと後悔する可能性が出てきます。
例えば、こちらの方は、焦って任意整理を申し込んだので、後悔をされています。

借金の返済がギリギリだったので、任意整理の相場とか調べずに、司法書士なら安いだろうと思い込んで依頼したら、4社で費用が30万円弱掛かってしまいました。
こんなに高いんだったら、任意整理しなければよかったです。
任意整理の相場は、1社あたり5万円ぐらいですが、実際に掛かる金額は、どの弁護士や司法書士に依頼するかによって大きく異なります。当サイトでは、比較的、任意整理の費用が安い事務所を中心として紹介しているので、ご参考にして下さい。
借金の返済が辛いと、とにかく早く依頼したいと焦る気持ちも出てきますが、無料相談の段階で費用面はしっかり確認することが大切です。あと、費用自体だけでなく、分割払いも可能かどうかなど、支払い方法について、どれくらい柔軟かについても確認することをおすすめいたします。
クレジットカードが全部使えなくなった
任意整理には整理する対象を選べるというメリットがあります。そこで、特定のクレジットカードを任意整理の対象から外せば、任意整理後も問題なく使えると勘違いする方がいらっしゃるんですね。
任意整理後は、約5年間、信用情報機関に事故情報が登録され、ブラックリスト状態になります。そのため、任意整理の対象外としたクレジットカードも途上与信や更新の段階で、信用情報が照会されカードが利用停止になってしまう可能性は非常に高いです。
そのパターンにハマって後悔したのがこちらの方です。

複数のキャッシングやクレジットカードの返済が厳しかったので、任意整理をしたのですが、普段よく使っているクレジットカードは引き続き使いたかったので、任意整理の対象から外しました。
でも、任意整理の手続きをしてしばらくしてから、急に、そのクレジットカードも使えなくなってしまったのがすごくショックでした。
ですから、自分のクレジットカードを使い続けたい方は、任意整理はしない方がいいかもしれません。ただ、その一方で、家族カードやデビットカードは任意整理後も問題なく使えるので、そちらを活用するという方法もあります。
確かに、任意整理後、約5年間、クレジットカードを使えなくなるのは、辛いことかもしれません。しかし、クレジットカードが使えない期間を、逆に利用して、借金癖を無くす手段として、活用する方がいらっしゃるのも事実です。
新しいスマホに機種変更ができない
スマホなど携帯の機種変更をする場合、機種代は高額なので、分割払いにするのが基本です。しかし、任意整理後、約5年間は、分割払い(割賦)という形で機種変更をすることができません。
スマホを使っている人であれば、5年以内に、機種変更をする機会がやってくる可能性が高いでしょう。ただ、そのことを事前に認識しておかないと、以下のように、いざ携帯ショップへ行った際に気が付いて、任整整理をしなければよかったと後悔する方もいらっしゃいます。

任意整理をした後、スマホが古くなったので、機種変更をしたいと思ってドコモのショップに行ったのですが、そこで割賦契約が結べないことが分かりました。
今のスマホの調子もどんどん悪くなっていくので、かなり辛いです。
機種変更したい場合は、一括払いが原則になってしまいますが、携帯の機種代金はパソコン並みに高くなっているので、いきなり全額と言われたらキツイ方も多いでしょう。
ですから、そういった場合は、
- 事前に計画を立てて機種代金をコツコツと貯める
- 格安スマホに切り替える
- 中古のスマホを購入する
という形で対処していくことをお勧めいたします。
任意整理後の生活が辛い
任意整理をすると、借金の負担が軽くなるのも事実ですが、任意整理後の生活で地獄を味わう人もいます。任意整理では将来利息がカットされて返済負担は軽くなりますが、過払い金が発生していなければ、借金の元本自体は減りません。
また、その一方で、任意整理を行った後は、約5年間、新たな借入れができず、カードも使えなくなります。そういった中で、任意整理後の生活はそれほど楽になったと実感できず、逆に不自由さを感じる方もいらっしゃるのです。

任意整理をして確かに返済は楽になったのですが、借金が激減した訳でもなく・・・
今までは、給料日前にお金が足らなくなったり、欲しいものがあったりしたら、カードで何とかできたのに、それもできないので、かなり辛いです。
特に、借金癖があった人は、その習慣を変えなければ、任意整理後の生活が辛くて、任意整理をしなければ良かったと後悔することにもつながりかねません。
さらに、任意整理は、和解後の支払いが2回以上遅れると厳しい状況に追い込まれるリスクが発生します。
>>任意整理後の支払いの遅れは2回目以降が危ない!事務所の対応は?
実際、「こんなに辛いんだったら、自己破産をした方が良かったなあ」と後悔する人も中にはいらっしゃいます。ですから、そうならないためにも、弁護士や司法書士には事前によく相談することが大切です。
任意整理をするのが遅れて後悔するケースも
このような失敗例を見ると、「任意整理はしない方がいい」と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、その一方で、任意整理をした人たちの中には、事前に任意整理のデメリットも認識しつつ、それでも返済の負担が軽くなることに大きなメリットを感じて「任意整理してよかった」と心から実感する人も当然いらっしゃいます。
任意整理は、別に焦ってやる必要はありません。ただ、任意整理をするのが遅れて「もっと早く任意整理をしておけば良かった」と逆の意味で後悔する方がいらっしゃるのも事実です。
なぜなら、任意整理の開始が遅れると、それまでの間に、銀行や消費者金融に対して、多額の利息を払うことになりますが、そのお金は、たとえ後から任意整理をしたとしても、決して戻っては来ないからです。
ですから、まずは、無料診断を受けてみて、任意整理をした場合としない場合でどちらが後悔するか、じっくり検討してから判断してみるのも一つの考え方だと思います。
もちろん、任意整理を行なう際、この記事でご紹介した注意点を認識しておかないと思いっきり後悔する羽目になってしまうので、必ず事前にチェックするようにしておいてください。

弁護士や司法書士に無料相談をする際は、返済負担がどれくらい減るか、費用や支払い方法はどうなっているか、任意整理後の生活がどうなるかなど、後悔しないように様々な観点から検討していきましょう。