「自己破産したら、海外旅行が出来ない」という話がありますが、本当なのでしょうか?

この点に関しては、当たっている部分もありますが、誤解が含まれている部分もかなりあります。

ここでは、自己破産をした際に海外旅行が制限されるケースについて、解説をしていきます。

自己破産の手続中は海外旅行が出来ない!?

自己破産をする際に海外旅行は、簡単に言うと、管財事件で破産手続きが行なわれる期間(約半年)のみとなります。

つまり、逆の見方をすると、

  • 自己破産の手続きの前後
  • 同時廃止になった場合

は海外旅行をすることが可能となっています。

海外旅行の制限を受けるケースは稀

破産法37条には、破産者の居住に係る制限ということで、以下のように記載されています。

第三十七条 破産者は、その申立てにより裁判所の許可を得なければ、その居住地を離れることができない。

つまり、自己破産の手続きの期間中は、居住地を離れることができないので、海外旅行だけでなく、国内旅行や引っ越しも制限の対象となってしまいます

また、ここでの裁判所とは、主に破産管財人となりますが、管財事件となった場合、管財人が破産者の財産調査を行ったり、債権者集会を行ったりするという事情があるため、破産者の行動が制限されることになります。

その一方で、同時廃止では、破産管財人が選出されず、破産手続開始決定と同時に破産手続を終了するという簡単な手続きとなっているので、海外旅行が制限されることはありません。

実際、自己破産をする人の約9割が同時廃止となるので、大半の人達は海外旅行の制限を受けません。

(ただ、同時廃止になった人で海外旅行をする場合は、免責審尋期日にだけは気を付けるようにして下さい)

また、管財事件となった場合でも、”裁判所の許可を得なければ”海外旅行が出来ないだけであって、許可を得れば、海外旅行をすることは可能です

ですから、海外出張など海外へ行く機会が多い人は、事前に裁判所の許可を取れば良いですし、裁判所(破産管財人)も比較的に容易に許可を出してくれる傾向があります。

自己破産後の海外旅行について


一応、自己破産前に海外旅行をすることは可能ではあります。

ただ、債権者の人達から「そんな余裕があるなら、返済に回せよ」と心象を悪くしてしまう可能性があるので、出来れば控えておいた方が無難です。

また、自己破産後の海外旅行については、パスポートが取れなくなったり、自己破産の履歴がパスポートに残ったりすることを心配する方もいらっしゃいます。

しかし、自己破産をしても、パスポートの取得や履歴に影響が出来ることは一切ないので、その点ではご安心下さい。

カードの利用にはご注意を

その一方で、自己破産の手続きを行なうと信用情報機関に事故情報が登録されて、約5年~10年間は借入れが出来なくなり、クレジットカードも使えなくなります

海外旅行ではクレジットカードがあると便利ですが、ここら辺はやむを得ないと思って、別の方法を考える必要があります。

ちなみに、自己破産後はクレジットカードの利用が難しくても、デビットカードなら利用が可能です

ただ、デビットカードは海外で使えるものと使えないものに分かれるので、カード会社へ事前に確認をしておくことが大切です。

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自己破産をした際、海外旅行が制限されることはありますが、実際に制限されるケースは稀なので、気持ちを楽にして弁護士や司法書士に相談されることをお勧めいたします。