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自己破産をすると、基本的にすべての借金が免責となり、払う必要がなくなります。
では、市民税や固定資産税など税金の滞納があった場合、それも免除されるのでしょうか?
ここでは、自己破産をする場合の税金の対応について解説をしていきます。
滞納した税金は免除してもらえる?
自己破産をすると税金も免除になれば良いのでしょうが、残念ながら税金は自己破産を行っても、免責されることはありません。
なぜなら、税金は破産法253条1項で非免責権とされているからです。
破産法253条1項
免責許可の決定が確定したときは,破産者は,破産手続による配当を除き,破産債権について,その責任を免れる。ただし,次に掲げる請求権については,この限りでない。
一 租税等の請求権
ここでの租税とは、住民税(市民税)、所得税、自動車税、固定資産税、国民健康保険料などが含まれます。
非免責債権は大きく分けて、7種類あるのですが、その中で真っ先に挙げられているのが税金となっています。
ちなみに、人によっては、自己破産を行なわくても任意整理で借金を減らすことによって税金を払い続けながら、借金を返済していける場合もあります。
ですから、まずは、借金がどれだけ減らせるかチェックしてみて下さい。
延滞金だけでも免除してもらえる?
自己破産をした場合は、とにかくお金がないという方がほとんどです。
実際、税金を滞納した場合、延滞金も最大で年14.6%掛かってくるので、それだけでも、かなりの金額になってしまいます。
ですから、せめて延滞金でも自己破産で減額したり免除してもらいたいところですよね。
しかし、残念ながら、自己破産の手続きでは、税金の延滞金に関しても減額・免除はしてもらうことはできません。
ただ、その一方で、住民税の場合、地方税法の第326条には、以下のような条文があります。
第4項
市町村長は、納税者又は特別徴収義務者が第一項の納期限までに税金を納付しなかつたこと、又は納入金を納入しなかつたことについてやむを得ない理由があると認める場合には、同項の延滞金額を減免することができる
つまり、税金の滞納分は、役所などに直接相談をすれば、延滞金の減額や免除に対応してもらえることもあるのです。
ただ、条文にも書いてありますが、やむを得ない理由がないと減免には対応してもらえないので、簡単ではないところもあります。
その一方で、減額や免除だけでなく、分割払いや猶予(支払い期間の延長)などに応じてもらえる場合もあるので、税金が払えない場合は、早めに役所などへ相談されることをオススメいたします。
自己破産後に税金の時効を待つ?
税金を滞納をした場合、消滅時効の期間は5年となります。
また、通常の借金では、時効を成立させるために、時効の援用を行なう必要がありますが、税金の滞納分は、時効の援用を必要としましません。
なので、自己破産を行った後、税金の滞納分に関しては、時効が来るまで逃げ切ろうと考える方もいらっしゃいます。
ただ、役所側が督促状を出したり、差し押さえしたりすることによって、時効は簡単に中断されたり、振り出しに戻ったりしてしまいますし、延滞金もどんどん増えていきます。
時効を迎えるまで逃げ切ろうとするのは、かなりリスクが大きいので、やめておいた方が良いです。
税金は払うしかない!
結局、自己破産をしても税金は免除にならないので、とにかく払うしかありません。
また、税金の滞納が増えると差し押さえに遭うリスクも高まるので、その分だけでも早めに払っておいた方が良いということになります。
偏頗弁済のリスクは?
ここで、自己破産の直前に、他の借金は無視して税金だけ払うのは偏頗弁済(特定の債権者にだけ返済をする行為)にならないかと心配する方もいらっしゃいます。
ただ、税金は元々、非免責債権となるため、この場合は、偏頗弁済には該当しません。
借金だけでなく税金も払えないで困っている方は、まず弁護士など法律の専門家に相談するところから始めるようにして下さい。