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個人再生では住宅ローン特則を利用することによって、住宅ローンが残っている場合でも、マイホームを守りながら、借金の整理を行なうことができます。
また、住宅ローンの滞納分がある場合でも、住宅ローン特則を利用することは可能なのでしょうか?
ここでは、個人再生における住宅ローン特則の具体的な内容について解説をしていきます。
目次
住宅ローン特則を利用できる条件
個人再生で住宅ローン特則を利用できる条件は、民事再生法第196条、198条で以下のように定められています。
- 住宅は、個人再生を行なう債務者が所有している
- 床面積の2分の1以上は居住用となっている
- 住宅の建設や購入に必要な資金を分割払いにしている債権である
- 銀行や保証会社の抵当権が住宅に設定されている
- 不動産が住宅ローン以外の借金の抵当権になっていない
- 保証会社が代位弁済をした後、6ヶ月以上を経ていない
住宅ローンを滞納していても個人再生は可能
ここで、住宅ローンを滞納した人によって重要になってくるのは、保証会社が代位弁済をした後でも、6ヶ月以上経っていなければ、住宅ローン特則を利用できるという点です。
通常、住宅ローンを3ヶ月以上滞納してしまうと、保証会社が保証債務の履行を求められ、代位弁済を行なうようになります。
ここまで来てしまうと、利益の期限が失われ、滞納分も合わせて、一括返済を要求されてしまいます。
そこで、返済ができないと、住宅は競売に掛けられて相場の4割~5割の価格で売却させられてしまいます。
さらに、住宅ローンの残債から競売での売却価格を差し引いても借金が残る場合は、家を失い、借金だけが残るという最悪の結末を迎えてしまうことになります。
ですから、滞納をしている場合でも、住宅ローン特則条件を満たしいてるのであれば、できるだけ早く、個人再生の手続きができないか検討されることをオススメいたします。
住宅ローンの巻き戻し
実際、住宅ローンを滞納している場合でも、保証会社が、代位弁済をした後、6ヶ月以上経っていなければ、住宅ローン特則を利用することによって、滞納をする前の状態に戻すことができると、民事再生法204条で定められています。
これを住宅ローンの巻き戻しと言います。
住宅ローンの巻き戻しが行なわれると、
- 期限の利益が復活する
- 保証会社の代位弁済はなかったことになる
- 競売の手続きは中止される
となって、住宅ローンを滞納していた人によっては夢のような状態に戻るのです。
住宅ローン特則の種類
住宅ローン特則を利用する場合、以下のいずれかの方法を選んで手続きを進めていくようになります。
1. 従来通り、住宅ローンの返済を続けていく
もし、住宅ローンに滞納がなく、個人再生の手続き後も、従来の契約通り、住宅ローンの返済額を支払っていくことが可能であれば、同じ条件で支払いを続けていくようになります。
2. 期限の利益回復型
民事再生法第199条1項で定められています。
住宅ローンを滞納してしまうと、通常は、期限の利益を喪失し、一括払いを要求されます。
しかし、住宅ローン特則では失われた期限の利益を復活させることが可能です。
ただ、滞納した分は個人再生の再生計画案で決まった弁済期間(3年~5年)の間に分割して支払っていく必要があります。
そのため、個人再生期間中は月々の弁済額が高くなってしまうリスクがあります。
3. 期限の延長型(リスケジュール)
民事再生法第199条2項で定められています。
住宅ローンの毎月の返済額を減らして、従来の返済期間よりも最大で10年間延長させることができます。
ただし、債務者が70歳となるまでに完済することが条件となります。
4. 元本据え置き型
民事再生法第199条3項で定められています。
再生計画案で決定した弁済期間(3年~5年)は、通常の弁済額にプラスして住宅ローンを支払っていくと、月々の返済額が高くなってしまいます。
ですから、その場合は、弁済期間の時だけ、元本部分の支払いを猶予してもらうということが可能です。
ただ、住宅ローンの最終的な返済額は、返済期間が延びる分、増えてしまうというデメリットがあります。
5. 同意型
民事再生法第199条4項で定められています。
2~4の型は住宅ローンの債権者の同意がなくても行なうことが可能です。
しかし、住宅ローンの債権者の同意があれば、上記以外の特則を別途定めることも可能です。
例えば、住宅ローンを滞納した際に発生した延滞金の支払いを免除してもらったり、返済期間を10年以上に設定してもらったりすることができます。
個人再生は住宅ローンの支払いで困っている人にとっては、様々な救済措置を受けられる手続きとなっていますので、住宅ローンの滞納をしてしまった方はできるだけ早く弁護士や司法書士に相談するようにして下さい。