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個人再生で奨学金を外すことができないか質問される方がいらっしゃいます。
親などが連帯保証人となる人的保証の制度を利用している人が、奨学金を個人再生の整理の対象にすると、親にバレるだけでなく、個人再生で減額された分の請求が行ってしまい、多大な迷惑が掛かってしまうからです。
しかし、個人再生や自己破産では、奨学金だけ外すことはできません。
ここではその理由と、具体的な解決法について解説をしていきます。
目次
個人再生で奨学金を外すことができない理由
個人再生では、住宅ローンだけは住宅ローン特則を利用することによって整理の対象から外すことができます。
しかし、それ以外の債務に関しては、どんな事情が債務者にあろうと、すべて整理の対象としなければなりません。
なぜならば、もし、奨学金など一部の債務だけを対象から外すと、他の債権者は相対的に不利益を被るからです。
債権者の立場に立って考えたら、自分への借金は返済をしないのに、奨学金だけは、しっかり返済していたら、ふざけるなという話になりますよね。
ですから、そういった不平等が生じないようにすべての債務を整理の対象にしなければならないのですが、これを債権者平等の原則と呼んでいます。
自己破産でも奨学金を外すことはできない
債権者平等の原則は、自己破産にも当てはまります。
ですから、自己破産でも、当然、奨学金を外すことはできません。
自己破産の場合は、住宅ローンも対象から外すことができないので、ある意味、もっと厳密だと言えますよね。
奨学金で個人再生や自己破産をすると親にバレる!?
奨学金を借りている人の中には、親が連帯保証人になっているケースが多いです。
その場合、個人再生や自己破産をすると、
- 個人再生を行った場合:減額された分が連帯保証人である親に請求される
- 自己破産を行った場合:残債がすべて連帯保証人である親に請求される
ことになり、当然、そこで親にバレます。
また、連帯保証人である親に対して、請求が行く時は、一括請求される場合もありますが、連帯保証人が債権者の日本学生支援機構と交渉をして、分割払いを希望すれば応じてもらえるケースも多いです。
ただ、それでも、親にバレることに、変わりはありませんし、親から思いっ切り、ひんしゅくを買うことになってしまうでしょう。
奨学金だけ返済しようとすると・・・
しかし、そういった事情を知りながらも、奨学金だけ個人再生の対象から外す(債権者一覧表から外す)とどうなるのでしょうか?
個人再生や自己破産で、ある特定の債権者(奨学金の場合は日本学生支援機構)にだけ返済をすると、それは偏頗弁済(へんぱべんさい)と見なされます。
そのことがバレると、偏頗弁済をした金額が清算価値に追加されて弁済額が増えたり、最悪は、個人再生の手続きにおける再生計画案が不認可になったり、認可が取り消されたりしてしまうことがあります。
そうなってしまうと、個人再生は失敗となり、すべての借金が復活して地獄を見ることになります。
バレずに奨学金を外すことは可能なのか?
ただ、中には「バレないように奨学金を個人再生の対象から外すことはできないのか」と考える人もいるかもしれません。
しかし、奨学金を管轄している日本学生支援機構は、信用情報機関に利用者の個人情報を登録しています。
信用情報機関の情報は、銀行や消費者金融などすべての貸金業者が照会できるようになっています。
ですから、もし、奨学金だけ個人再生の対象から外したら、そのことは信用情報機関を通じて他の債権者にバレる可能性は非常に高いのです。
連帯保証人や保証人に迷惑を掛けない方法
ただ、どうしても連帯保証人や保証人である親など家族に迷惑を掛けたくないという方もやはりいらっしゃいます。
その場合の対処方法は2つあります。
弁済が完了した後に任意に返済する
個人再生の手続きを行なう場合は、奨学金を外すことはできないので、債務者にとっては奨学金の残債が減額されても、その分が連帯保証人へ請求されてしまうのは避けることができません。
そして再生債務者は個人再生の手続きの後、再生計画に基づいて残債を弁済していくことになりますが、すべての弁済が終わった後、残債を請求された連帯保証人の方などへ任意に返済することは可能です。
もちろん、一時的には迷惑が掛かってしまいますが、最低限の誠意は示すことができます。
任意整理なら奨学金を外すことが可能
ただ、上記の方法だと、親にバレることがないよう個人再生をすることはできませんし、少なからず迷惑は掛かってしまいます。
もし、連帯保証人や保証人に一切、迷惑を掛けず、バレないようにしたい場合は、同じ債務整理の手続きでも、任意整理で解決できないか検討されることををオススメしています。
任意整理は裁判所を通さず、整理する債務を選ぶことができる手続きなので、奨学金を外すことができます。
奨学金以外の借金の負担を任意整理で軽くすることによって、奨学金の返済を続けるというやり方も可能です。
ただ、任意整理は個人再生に比べると借金の減額幅は少ないため、シミュレーションをすると任意整理後の月々の返済額が思ったより高くなってしまう場合もあるので注意が必要です。
実際、債務整理を行なう際、個人再生ではなく、奨学金を外せる任意整理が可能かどうかは以下の方法で無料診断を受けて、チェックしてみて下さい。
機関保証であれば親に迷惑が掛からない
奨学金が人的保証で親や親戚が保証人になっている場合は個人再生をした時に迷惑が掛かってしまいます。
しかし、奨学金を借りた際、人的保証ではなく、機関保証を選んでいる人であれば、わざわざ奨学金を外すことができないか考える必要もなくなるでしょう。
この場合、親は関係ないので、親に迷惑が掛からないだけでなく、親にバレないように個人再生の手続きを進めることも可能です。
まとめ
個人再生(または自己破産)で奨学金を外すことは、債権者平等の原則からできません。
こっそり外そうとしても、信用情報機関を通じて、バレる可能性が極めて高いですし、そのようなことをしたら個人再生が失敗して、元の借金地獄に戻ってしまいます。
ですから、親が連帯保証人なっている場合は、個人再生を行った際、支払いの請求が来てしまうことを覚悟してもらう必要があります。
もし、親に迷惑を掛けたくない人は、個人再生の弁済が完了した後に、親に個別に支払うという方法もありますし、個人再生ではなく、任意整理を行って、奨学金を外すという方法があります。
ただ、機関保証を利用して奨学金を借りている人は、敢えて、奨学金を外す必要はないので、そのまま個人再生の手続きを行っても良いでしょう。
個人再生を行う場合、奨学金を外すことにできないので、奨学金の連帯保証人にしっかり事情を話した上で手続きを行なうか、或いは任意整理の手続きで乗り越えるか、まずは弁護士や司法書士など法律の専門家に相談した上で判断するようにして下さい。