任意整理は1社のみでも行なうことは可能です。

ただ、当サイトでは、特に複数社からの借金がある場合は、1社だけの任意整理はあまりオススメしてはいません。

ここではその理由も含めて解説をしていきます。

1社のみ任意整理をすることが可能な理由

複数社から借金をしている人が、その内の1社だけの借金をすることは可能です。

その理由は、任意整理は裁判所を通さずに、弁護士や司法書士が債権者と任意の交渉を行ないながら借金の負担を減らしていく手続きだからです。

同じ債務整理の手続きでも個人再生や自己破産は裁判所を通じた手続きとなり、基本的にすべての借金が整理の対象となります

(個人再生は住宅ローンのみ対象から外すことが出来ます)

個人再生や自己破産では債権者平等の原則が厳密に守られます。

そのため、1社だけを債務整理の対象にして、他の債権者には通常の返済を続けようとすると偏頗弁済と見なされ、手続き上、大きな問題が生じてしまうのです。

ですから、奨学金など保証人が付いている借金や車のローンなど、債務整理で整理すると、保証人に迷惑を掛けたり、財産を失ったりしてしまう可能性がある場合は、1社だけでも手続きが可能な任意整理はメリットが大きいと言えます。

1社のみ任意整理をする場合の注意点

しかし、その一方で複数社から借金をしていて、1社のみ任意整理をする場合は、以下の点について気を付ける必要があります。

借金の負担があまり減らない場合がある

1社のみ任意整理をする場合、その債権者に対しては、将来利息をカットして、月々の返済額や最終的に支払う利息の総額を減らすことが出来ます。

しかし、他の債権者からの借金は従来の金利のまま、そのまま返済を続けることになるため、全体的な借金の返済負担はあまり減らない可能性が高くなります

その結果、任意整理後の返済で滞納が続き、和解が破棄されるリスクが生じます。

参考記事:任意整理後に支払いが遅れてしまった場合の対処法

もし、任意整理後の返済が厳しい場合は、任意整理の再和解、個人再生、自己破産を行なうこともありますが、その場合は余計なお金と時間が掛かってしまいます

結果的に、最初から全ての借金を任意整理しておけば良かったという話になることも十分あり得るのです。

1社のみでもブラックリストに載る

1社のみ任意整理をした場合でも、信用情報機関に事故情報が約5年間登録されて、ブラックリスト状態になってしまいます。

そのため、その期間は新たな借入れが出来なくなりますし、現在、所有しているクレジットカードもやがて使えなくなってしまいます

1社のみの任意整理をする場合は、それだけのデメリットがあっても大丈夫かどうかしっかり考える必要があります。

任意整理の受任を断る弁護士や司法書士もいる

弁護士や司法書士によっては、1社だけの任意整理は受任しないケースもあります。

任意整理の報酬費用は、1社あたり数万円(プラス減額報酬10%が掛かる場合があります)というのが相場です。

法律事務所であれば、複数社を任意整理の対象にすれば、その数だけ報酬は増えることになりますが、1社だけであると法律事務所の利益が減ってしまうという事情もあります。

また、1社だけと交渉をする場合、相手の債権者が他社からの借金はどうなっているのか弁護士や司法書士に確認をすることがあります。

そこで任意整理をするのは1社のみであることが分かると、なぜ自分達だけなのかという話になり、交渉が難航する可能性もあります

そのような事情があるため、1社のみの任意整理は弁護士や司法書士から断られる可能性はあり得るのです。

任意整理もすべて借金を対象にするのが基本

もちろん、やむを得ない事情がある場合は、1社のみ任意整理をした方が良い場合もあるでしょう。

また、1社のみでも、多額の過払い金が発生している場合は、借金を減らす効果が非常に高くなる場合もあります。

ただ、基本的には任意整理をする場合でも、すべての借金を対象する方がより早く借金問題を解決することが出来ますので、そういった点を踏まえながら、検討されるのが良いでしょう。

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1社のみ任意整理をしても大丈夫かどうかは、あなたの借金の状況によっても変わって来ますので、まずは弁護士や司法書士に相談をしながら、アドバイスを受けられることをお勧めいたします。