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介護破産という言葉をご存知ですか?
介護破産とは、介護が必要になった老人や、要介護になった親などを支える家族が借金まみれになって引き起こされる破産です。
今、高齢化社会が急速に進む中、介護破産をする人が急増しているという問題があります。
ここでは、介護破産が増える原因と対処するための方法についてお伝えしていきます。
目次
介護破産をする人が急増する理由
では、一体、なぜ介護破産をする人が増えているのでしょうか?
世界有数の長寿国である故の悩み
WHO世界保健機関の発表によると、2016年の日本人の平均寿命は男性が80.5歳(世界第6位)、女性が86.8歳(世界第1位)となっています。
日本が世界でも有数の長寿国であることは大変ありがたいのですが、その一方で、要介護者の数も増えているという厳しい現状があります。
厚生労働省の調査によると、要介護者の発生率は、
- 40~64歳:3.0%
- 70~74歳:6.4%
- 75~79歳:14.0%
- 80~84歳:29.9%
- 85歳以上:60.3%
と80歳を超えてから急激に上昇する傾向があります。
つまり、長生きをする方が増えた分、病気や認知症で要介護になる確率が高くなるという深刻な問題が生じてしまっているのです。
要介護になると掛かる費用の問題
要介護になってしまった場合、取るべき選択肢は二つです。
一つ目はグループホームや老人ホームに入ること、そしてもう一つは自宅で家族に介護をしてもらうことです。
家族に負担を掛けたくないので、施設へ入居する老人の方も多いですが、その場合は、月額の費用が15万円~30万円掛かってしまうという問題があります。
また、費用を掛けたくない、或いは、子供が施設に親を送りたくないなどの理由で自宅介護の道を選ぶ人もいます。
その場合は、介護をする人が仕事を辞めなければならなくなり、収入が激減するケースが多くなってきます。
また、自営業の人が家族を介護することになって、仕事に身が入らなくなってしまい、収益が悪化して倒産してしまうというケースもあります。
さらに、介護をする際にやっかいなのが、その状態が何年続くか分からないということです。
もし、70歳で要介護になって90歳まで生きられた場合、介護費用が、月額20万掛かったとすると、20年間に掛かる費用は4,800万円となります。
こういった支出に耐え切れず、自己破産をする人が急増しているというワケなのです。
親子で介護破産してしまうケースも
介護の怖いところは、要介護になった親は、ご自身の介護費用が掛かり、また、介護をする子供は、仕事をやめて収入が激減し、介護費用も負担する中で、親子による介護破産のリスクがあるということです。
親が要介護になる中で、親を見捨てることができず、自分を犠牲にする中で、親子共々に精神的にも経済的にも追い込まれてしまうのは、ある意味、高齢化社会の悲劇だともいえるのです。
介護破産を防ぐためには?
実際、将来的に、直面するかもしれない介護破産という問題を未然に防ぐのは簡単ではないのかもしれません。
しかし、そういったこともあり得るということを想定した上で、今の内から、貯金を増やしておくことは大切です。
特に住宅ローンなど20年~30年先まで返済を続けるプランを立てる場合は、介護破産も含めた将来的なリスクを想定した上で、余裕を持って計画を立てる必要があるかと思います。
また、現在、既に借金返済で苦しんでいる方は、将来、不測の事態が発生した際、介護破産になるリスクはどうしても高くなってしまいます。
ですから、今の借金はできるだけ早く減らして、生活を立て直していかれることをお勧めいたします。
介護破産が心配な方の相談先は?
もし、介護について相談をしたい場合は、
- 市区町村にある介護保険の担当窓口(市区町村によって呼び名が異なります)
- 地域包括センター(市区町村に必ず一つは設置されています)
を訪ねていけば、介護についての疑問や悩みについていろいろ答えてもらることが可能です。
ただ、今の借金を減らすなど、介護破産を検討していたり、別の方法で解決できないか検討したりされている方は、弁護士や司法書士に相談されることをお勧めいたします。
例えば、以下の方法を使えば、無料で借金相談を受けることが可能です。
介護破産は、今後、ますます増えるリスクがありますので、最悪の事態を防ぐためにも早めの対処をお勧めいたします。