高齢者が借金問題を抱えてしまった場合、そこから抜け出すのは、かなり大変です。

70代、80代から収入を増やすことは至難の業だからです。

では、そういった時は自己破産をした方が良いでしょうか?

ここでは、高齢者が自己破産をする場合の注意点も含めて解説をしていきます。

高齢者の自己破産の割合は?

日弁連が発表した2014年破産事件及び個人再生事件記録調査によると、70歳代以上の破産者の数は、2014年は、全体の8.63%となっています。

実は、2005年の70歳代別の破産者数の割合は、3.05%だったので、高齢者の借金問題はより深刻化していることが分かります。

高齢者が自己破産をした理由を調べてみると

  • 住宅ローンの返済が60代後半まで続き、生活を圧迫してしまった。
  • 60歳で退職し多額の退職金をもらったけれども年金が支給される65歳までに大半を使い果たしてしまい、やがて借金生活に突入してしまった。
  • 年金受給額だけでは生活が成り立たず、借金が増える結果に。

という事情が見えて来ます。

今後、年金の支給開始年齢が68歳や70歳になると、自己破産をする高齢者はさらに増えるかもしれません。

高齢者が自己破産をしても年金はもらえる

高齢者の中には、自己破産をすると年金がもらえなくなるのではないかと心配する方もいらっしゃいます。

しかし、年金は差し押さえが禁止となっているので、自己破産をしても問題なくもらうことが出来ます。

参考記事:自己破産しても年金はもらえる?

ですから、自己破産後の収入減の心配をする必要はありません。

高齢者が自己破産をする場合の注意点

しかし、高齢者が自己破産をする場合はいくつか注意すべき点もあります。

財産がある場合

自己破産を検討している高齢者の中には借金以外にも土地や家、そして車などの資産を持っている人がいます。

もし、財産がなければ、同時廃止という手続きを自己破産が出来るので、裁判所に払う費用は2~3万円程度で済みます

しかし、財産がある場合は管財事件となって裁判所に予納金として50万円以上(少額管財の場合は20万円以上)支払わないければなりません。

さらに一定以上の基準を超える財産が換価処分の対象となってしまいます。

ですから、財産を失いたくない場合は、任意整理や個人再生の手続きが出来ないか、弁護士や司法書士に相談をすると良いでしょう。

高齢者の場合は、消費者金融から長期間に渡ってお金を借りていたケースも多いので、過去に利息を払い過ぎていたことが分かり、任意整理で十分解決できる可能性もあります

また、個人再生では、住宅ローンを守りながら、住宅ローン以外の借金を約5分の1に減額できるというメリットがあります。

年金担保融資は免責対象外

年金を受給している人の中には、年金を担保にしてお金を借りる年金担保融資を受けている人もいらっしゃいます。

しかし、年金担保融資は免責の対象外となので、自己破産をしてもチャラになるどころから減額もされないのでご注意下さい。

自己破産をした後の生活プランを見直そう

最近は、年金の支給額も下がって来ているので、自己破産をして借金がチャラになったとしても、自己破産前の生活レベルを続けていると、元の借金生活に戻ってしまう可能性が高くなります。

もし、今の年金支給額のまま生活が出来ないのであれば、自己破産後は、生活保護を受給するしかありません。

そうならないためにも、今の年金の金額でも生活が出来るようライフスタイルを見直していく必要があります

参考記事:債務整理と生活保護の関係~弁護士費用などはどうする?

高齢者が債務整理をするメリット

もし、高齢者が借金を残したまま死んだ場合、借金も相続の対象となります。

もちろん、相続人は相続があることを知った日から3ヶ月以内に相続放棄の手続きをすれば、借金の返済義務を負う必要がなくなります

しかし、その場合は、借金だけでなく財産の相続も放棄しなければならなくなります

ですから、自分の死後、借金を残さず、少しでも財産を残すためにも、生前の債務整理はメリットがあると言えるのです。

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自己破産は弁護士費用が数十万円掛かってしまうというデメリットもあるので、より気軽に出来る任意整理で手続きが出来ないかという点も含めて、まずは弁護士に相談をしてみて下さい。